時は約110年前に遡る
それはイタリア最強にして最大のマフィア集団
【ボンゴレファミリー】でボンゴレT世(プリーモ)を中心とした”守護者“と言われる者たちが
決められようとしていた。
それぞれが天候になぞらえた形で
候補にはたくさんの天候が上がっていた・・・もちろんそれは
その者の性格をかたどった様な・・・象徴と、言うべきもの。
ボスを中心とした6人の守護者が今決められようとしていた。
「大空・・・俺を中心として・・・”嵐“、”雨“、”晴“、”雷“、”雲“、”霧“の6人の守護者を決定した。
コレは俺や幹部との話し合いで決まったことだ。守護者達は追って知らせる」
多くの配下の前で、ボンゴレ1世・ジョットがそう告げた。
この時点、その者の象徴とされる守護天候が発表された時から
誰が守護者になるかなどと、決まっていたも同然。
「本当に、俺達でいいのか・・・ジョット」
「そうでござるよ。本当に我らでいいのかどうか・・・」
ジョットの去った後、彼の友人であり
守護者に任命された、嵐のG(ジー)と雨の浅利雨月が彼に言ってきた。
どうやら、2人は自分達が選ばれた理由があまり納得いってないみたいに思えた。
ジョットは振り返り、彼らを見る。
「他の奴らを差し置いて、お前達が一番優秀、有能だと思ったんだ。それじゃあ、ダメか?」
「いや、ダメってワケじゃ・・・」
「ジョットが言うんなら・・・Gよ、腹くくるでござる。友人が我々の実力をを認めてくれたのだ。
なら、我らは彼の援護をするだけでござるよ」
「雨月・・・そうだな。・・・ジョット、この役引き受けたぜ!」
「Gは相変わらずだな・・・2人ともよろしく頼んだぞ」
「「あぁ」」
廊下には勇ましいまでの返事が響き渡っていた。
そして、守護者任命式典
ジョットと、任命された6人の守護者が揃い、それぞれに象徴をかたどったリングが渡される
嵐の守護者・G
雨の守護者・浅利雨月
晴の守護者・ナックル
雷の守護者・ランポウ
雲の守護者・アラウディ
霧の守護者・D(デイモン)・スペード
そして・・・・・―――――。
「ドン・ボンゴレに・・・大空のリングを」
ボンゴレの紋章が入ったリングをジョットが嵌め
純度の高い橙色の炎が頭と、手から放出される・・・これが【ブラッド・オブ・ボンゴレ】だけにある
死ぬ気の炎と呼ばれるもの。
「如何なる困難があろうとも、7人で困難に立ち向かい・・・リングが道標となるでしょう」
「何が如何なる困難だ・・・ふざけてる」
すると、突然幹部老中の声を裂くようにある声が出てきた。
全員がそちらに振り向く・・・其処には、金色の頭髪に瞳は澄んだブルーをしていた。
「・・・ルーナ」
「ジョット、俺は認めない・・・何故其処にいる奴らが守護者なのか」
「自分が守護者になれなかったから・・・そう言ってるのか?」
「俺はいつもお前の側で、お前を守っていた・・・照らしていた・・・それは俺が月の守護者としてだ!」
青年はルーナという。
ジョットの古くからの友人・・・だがGや雨月とはまた別である。
そして、彼は・・・守護者候補の筆頭にいた・・・月の守護者ルーナ。
「俺・・・そして、コローレが決めたことだ」
「ジョット!?」
「それは初耳だぞ・・・コローレが決めたって」
「1世、僕はその話・・・聞いてないよ」
「とにかく落ち着いてください・・・彼女、コローレの事は誰も聞かされていない事実なんですから」
「貴様・・・っ、あの女の言うことを真に受けたのか!!」
コローレとは、ボンゴレが誇る最強の幹部・・・ジョットの次に強いとされる女性であり
そして、彼女は雲の守護者・アラウディと幼馴染でもあり、彼の所属している諜報部のNo.2であった。
「コローレは誰よりも中立な立場に居る・・・無色を司るアイツだからこそ、この守護者選出に欠かせなかった」
「ただの贔屓だ!!!其処に居るアラウディはアイツの幼馴染と聞いたぞ!!やはり其処に居る奴らは皆
贔屓で選ばれたに決まってる!!実力も俺のほうが上なのに!!」
「ルーナ・・・やはりお前は守護者には向いていなかったようだ・・・お前を選ばなくて正解だった」
「!!!」
「ジョット!?」
ジョットの言葉に、ルーナは驚きの表情を隠せず
冷たい友人の言葉に、彼は肩を震わせ、鋭く睨みつけた。
「俺は認めない・・・認めないぞジョット」
「勝手にしろ。お前一人が認めないと思っても、既に決まったことだ」
「お前は俺を・・・俺や他の守護者候補を否定したんだ!!最初っから俺達を外す目的でやったことだろ!!」
「ルーナ、それは違う」
「何が違うんだ!!何がボンゴレだ、何が守護者だ・・・ふざけるな!!!!」
ルーナは怒りを周囲に撒き散らした。
だが、ジョットは冷静に彼を見つめていた。
「俺達はお前らを末代まで怨み続けるぞ・・・お前ら、ボンゴレが息絶えるまで・・・ずっとだ」
「ルーナ」
「否定された俺達はお前にとってはもう用済みだろうな・・・なら、それでいい・・・俺はボンゴレを抜ける・・・
仲間を連れて・・・」
「仲間、だと?」
「そうだ!守護者じゃないと否定された・・・俺と同じ仲間だ!!そして、いずれ・・・」
「ボンゴレを滅ぼしてやる」
そう言って、ルーナは振り返り扉へと歩いていく
「そうそう・・・一つ、言い忘れてた」
「なんだ?」
すると、ルーナが首だけを振り向かせ、ジョットと守護者達を見る
「コローレに伝えろ・・・・・・・・・じゃあな。って」
----------バァァアン!!!
そう言って、式典会場をルーナは後にした。
一瞬静寂が訪れる会場、誰も開いた口が塞がらない
「ジョット」
「コローレ」
「コローレ、居たんですか?」
すると、石柱の影からコローレが不安な面持ちで現れた。
霧の守護者になったデイモンがすぐさま彼女の近づく。
「いつから、此処に?」
「最初から・・・ずっと、居た・・・」
「聞いて、いたんですね?」
「・・・胸騒ぎがしたから・・・でも、まさか・・・ルーナが」
「コローレ」
コローレは泣きそうな顔になり、涙を隠すように顔を伏せた。
「ルーナは・・・皆を、他の仲間を連れて・・・行くなんて・・・」
「コローレ・・・お前が気にすることはない」
「だけどジョット!」
「お前は、俺達を選んでくれたんだろ?なら、ルーナをギャフンと言わせるくらいにさ・・・俺達が
活躍してやるからよ!!」
「G」
「そうでござる・・・お主が我々を選んでくれたから、我々もジョットのために頑張ろうと思うことが出来たんでござる」
「雨月」
「コローレ!お前が元気を出さんでどうする?お前は元気が一番だろうが!!」
「ナックル」
「一番ヒヨっ子な俺を選んでくれたのにはワケがあるんでしょ?ジョットやコローレは俺に何かあるから選んでくれた。
俺、それだけで嬉しいだものね」
「ランポウ」
「貴女は、誰よりも仲間を思い、仲間を信頼しています・・・だから誰よりも仲間の事をよく知っている・・・。
貴女だからこそ、僕らは今こうやって此処に居るんですよ、コローレ」
「デイモン」
「コローレ・・・贔屓で僕を選んだんじゃないって、知ってる。・・・だって、君そんな子じゃないって
誰よりも僕が一番知ってるから・・・あんなバカの言うこと真に受けるないほうがいい」
「アラウディ」
ジョットと守護者の一人一人が、彼女に声をかけていく
溢れそうな涙を一生懸命に堪え、コローレは服の袖で涙を拭いた。
「うん。皆・・・ありがとう」
それが、ボンゴレの始まりだった。
だが、同時にボンゴレに強大な敵が迫ってきているのだと教えた時でもあった
でも、それは誰も知る由もなかった・・・
大空に月が喰いかかろうとしていると・・・まだ、誰も知らない・・・ボンゴレの始まり。
気付いたのは・・・110年の年月が過ぎ去った時のことだった。
全ての始まり〜presagio〜
(大空に否定された月・・・否定された者達は仲間を連れて空の元を去った)