さん・・・・なるべく、その・・・っ」
「あぁ、大丈夫殴りかかったりはしないから」
「(不安だ)」




アジトに着くなり、私はある場所へと足を進めていた

通り過ぎる際、部下達から「お疲れ様でした!」との声に私は「あぁ、おっつー」とだけ
答えて、足をそれこそ、もう音がする位・・・ドカドカと
廊下を歩いていた。・・・そうです、誰もが見ても分かるように・・・私は怒っています

顔は無表情としているが、何せはらわたが煮えくり返るくらい


だから、背後に付けている東麻が心配そうにしている。







「頼みますよ・・・此処は、穏便に、・・・しましょう」
「そうね、
なるべく穏便に。そうするつもり」
「(無理だ、この発言からして。)」







そして、一番大きな扉の前に止まる

其処が誰の部屋だってすぐに分かる・・・











「東麻、此処からは私だけで行くから」
「分かってます・・・僕みたいな奴が入れる部屋じゃないですからね」
「じゃあ、行ってきます」
「行ってらっしゃいませ」









そう言って、私はドアノブを握り締め










--------バァァアァアアン!!!









「なっ!?なんだ!?」
「敵襲か!?」




盛大に扉を開けてやった。
すると中に居たのは・・・言わずもがな、ボンゴレ10代目ファミリーの中心である
ボンゴレ10世(ディエーチ)沢田綱吉(通称ツナ君)と家庭教師のリボーン
そして、それを守護する守護者達が集まっていた。





さん!?・・・帰ってきてたんですか!?」
「うん、東麻が迎えに来てくれたからね。ていうか、今日が帰国って言ってなかったけ?」
「聞いてねぇよ、言ってくれたら俺達が迎えに行ったのによぉ」


私はツカツカと靴の音を立てながら
ツナ君や守護者の一人である獄寺隼人の声を耳に入れながら
ゆっくりと、ツナ君が鎮座している机の前に進む






「ところでさ、ツナ君」

「はい、なんですか?」

「何コソコソ動き回ってるの・・・それに、聞いてないわよ」





































「ボンゴレの部下達が連日襲撃されてるなんて」




「そ、それは・・・っ」





車の中で東麻に聞かされたのは
”ボンゴレ幹部襲撃事件“だった。しかも此処連日続いているらしい
新しく言うと、昨日も幹部数人が何者かに襲われたらしい。

私がイタリアに出張に言っている間も、その事件は続いていた。






「どうして、私に連絡を寄越さなかったのよ」

「そっ・・・それは・・・」

「僕がしないでくれって草食動物に頼んだんだ」

「恭弥」





すると、ツナ君の言葉を切り裂くように
私の背後から、幼馴染である雲雀恭弥が私の横にやってきた。





「今、にコッチに戻ってこられたらまたややこしくなると思って」
「ぶっ飛ばすわよ恭弥・・・何か私ばっかりのけ者にされたような感じじゃない」
「別にのけ者にしたわけじゃないよ・・・君を巻き込みたくないだけ」
「私を巻き込みたくないねぇ・・・・・・じゃあ、自分達はどうなのよ・・・・・・」



































「骸を疑って、私を巻き込みたくないとか・・・おかしな話じゃなくて?ね、骸」











「クフフフ・・・少しは話しが分かる人が現れたようですね。おかえりなさい、

「うん、ただいま。」



私は振り返り、ソファーに座っている骸を見た。
独特のあの笑い声を聞いて少し安心はしたが、まさか骸が疑われるなんて思っていなかった。






「でも、さん・・・骸には、前科が・・・」

「沢田綱吉・・・アレは、もう10年も前のことですよ・・・あの時はあぁするしかなかったんです。」

「今回の件もそうだろ、骸。・・・てめぇの仕業に間違いねぇ・・・どーせ、ヨーヨー野郎とかイヌ野郎使って
俺達の幹部を襲ってるんだろ?」

「誤解ですよ、獄寺クン・・・はぁ、マフィアとはどうしてこうも話の通じない輩が多いんでしょうね」

「何だと!?」

「獄寺君、落ち着いて!」

「しかし、10代目っ・・・」









「ねぇ、リボーン・・・10年前、何があったの?」



ツナ君、隼人そして骸の会話があまりにも意味不明すぎて
私は常にツナ君の側にいたリボーンに問いかけた。



「ん?そうか、は知らねぇからな・・・覚えてるか?雲雀の奴がボロボロに帰ってきたの」
「あぁ、かなりの大怪我で・・・あの後色々大変だったのは覚えてる」
「実はな、10年前・・・骸はツナの命を狙ってたんだよ・・・骸はマフィアを憎んでる・・・・それは」
「本人から聞いた。」





10年前、骸はツナ君の命を狙っていた。

それは骸のマフィアを殲滅させるという目的で、ボンゴレ10代目のツナ君を
血祭りにあげてしまえば、全てを殲滅できると思っていた。

だが、あのアホパイナップルはツナ君の『ブラッド・オブ・ボンゴレ』の力が目覚め
逆に返り討ちに遭い、そのまま復讐者(ヴィンディチェ)という鉄壁の牢獄へと戻され
まぁ、人のいいツナ君はマフィアですら畏怖の念を唱える
復讐者に頼み込んで骸を釈放させた。・・・そして、現在に至る。







「で、それと今回の被疑者の骸とどう関係してるの?」

「ツナを炙り出すために、骸はフゥ太の並盛ケンカの強いランキングを頼りに
並盛のケンカの強い奴らをことごとく襲撃していったんだ。」

「ふぅ〜ん・・・なるほどね」

「俺達は、また骸が同じようなことを繰り返すのなら・・・復讐者に戻すつもりだ。だが、当の本人が」




「だから、やってないものはやっていません。・・・それに、千種や犬、ましてやクロームは別任務で動いてますから
僕が襲撃しようがないんです。」

「嘘だろ、お前それ!!」

「獄寺、落ち着けよ・・・な、とりあえず落ち着こうぜ」





つまり、骸はやっていないと言う

だが、他の・・・特にツナ君、隼人は少しではあるが疑っている。
まぁ、10年前の並盛襲撃事件にあまり関わりがない
ランボ君や、怪我を負わされていた了平は何とも言えないだろう

だが、事件を解決したツナ君、隼人、武、恭弥の4人は疑って当然








「はーい、とりあえず私からいいですか?」

さん・・・ですから、俺はあまり貴女を・・・」

「思ったんだけど、もし骸がもう一度ツナ君を狙うとしたら・・・多分真っ先にツナ君の首狙うはず。」

「あ」

「た、確かに・・・・・・」




私の言葉に、今までガミガミと言っていた隼人が黙り始める。







「10年前のことは私はよく知らないけど・・・10年前は骸はツナ君の顔も背格好も知らなかった・・・だから
そうするしかなかった・・・でも、今はこうやってちゃんと目の前にいる。自分が狙っている人間が
目の前にいるのに、わざわざ雑魚から倒して、ツナ君の首狙ったりする?私はしないと思うけどな。」


・・・貴女という人は」

さん・・・確かに、さんの言う通りかもしれない」

「私の知ってる六道骸は・・・そらぁ、変態だけどさ・・・怪しい行動ばっかりしてるし何考えてるか分からないけど。
こんな姑息な真似しない・・・やるときは正々堂々と、自分でやる奴だって・・・私は思ってるよ」

さん」







人を疑うのは当たり前だと思う

だけど、それって過去のことだし・・・過去と今を比べちゃいけない


今を見てあげなきゃ・・・過去も今も、それは人の生きてきた証だし。






「あー・・・言いたい事言ったからスッキリした。じゃ、私は部屋に帰って寝るのでおやすみなさい」
「えっ!?そ、それだけ言いに来たんですか!?」
「うん。だって・・・仲間疑うのって何かイヤじゃん。それに私仲間はずれにされたみたいでさ・・・ちょっと
腹いせにも来たかったし・・・じゃ、そういうことで後は皆さんでご自由にどうぞ」









そう言って私は言いたいことだけを言って
そのままツナ君、皆がいる部屋を後にしたのであった。

































「ん?・・・む、くろ?」
「はい、おはようございます」
「・・・んー、おはょ・・・って、今何時?」
「夜の10時です。」



アレから、私は部屋に戻って今の今まで寝ていたらしい。
ふと気付くと、骸が隣に座って、私の頬を撫でていた。






「時差ボケでもしてるんですか?」
「・・・かも。・・・お腹すいた」
「何か食べますか?」
「・・・・・やっぱいい、寝る」
「朝食べて、何も食べてないんでしょ?」
「飛行機の中で食べてきたからいい・・・それよりも、お前のほうが食べてないんじゃないの?」
「え?」






私はようやく眠っていた脳が動き始め
骸の頬にそっと触れた。






「お前、ちょっと痩せた?」

「おやおや、に見抜かれるとは・・・僕も修行不足ですかね」

「はぐらかすな・・・最近まともに食べてないだろお前。」

「大丈夫ですよ、これくらい。」

「人のこと散々心配しておいて、自分の心配もしろアホ」

「そうですね、たまにはしてみますよ。・・・それよりも、

「何?」






すると、彼の頬に触れていた私の手を
骸はそっとその手を握った。








「昼間はありがとうございました。」

「あぁ、大したことないって・・・でも驚いた、骸が疑われてるなんて」

「襲撃事件が起こってすぐ、僕が疑われたんです・・・また、僕はあの光も音も届かない牢獄に閉じ込められるのかと思いました。」

「骸」






怖かったんだね、つらかったんだね

もっと早く私が・・・私が・・・





「帰ってきてあげたら、よかったのに・・・骸がこんな怖い思いしなくてよかったのに」



「ごめんね、骸・・・ゴメンね」

「貴女は何一つ悪くないですよ・・・謝らないで下さい、




そう言って骸は私の手を強く握ってくれた。





でも、この温もりが引き裂かれてしまう日が近づいてきてるなんて

私は思いもしなかった・・・そして、全てを巻き込む戦いは

もう、誰一人として逃げられなくなっていた。






ごめんなさい、しか言えない〜Sospetto〜
(もう少しアナタの気持ちに気づいてあげれたら・・・)


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