が死んで
生まれ変わってアイツはになった。
として、再び目の前に現れるまで
俺の心はぽっかりと穴が空いていた。
ジグソーパズルでいう、大事な部分のピースを失くした感じだ。
大事なモノを失ったから
その穴をどうしても埋めたくて・・・・埋めたくて・・・。
女の肌を、求めた。
でも、結局は失ったときの大きさがあまりにも
衝撃的過ぎて・・・埋めようにも、埋まらなかった。
「カノン」
「?」
「大丈夫?」
「お前・・・なんで、此処に?」
双児宮。
柱にもたれ掛り眠っていた俺に
が心配そうな面持ちで見ていた。
目を開けた時、が目の前に居たから驚きが隠せなかった。
「沙織の所に行こうと思って、双児宮に寄ってみたの。サガは?」
「アイツは教皇の補佐で別行動。俺が此処の番してる」
「お留守番してるならしっかり守りなさいよね。こんな所でうたた寝してたらサガに怒られちゃうよ」
「お前・・・なんで」
「え?」
俺はそっとの頬に触れた。
「さっき、何で心配そうな顔してた?」
「カノンが魘されてたから、悪い夢でも見てるんじゃないのかなって思って」
「・・・悪い、夢か」
「カノン?」
に言われ、ため息が零れた。
が、として転生したのは本当に奇跡に近い。
でも、もしその奇跡がなかったら・・・・俺は、ずっと・・・・・・。
悪夢なのか、現実なのかも分からない狭間で悩み苦しんでいたのかもしれない。
たった一人、愛した女がいない・・・世界を。
「」
「カノン・・・カノン、どうしちゃったの?」
俺はを抱きしめた。
そう、強く・・・キツク。このぬくもりが現実だと確かめるように。
他の女じゃ、この渇き・恐怖は決して潤せなかった。
だからこそ、だからこそ、俺の全てを取り除いて潤してくれる。
お前でない、お前でないと俺はダメなんだ。
お前が居て・・・・俺の全てが満たされていく。恐怖にも打ち勝つことが出来る。
「・・・・ごめん、」
「どっちでも私だって変わりはないから。カノンの好きなように呼んでいいよ」
「・・・・」
「何?」
「側に居てくれ。もう、どこにも居なくならないでくれ・・・・頼むから」
分かってたんだ。
お前を好きになり、お前を愛した時から
お前じゃないとダメだということ。
最初から・・・・俺には分かっていたんだ。
どうして僕は君でないとだめなのか
(君の存在全てが、俺の全てを満たしていく。もうキミ以外誰も愛せない)