「いっぺんでいいから、


「はい」


「俺のこと”銀ちゃん“って呼んでみ?」


「へ?」







ふと、俺は思った。

大抵俺のことをちゃん付けして呼ぶのは神楽ぐれぇなもんだ。
新八やお妙、其の他大勢は俺のことを銀さんと呼ぶ。

そして、もその1人だ。






「でも、銀さんは年上だし」



「何ぃ?さん付けでは呼べるけど、ちゃん付けは駄目ってかぁ?
そらぁねぇぜー。偏見はイカンぞ」



「偏見とかそんなんじゃなくて。銀さんは年上ですから出来ませんって話です」






ごもっともな意見を有難う。


だが、しくわぁぁああし!!!
此処で諦める俺ではない。




呼ばれたい、から「銀ちゃん」って!!

呼ばれたいのだ、の可愛い声で発せられる「銀ちゃん」っていう呼び方を!!




聞きたい!!!大いに聞きたいのだ俺は!!








「おいおい、だったら神楽見てみろよ。アイツ年齢ガン無視で呼んでっぞー」







その呼び方が聞きたいがために、俺はを追い詰めていく。
神楽という無作法な見本さえ出せば、だって俺のことを一回くらいは呼んでくれるはず。






「神楽は・・・・・・・・・いいんですよ」




「何、今の間?すっげぇ気になるんですけど、今の間」





神楽はいいっていう辺り、納得が行かねぇ。
アイツはは呼び捨てにするわ、の胸に飛び込んでいくわ、と一緒に風呂入るわで
俺としては何処をどーみても良いだなんて思ってない!!


神楽の何処がいいっていう判断なのか分からんけれど
このままでは、が俺のことをちゃん付けで呼んでくれそうにない。



ならば!!





「たまにはさぁいいじゃん!!銀ちゃんって呼ばれたいじゃん!!ホラ、呼べ!今すぐ呼べ!!」



「出来ませんって、銀さ」



「あー次、銀さんって呼んだら俺返事も会話もしねぇかんな。
可愛い声で呼ばれようが何されようが無視すっかんなー」



「ちょっ、ズルいです!!」






駄々っ子大人銀さんとーじょー!!


駄々っ子大人銀さんは、が非常に弱くなる属性だからな。
ちなみに他の前でコレやると大体怒られるか殴られるかのどれかしかない。





「大人は大概ズルい生き物なんですぅー。ホラ、呼べ。じゃねぇと、もう返事だってしてやんねぇかんな。
まぁ〜あ、それでいいならおらぁ別に構わねぇけどぉ〜?」




「うっ・・・・・・ぎ、ぎっ」





そう言うと、が顔を真っ赤にして言い始めた。

やはり、の前だと駄々っ子大人銀さんは弱いらしい。


言うと分かったら後は口から言葉を零しゃいい。







「はい、もーちょっと」




「ぎ、銀」



「はい、もう一踏ん張り」




「ぎ、銀、ぎん・・・・・・・・・・・・・銀、ちゃん」




「あぁ?聞こえませぇえん!!もう一回お願いしまァァあす!!」



「なっ!?ちゃんと言いましたよ!!」






小声でだが、確かに聞こえた。

でも、小声。
ちゃんと聞こえるように言ってほしい。

ぶっちゃけ、悪戯心に火が付いた。







「あの、遊んでます?」


「べっつにぃー。チャン、ホラ、もういっかぁーい!!はい、もういっかぁーい!!」







言葉を吐き出させるように手拍子で煽る。

羞恥心での体が微かに震えている。でも、泣きそうではなさそうだ。









「手拍子で煽るな天パ。あーもう!!ぎ、銀、銀ちゃん!!」




「・・・・・・・・・」







呼ばれた声に、途端体が固まった。








「あ、あのもう呼びましたから・・・いいですよね?」








ふと、の声に我に返る。
でも何だか体中が縛られたように動けなくなったのを誤魔化したくて――――。








「ごめん、聞こえづらかったわ。つーわけで」




「もう呼びませんよ!!」



「えー?」



「だ、駄々こねないでください!!いい大人がみっともないです!!」



「俺、いい大人じゃねぇもん、マダオだもん。ねーねー、もっかい呼んでよぉ〜。
可愛いチャンのお声で銀ちゃんってさぁ〜呼んでよチャ〜ン」



「誰が呼ぶもんですか!!銀ちゃんのバカ!!もう知りません!!」



「あ、お、おい!?」






は顔を真っ赤にして凄まじい勢いでその場から走り去っていった。
俺はというと、呆気にとられつつも頭を掻いた。








「ったく、逃げるこたぁねぇだろ。まぁ・・・ちと、からかいすぎたか」








駄々っ子大人銀さんで、そのままをイジメ抜こうと思ったが
どうやら自体が耐え切れず逃げ出してしまった。

まぁイジメすぎたことはちょっと反省しよう。



でっもぉ――――。








「可愛いの声で銀ちゃんって呼んでもらえたしー結果オー!ライ!」











『銀ちゃんのバカ!!』




ちゃんと聞こえていた。

お陰で俺は一瞬我を忘れてしまったし、体が固まってしまった。








「んでもまぁ、ああいうのはたまに呼んでもらうのがいいな。
あんな呼び方四六時中されたら、俺の股間センサーがギンギンに反応してヤバイのなんのって・・・」







ふと、違和感。

特に股間のあたり。


目をそちらに向け、思わずため息。












「おいおい。ちょっとおちょくっただけなのに、何やってんの。
何に反応して俺のジョイスティック元気になったわけ?暴れようにも暴れられませんよコレ。
あーあ、もーこれだからさぁ、イヤになるよねぇ〜可愛い年下彼女持っちゃうとさぁ〜もぉ、ヤダヤダ。
とりあえず・・・・・・トイレ行くか」






イジメるのも、まぁ程々にってヤツだけど
好きな子程イジメたくなっちゃうのは、男の悲しいサガなんかねぇ。


銀さんって呼ばれようが、銀ちゃんって呼ばれようが
好きな子からならどっちで呼ばれても、俺は嬉しくて舞い上がっちまうわけか。

体がはっきり反応したのが良い証拠だぜ。




呼ばれ方は人それぞれだよね
(でも好きな子から呼ばれたら、嬉しさ倍増) inserted by FC2 system

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