『あれ?君見ない顔だね』
『あ、初めまして・・・今年このゼミを受講する といいます』
『そうなんだ。あ、僕院生なんだけど・・・去年までこのゼミ受講してた御島隆満・・・よろしくね』
『よろしくお願いします・・・御島先輩』












兄のように慕っていた・・・優しい人だから・・・



なのに・・・なのに、どうして・・・・・・?





























「な、んで・・・御島、先輩・・・冴ちゃん・・・どうして?」
、知り合いなんですか?」
「大学の、先輩・・・そして、先輩の妹さん」





未だに現実を受け入れられない
トンファを握る手が、思わず震えて、手から抜け落ちそう。


だって、ボンゴレを襲撃していたのがまさか御島先輩と、妹の冴ちゃんで

あんなに人が良い先輩が・・・どうして・・・







「先輩・・・何で・・・」

「俺達は、ただボンゴレを潰すだけ・・・ただ、それだけだ。」

「理由にしては簡単すぎますね・・・ノヴェンブレ。が納得しても僕は納得いきません」



「冴、どうしてこんなこと・・・っ」

「じゃあ、凪貴女にも問うわ・・・なぜ貴女はボンゴレに居るの?どうして、私を裏切ったの?」

「冴?」








それぞれが、互いに疑問を覚える

納得いかないよ・・・だって、先輩・・・あんなに、優しくしてくれた・・・それなのに・・・っ









「私は、貴方を兄のように慕っていました・・・それだというのに・・・何故ですか、先輩・・・何故ボンゴレ潰しを」

「お前がボンゴレの御目付役だと知って正直驚いた。運命とは残酷なものだな」

「貴方が、冴ちゃんがマフィアに関わるはずない!!どうしてですか!!何故・・・何故・・・っ」








神様、酷すぎるよ。

先輩が、冴ちゃんが、私達の敵だなんて








「話を聞く限り・・・彼らを元一般人と捉えてもいいんですね?」

「骸」





すると、骸は優しく私の背中を撫で、優しい表情で見ていた。
私は言葉も出ず、ただ首を縦に振る事しか出来なかった。








「では、ノヴェンブレ・・・改めてお伺いします・・・何故、元一般人だった貴方達が
マフィアなどという世界に首を突っ込み、僕らボンゴレを襲撃しているのか・・・・どうも合点がいきませんからね。
そこら辺詳しく聞かせてもらいたいものですね」

「敵に情けをかける気か、六道骸」

「まさか。僕はマフィアが大嫌いです・・・ただ、僕のお姫様を傷つけたとなると話は別ですが。」

「骸、お前・・・っ」







骸の言葉に、私は思わず顔が赤くなりそうだった

別にいつもなら気にならない言葉なのに、恥ずかしくてならない













「俺達は・・・我らのボス・・・アゴストには感謝している」

「アゴ、スト」






すると、御島先輩が喋り始める。

そういえば、アゴストって・・・空港で私が襲われた時の
下っ端の奴らもそんな事言ってた・・・やっぱりそいつがボスなんだ。







・・・お前は知ってるだろ・・・妹の、冴の病気を」

「重いものだっては・・・聞いてます。ただ、何の病気だったのかというのは・・・・・・」

「冴は・・・・・・・・」



































「心の臓に重病を患っていた」


「え?」




先輩の声で、私は背後に居る冴ちゃんを見る
心臓にそんな爆弾を抱えているのに、何故・・・こんなに彼女は動けるの?






「”特発性拡張型心筋症“という病気だ」

「特発性拡張型心筋症?」

「聞いたことがありますね・・・心筋、つまり心臓の筋肉が細胞の一部にないし全ての性質が変化して
通常より、心筋が薄く延びてしまいそのため心臓のポンプ機能が著しく低下するという病気です。
初期段階では自覚症状はあまりなく、軽い疲労感や動作時軽い動悸が起こる程度でよく発見が遅れる
ケースが多いそうです。コレが悪化すると心不全や不整脈を起こしかねないと聞きます」

「激しい運動は大きな負担を強いることになり、急な心臓発作も起こしかねない・・・最悪突然死も免れないだろう」

「そんな病気・・・冴ちゃん。・・・でも、それとアゴストと何の関係が・・・」

「そういうことですか・・・」

「骸?」




すると、骸が何かを悟ったのか
御島先輩を睨みつけた。











「彼女の・・・ディチェンブレの心臓は・・・僕がクロームに施した事と同じ原理です」

「え?・・・そ、それって・・・・・・」











心臓が、すごい音を立てて鳴り響く

まさか・・・そんなことって・・・・・・



































「彼女の心臓は、アゴストの力によって生きているのですね」






そうだ。

骸がクロームに施したもの。

彼は強力な幻覚で、彼女に内蔵を与えた。


冴ちゃんも同じように、アゴストから

心臓を・・・・・・








「で、でも・・・・納得いかない。心臓は言わば、全ての機能の原点であり調和している。それを失って
また新しい幻覚で心臓を作るなんて・・・・・っ」

「違いますよ、

「え?」




骸の言葉で、私の説明が切り捨てられた。
違う?何が違うの?



だって、骸の幻覚で今もクロームは生きているも同然
でも、あと少ししたらクロームに臓器提供される・・・それまでは彼女は
骸の幻覚で生きるしかない。



心臓も、同じように・・・臓器が提供されるまで、穴を開けるわけには・・・・・・・・・









「ま、まさか・・・・・」

「そのまさかですよ。アゴストは所謂大空属性の人間でしょうね・・・大空の属性は”調和“」

「冴の心臓をアイツは調和して、正常に動かしている。・・・・・・そう、」






































「このボンゴレリングの力によって」











「何ですって!?」




すると、御島先輩と、冴ちゃんの左の中指に嵌った・・・世界に7つしかないボンゴレリングが・・・・・・っ。




「聞いてないわよ!ボンゴレリングは骸たちが持ってるもののはずじゃ・・・っ」

「お前達が所持していたリングは正統なリング・・・そして俺達が所持しているリングは亜種だ」

「亜種・・・ですって?」

「亜種だろうが・・・属性は7つと定められているはずです。そうでしょう・・・ノヴェンブレ?」

「そうだ。・・・俺の属性は・・・・・・」












すると、御島先輩の中指に嵌ったボンゴレリングが・・・インディゴの炎を放出する・・・それはつまり・・・。




















「貴様と同じ属性だ、六道骸」

「クフフフフ・・・これはまた、何と言う偶然でしょうね」



インディゴ・・・つまり藍色の炎は、霧属性の証。
骸と、御島先輩が同属性者






「そして、私は・・・・・・」





今度は冴ちゃんのリングが炎を出す・・・それはブルーの澄んだ色・・・この属性は雨

ブルー・・・青色の炎は、雨属性の証
つまり冴ちゃんは武と同じという事。







「雨の属性・・・雪の守護者・・・ディチェンブレ」

「雪の、守護者?・・・冴、何で・・・っ」

「貴女は私を裏切った・・・仮にも霧の守護者であれば・・・立ちなさい、凪・・・」

「冴・・・どうして・・・どうして、戦わなきゃいけないの?」

「じゃなきゃ私が嫌なの!貴女は私を裏切った!裏切って・・・自分だけ幸せなんて・・・許さない!!」




怒りでリングが反応して、大きな炎を燃え上がらせていた。









「さぁ、お喋りは終わりだ」
「御島先輩!待ってください!!」
「もう、遅いんだ・・・誰にも止められない。・・・この運命は」
「そんな・・・っ」







こんな運命・・・いやだよ・・・

慕っていた先輩も、妹の冴ちゃんも・・・戦いたくないよ・・・。











・・・戦わなくてもいい日なんて、きっとないんですよ」

「骸」

「運命だろうが、なんだろうが・・・人間は争って答えを出す・・・そういう悲しい生き物なんです」

「・・・・・・・・・」






人は争って、初めて何を失ったかを気付く

それが怖くて、戦いをなるべく避けようとしていた

でも、人は・・・失っても、戦ってしまう・・・そんな生き物

そうじゃなきゃ、生きてはいけない・・・悲しい生き物なんだよね。










「最期の会話は出来たか?」








今は、前を見て戦わなきゃ

これ以上・・・大切な人たちを傷つけるわけにはいかない


たとえそれが、慕った人でも

結末がどんなに残酷でも・・・受け入れる・・・それが・・・私・・・だから。








「クローム、立ちな」

・・・っ、でも、私・・・」

「前を見なさい・・・後ろは見ちゃダメ。過去を見るな、今を見なさい・・・。
その子は私達の大事な人たちを傷つけるためにいるの・・・貴女がこんなところで
目を塞いでしまえば、貴女の大切な人が傷付くだけよ・・・立って、クローム」

・・・・・・・・うん。」





そう言って、クロームも立ち上がり、三叉槍を構える








「では、霜の守護者・・・ノヴェンブレ・・・参る!」

「行きますよ、
「オッケー」


「行くよ、凪」
「凪じゃない・・・私は霧の守護者・・・クローム髑髏」








受け入れよう、たとえ・・・進む道の先が・・・どんなに残酷なものであったとしても



切り開くのは、判断するのは、自分自身だから






残酷な荊道だとしても〜Accettare〜
(それを私は受け入れてみせる、だって未来を切り開くのは自分だから)


inserted by FC2 system

楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] ECナビでポインと Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!


無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 解約手数料0円【あしたでんき】 海外旅行保険が無料! 海外ホテル