「ちょっと待って!2年も俺が此処離れてる間何があったのぉお!?」
「何って・・・何も、ねぇ十四郎さん」
「そうだよね、」
2年後。
銀時がかぶき町を離れ、過酷?といえる修行を経て
帰ってきた彼は、大好きなの元にと向かおうとしたら、何やら様子がおかしい事に気づく。
2年前までは、真選組の黒の隊服を着こなし
腰には刀を差して街を闊歩していたのに
今現在のは艶やかな小袖を身にまとい、その隣には穏やかな性格へと
変貌した土方が居た。
しかも何気にの土方に対する呼び方が変わっていた。
「ちょっと!何してんの?!愛しのお前の銀さんが帰ってきたぞ。何でそんなマヨネーズまみれの隣にいるわけ?」
「隣に居て当然よ、銀さん」
「へ?」
「だって私――――」
「十四郎さんのお嫁サンなんだから」
「うそだぁぁぁあぁああああ!!!!」
銀時の言葉を凄まじい速さで切り返すように、は右手に嵌った指輪を見せた。
一方の土方はの隣で少し照れた表情をしていた。
その右の指に光る指輪に銀時、あまりのことで発狂。
「!ちょっと、ちょっと待ちなさい!!銀さん、そんなの許さないよ!!マジで許しませんからね!!」
「だって、銀さんが私を置いてどこかに行くのが行けないんじゃない」
「うっ!?」
銀時が言い寄ると、はそっぽを向いて答えた。
そんな彼女の言葉に、銀時何も言えない。
「銀さんが私を置いていくから・・・置いていくから・・・」
「・・・すま」
「銀さん、はもう僕の奥さんなんだから勝手に手を出さないでくれるかな?」
「んだと!?」
泣き始めるを抱きしめようとした銀時だったが、土方笑顔でを奪い返す。
そんな彼に銀時はイラつく。
「マヨネーズ・・・てめぇ・・・俺の居ない間にを・・・っ」
「だって銀さんが悪いよ。離れたらが一人になるって分かって・・・を一人にした銀さんが悪いよ」
「こんにゃろ・・・」
「、泣かないで。僕がついてるから」
「十四郎さん」
泣いているに土方は仏のような、慈愛に満ちた面持ちでに愛の手を差し伸べる。
そんな土方にの表情は徐々に元に戻っていく。
「あんまり体に障るといけないから、もうウチに帰ろうか」
「はい」
「ちょっと待て!か、体に障るって・・・お、お前ら・・・まさか・・・っ」
土方の発言に、銀時の体が戦慄(わなな)く。
「あんまり叫ばないでくれる、銀さん。の体にはね」
「僕との間で出来た子供が居るんだから」
「マジ嘘だと言ってくれぇぇえぇえええ!!!!」
更なる爆弾発言をかました土方。
それにさらに発狂する銀時。
もう、これは認めるしかないよ・・・銀時さん。
「うっせ!ナレーション黙ってろ!!」
あ、す、すいません。
「マジ!ホント、嘘でしょ?嘘だと言ってくれ。マジ俺が悪かった!2年もお前を
ほったらかしにして悪かった!だからだから俺の所に・・・っ」
「もう私の中では、銀さんは過去の人です。今の私には十四郎さんっていう旦那さんがいるんですから」
の一言に、銀時更にショック。
「さぁ、帰ろうか」
「はい十四郎さん」
「ちょっと待てよ・・なぁ、待てって・・・なぁ、おい・・・っ」
「待ってくれぇぇぇえええ!!!」
「うわぁあっ!?」
「へ?・・・あ、あれ?・・・」
銀時は目を覚ました。
目を開けると見慣れた天井・・・万事屋の光景。
寝転んでいる場所は・・・居間兼応接室のソファー。
「ゆ・・・夢?」
「銀さん。どうしちゃったんですか?」
「」
すると、近くに居たのか真選組の隊服を身に纏ったが
ソファーに寝転がっている銀時に近づく。
「おめぇ、何で?」
「見回りでちょっと寄ったんです。来てみたら新八も神楽も居ないし、銀さんは寝てるし。
しばらく銀さん起きるまでジャンプ読んでたら・・・銀さん、魘(うな)され始めて」
「あー・・・」
「何か悪い夢でも見たんですか?」
が心配そうな面持ちで、銀時の額についた汗を拭う。
すると、銀時はの手を握り自分の元へと引き寄せた。
「ぎ、銀さん!?」
「・・・おめぇはぜってぇ俺のモンだからな・・・」
「え?」
「何処行くにもお前だけはぜってぇ離さねぇかんな」
「あ・・・はぁ」
銀時の言葉の意味はいつものことだろうと思いは戸惑いながらも返事をする。
しかし彼女は知らない、彼が見ていた恐ろしいまでの悪夢を。
例え夢でも、大事なものは何年経っても大事です。
(2年後・・・コイツの旦那になるのは俺だからな!)