遂に、平行線が・・・交わってしまった
「骸」
「大丈夫ですか、」
「ぅ、ぅん」
骸がそっと、私の腕を引き自分の元へと寄せた。
目の前のクロームは、ディチェンブレの攻撃を三叉槍で受け止めていた。
そして、骸はノヴェンブレを見る。
「随分と卑怯なことをするんですね、ネガッツィオーネの方々は。」
「貴様・・・ボンゴレ霧の守護者か・・・」
「僕自身マフィアと馴れ合うつもりなどないのですけどね・・・ボンゴレ10世には大きな借りがありますし・・・それに」
そう、言葉を切って私を見る。
「おてんばな僕のお姫様を守らなければなりませんからね」
「なっ!?誰がお前のお姫様だ!!ていうか、おてんばは余計だよ!!」
「おやおや。目を離してしまえばすぐに無茶するんですから。僕の心臓、幾つあっても足りませんよ」
「お前とりあえず殺してやろうか」
「そうですね。ですが、その前に・・・・・・・・・」
「其処の見下している男を倒してからにしませんか?」
「同感」
私と、骸はノヴェンブレを見る
だが、かの男は無言のまま何も言わない。
「クローム、そっちはいいですか?」
「はい、骸様」
「無理しちゃダメよ、クローム」
「大丈夫だよ、・・・だって、毎日にたくさん練習付き合ってもらってるから」
「それでこそ、私の愛弟子ちゃんね。でも、無茶しちゃダメだからね」
「もね。」
ディチェンブレをクロームに任せ
私と骸は、いまだ見下しているノヴェンブレに攻撃を開始する。
私は、トンファを出し腕を振り回す。
そして骸は三叉槍を構える。
「2対1って卑怯だけど、相手が男だし」
「これは正当ですよ。女性を相手に2対1とするのは卑怯ですけどね」
「だよねー・・・って事。ノヴェンブレさん・・・出来るなら女性相手じゃなく男性相手にしてほしいところだわ」
「そうだな、考えておこう。」
そう、ノヴェンブレの言葉を耳に入れ
私と骸は飛び上がり、すぐさまノヴェンブレの間合いに入る。
だが、当のノヴェンブレは攻撃の回避などの事を一切しない。
そう、いまだ彼は丸腰のような状態だ。
武器だって何処にも見えない。
「攻撃しないの?」
「する必要がないからな」
「何ですって?」
ノヴェンブレの言葉に私は疑問に思うも
私はトンファを、骸は三叉槍を、振り下ろした。
が
「っ!?」
「え?」
何が起こったのだろう?
私と骸は、すぐさま地に足をつけた。
「骸・・・今の、当たった?」
「いいえ。・・・確かに当たったはずです」
そう、ノヴェンブレに攻撃を仕掛けた・・・が、私のトンファも骸の三叉槍も
ノヴェンブレに当たったはずなのに、空を切ったような感触
つまり、それは当たっていないという何よりの証拠
間合いも完璧だった、確実にヒットするはずの打撃が・・・何故、当たっていないの?
「驚いているようだな・・・俺に一撃も与えられなかったのがそんなに悔しいか?」
「まぁね。・・・あれだけの間合いを詰めたのに、攻撃が当たっていないというのはおかしい話ね」
「一体どんなマジックがあるんでしょうね・・・ますます確かめたくなりましたよ、ノヴェンブレ」
「骸!!」
そう言って、骸は笑みを浮かべながら
再びノヴェンブレに攻撃を仕掛ける。
だが、骸もバカじゃない・・・右目の六道は四の数字を刻んでいる
つまり、あれは・・・格闘スキルの修羅道の証
戦闘能力を上げれば、確実に今度は仕留めれる。
「フッ・・・貴様の力じゃ俺には勝てんぞ」
「どうでしょう、ね!」
骸は今度こそ攻撃が確実にヒットする
間合いを掴み、三叉槍を振り下ろした。
だが・・・・・・
--------ガシッ!
「っ!!」
「詰めが甘いな」
「骸!!」
振り下ろした、三叉槍をノヴェンブレは受け止めた・・・しかも手袋を嵌めた素手で。
まさか・・・骸の修羅道の攻撃を受け止めるなんて。
私や、ツナ君以外にも・・・そんなヤツが?
「聞いた話・・・貴様のこの三叉槍で攻撃を受けてしまえば、憑依されてしまうという話を聞いたのだが」
「おやおや、案外人様の武器も研究してるんですね・・・・・では、彼女の武器も?」
「何だと?」
---------ガシャン!!
『嵐砲撃(ストーム・ショット)』
----------ズドーン!!!
私は無のリングに力を込めて
トンファに嵐属性の威力を流し込み、銃弾を精製し、引き金を引いた。
嵐の属性は【破壊】
隼人みたいには上手く行かないけど、それらしいものは出来る。
地面に、骸の三叉槍が転がる。
「、僕も一緒に殺す気ですか?」
すると、それをゆっくりと取り上げる骸。
無傷という事は、上手く回避したようだ。
「いや、そのほうが役得かなと・・・いいじゃん、お前一人死のうが」
「酷いですよ、。危うく僕も怪我するところでしたよ」
「無傷が何を言う化け物が。」
多分仕留めた・・・確実に打ち抜いた感触はあったから。
--------ドサッ!
「きゃっ!?」
「クローム!?」
すると、ディチェンブレと戦闘を繰り広げていた
クロームの声に私は振り返る。
すると、彼女は劣勢に回っていた。
尻餅をつき、白きマントを羽織ったディチェンブレは彼女を見下す。
「クローム髑髏、何故貴女はボンゴレに加勢する」
「・・・っ、それは・・・大切な、・・・大好きな人が・・・居るから」
「・・・・・・じゃあ、私はなんだったの、・・・・・凪」
「え?」
すると、突然ディチェンブレが・・・知るはずのない、彼女の本名を口にした
あまりに突然すぎる事でクロームはおろか、私も驚きを隠せない。
「私は、なんだったの・・・凪・・・ねぇ、答えてよ」
「・・・・・・どうして、貴女・・・私、の名前・・・」
「忘れたの?・・・覚えてないの?」
すると、ディチェンブレがフードに手をかける
『やめろ、ディチェンブレ』
瞬間、攻撃を与えた場所から爆風が全部何処かへと飛ばされていく
まさか・・・さっきの嵐砲撃を防いだというの!?
爆風の灰色の煙の中、蒼白く輝く・・・剣・・・いや、刀が見えた。
剣風で、爆風を掻き飛ばすなんて・・・・・・
徐々に、灰色の煙が取り除かれ・・・・・・ノヴェンブレが姿を現す
だが、爆風によりフードが吹き飛ばされている。
見えてくる、ノヴェンブレの顔・・・・・・・・
「え?」
ノヴェンブレの顔を見た瞬間
心臓が、止まりそうになった
まさか・・・どうして・・・・・・?
「どうして・・・何で」
「?」
「何で、御島先輩・・・・・っ」
其処に居たのは、紛れもなく・・・御島隆満先輩
「覚えてないの、凪・・・私だよ・・・」
「貴女・・・・・冴、なの?」
クローム達のほうを見ると、黒い髪をし、澄んだ青色をした目の少女
そう、その子は・・・御島先輩の妹・・・冴ちゃん
今、私の中で優しい記憶が、崩れていく音がした
お願い、嘘だと言って〜Crollare〜
(今までの優しい貴方の表情が嘘のように崩れて行った)