「銀さん、離れて下さい。火使ってるんですから」


「いやいや離れるわけにはいかねぇよ。いくらおめぇが体鍛えてるからって
いつ腰が抜けるか分かんねぇだろ?だーかーら俺が後ろから抱きしめて支えてやりゃ万事解決だ」


「何か、よく意味が分かりません」





部屋でヤリ終わった後。
気絶したが目を覚まし、事後のあまーいトークを其処でするはずだった。

だがしかし、コイツには夕飯を作るという義務が残っていたらしく
久々にヤったから足腰が立たないかと思いきや
平然とした表情で立ち上がり、着物を整え台所にと向かった。



せっかくの時間がまたなくなる・・・!!と思った俺は
急いで後を追い、台所で料理をするを後ろから抱きしめた。







「それによぉ、せーっかく仲直り出来たのに、俺らの時間無くなるのイヤじゃん。
銀さんが甘えられるのチャンしか居ないんだよぉ?甘えさせてくれよ〜〜」


「もう分かりましたから。だったらお手伝いしてください。冷蔵庫から白だし取ってもらえます?」


「はーい」






側を離れずに済むというのなら、手伝いでも何でもしますよーと
心の中で呟きながら言われた通り俺は冷蔵庫を開けて、から言われた通りのものを探す。

ふと、目に留まる・・・空っぽの冷蔵庫のスペースを一番に陣取っている白い箱。


昨日見たときはこんなもんなかった。







ー」


「はい。あ、白だし切らしてました?」


「いや、それはあったんだけどよぉ・・・何、この白い箱?」


「え?あっ、そ、それは・・・っ」







くぐもったの声に俺は冷蔵庫から顔を出し
を見た。

すると、何やらアイツの頬がほんのり赤いことに気づく。






「あの・・・私も、仲直りしたいと思って・・・プリン、買ってきたんです」



「え?」





再び冷蔵庫に顔を突っ込み、箱を取り出し開けた。


すると其処に小さなプリンが二つ、そして一際デカイカップに
フルーツのたくさん乗ったプリンがあった。






「私の分はいらないんですけど。新八と神楽にも買わなきゃ悪いかなぁって思って。
あの、でも・・・銀さんのは、一番大きいのを。カップも、食べ終わった後使っていいように」



、おめぇ」



「わぁああもーごめんなさい!!あの、とりあえず食べて下さいってことなんで!!
ご、ご飯食べ終わったら皆で食べて下さい!!わ、私明日仕事なんで、これ作ったら帰りますから!!」






そう言いながらは再び料理に集中し始める。
だけど、顔どころか耳まで真っ赤。



ホント、そういうところが可愛くてたまんねぇ年下彼女様だわ。



俺は冷蔵庫から離れ、定位置―つまり、を後ろから抱きしめる―に戻る。







チャン」


「っ!!」


「耳真っ赤ですよー。まさか、プリン食べる前に私を食べて?みたいな
お約束言葉で俺を布団にお誘いするつもりだったのぉ?」


「ち、違います!!何勘違いしてんですか!!」


「いいの、いいの。銀さんは別にね食べたあとでプリン食べても良かったんだよ〜」







ニヤニヤと笑いながら俺はの耳を甘噛みする。

吐息を耳に吹きかけつつ、全体を軽く歯を立て噛み付く。






「ちょっ、ちょっと銀さん・・・っ、耳、噛まないでください」


「俺はの全部を食べちゃいたいくらいだーい好きなの」


「わ、分かりましたから・・・あの、離れて、ください・・・っ」


「あー、もーダメ。やっぱあの1回じゃ足んねぇ・・・今から此処でシテいい?」


「ダメですよ!!何言ってんですか!!ちょっ、何処に手を入れて・・・ッ」






耳を噛むだけじゃ物足りずになり、俺はの着物の襟に手を入れ
可愛いプリンに手を伸ばす。

食べ物のプリンも好きだけど、のプリンも大好物!






「無理無理。があまりにも可愛すぎるから抑えるの無理なんだってー。
すぐ終わらせるから、マッハで終わらせるから、300円あげるから・・・、シよ」



「やっ・・・ぁ・・・ぎ、銀さ・・・」










頬を赤く染め、目を潤ませた表情はたまんねぇ。

横に向けられた顔に俺はゆっくりと近付き
唇が触れようとしていた。












「銀さん、遅くなってすいません。途中で神楽ちゃんとばったり会って」


ー、遅くなってゴメンアル。途中で新八と出くわしたヨ」







「うわぁああぁあ!!」


「ぐはっ!?」

















「す、すいません銀さんにさん。あの、何か2人の邪魔して」


「い、いいのよ新八!!ほら、気にしないで食べて食べて」





夕食時。

テーブルに並んだが作ってくれた飯を前に
俺は鼻に小さく切った湿布を貼り、神楽と飯の争奪戦を繰り広げていた。






「銀ちゃんその肉私のネ!!」


「アホ!!俺のだっつーの!!が俺の為に作ったんだよぶわぁぁあかぁあ!!」


「2人ともちゃんと自分の分食べなきゃ駄目じゃん」


「慌てて食べなくても余分に作ってあるから」








余分に作ってあるのを俺は知っている。

しかし、今は飯を食っておかないとやってらんねぇ。
何故ならせっかくのオイシイ時間をものの見事にガキ共の乱入でぶち壊しにされたのだ。


せっかく・・・せっかく、あと数ミリという距離で
とチューして、あんな事やこんな事に持ち込めるはずだったのに
ガキ共が帰ってきたせいで、俺はから思いっきり頭突きを食らい、鼻に湿布を貼る羽目になった。



本来なら飯を作ったら帰る予定だったも俺に
頭突きをして申し訳ないと思っているのか
俺らが飯を食べ終わったら帰ると言って万事屋に残ってくれた。






「ったくよぉ・・・おめぇらのせいで大事な時間ぶち壊しだってんだコノヤロー」


「だから、謝ってるじゃないですか」


「そうネ!は気にしないでーって言ってるのに、銀ちゃん見っともないアル」


「だーまーれ!!人の恋路を邪魔する奴ぁは馬に蹴られて死んじまえって言うだろうが!!
邪魔すんな!!空気読めクソガキども!!おめぇら馬に蹴られて死んでこいや!!」


「さすがに今のカチンと来たぞ」

「んだとこのエロジジィ!!」



「さ、三人とも落ち着い・・・ん?」


「あ?どーした?」




宥める声を発しようとしたの動きが突然止まった。
それだけで、俺らの動きも止まる。

アイツを隣に座らせたから、その動きが逐一視界に入ってくる。
すると懐に手を伸ばし、其処から携帯を取り出し開く。







「あ、近藤さんからメールだ」



「はぁあ?何お前?あんなゴリラとメルアド交換してんの!?今すぐ消せ!!おめぇが穢れるから消せ!!」



「仕事上消すわけにはいかないですから」






そう言っては指を軽快に動かし始める。


俺としては、が俺以外の男とそんなやりとりしてる段階で
嫌だし消して欲しいのに仕事の立場上そうもいかねぇっていうのが非常に歯がゆい。

俺は箸を口に咥えながら、を見る。






「あっ」


「どーしたよ?」


「近藤さんが・・・明日も、休んでいいってメールが来てました」


「へぇ、明日も休んでいい・・・・・・・・・休んでいい!?」






内容を読んでくれたの言葉をスルーして、飯を食べようとしたが
聞き捨てならない言葉に思いっきりを見た。






「留守を預かってくれたお礼、だそうで」


さん頑張ってたみたいですからね」


「そうアル!!ゴリラ共はに感謝するべきネ!!」


「何か急にそう言われちゃうと、びっくりするけど・・・だったらもう一晩
此処にお泊りしてもいいかな・・・なーんて言ってみたけど、ダメだよね?」


「何言うアルか!!またと私、一緒にお風呂に入るネ!!私は大歓迎アル!!」


「だそうですよ家主さん。どーするんですか?神楽ちゃんは泊めたい気満々ですけど?」






神楽を見ると目を輝かせて俺の返答を待ってるし。

新八は笑いながら俺を見ていた。


そして、肝心のは――――――。







「あの、別に無理なら無理って言ってもいいですからね銀さん」







控えめな言葉を俺に掛けてくれた。


此処で断りゃ男が廃るってか?



俺は頭を掻いた。







「好きにしろ」








その一言を零すと神楽は飛び跳ね喜び、隣で新八は喜び乱舞する神楽を宥めていた。


昨日あんな事があったけれど
まぁ上手い事仲直り出来たし、昨日の事は水に流すとした。


ぶっちゃけ、が今日もお泊りしてくれるってなったから
アレやコレやって色々考えて仕方がねぇ!!

どうしようかなぁ?

今日こそアレやっちゃおっかなぁ?

いや、コレも試してみたかったりー。




アレコレ、脳みそん中で考えつつ
オモテにはそのヒデェもんを隠していた。








「銀さん」


「あー?」







隣から声を掛けられ、顔を見るとが頬を染めて笑いながら
俺の耳元まで近づき―――――――。











「っ!!!!」










耳打ちされた。

その言葉に隠していたテンションがヤバイくらい跳ね上がる。














『今日は寝ないで待ってますから。早く、来てくださいね?』












小さく耳元で囁かれた愛らしい声に
今すぐにでも襲って食っちまいたい気分だ。


むしろ、今すぐにでも部屋に連れ込みたい・・・!!


しかし、そんなみっともねぇ真似なんぞするもんか。
今日はアイツも起きて待ってるって言ってんだから、それに嘘偽りはねぇはず。


なら、もう決まったも同然だ。









「だったら寝かせてやんねぇよ。覚悟しとけ」


「・・・はい」










今日は朝まで、イチャイチャすっぞ!!





寝た子は寝たままにしておくのが一番です
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