「うわー!!凄いネー!美味しそうな食べ物いっぱいヨ〜!!」
「好きなの何でも言っていいからね神楽」
「本当カ!?どれから食べようか迷うアル」
「新八も欲しいのあったら言っていいから」
「す、すいませんさん」
「新八!新八!!コレ何アルカ?」
「あ、それはね」
神社に四人で赴くと、神楽は並ぶ食い物の出店に大はしゃぎ。
知らない食べ物に指をさしては、新八に説明をさせていた。
んで、そんな俺はというと―――――。
「悪ぃな。神楽のワガママとは言え金使わせて」
「いいんですよ。コレくらい」
浴衣美人のと肩を並べて歩いている。
ははしゃぐガキどもの姿を見て笑みを浮べている。
そんなアイツを目線落として見る。
襟から見える、うなじ。
化粧もしているのか、潤んでいる唇。
ほんの少しの暑さで、肌を滴る汗。
「(・・・クソッ、色っぽい!!)」
普段からは、あの黒い隊服に肌を完全に隠している。
だがしかし、今はどうだろうか?
薄手の生地が肌だけを隠している。
見える所は・・・正直、見える。
うなじも、手も、腕も・・・生足だって。
そう考えたら・・・浴衣って素晴らしいモンだな。
考えた人天才。
ノーベルなんとか賞とかあげたい気分だ。
「銀さん、どうかしましたか?」
「へ!?あー・・・いや、何でも」
俺の視線というか異様?な雰囲気にが気付いたのか
こちらを見上げる。
おっと、その悩ましい視線でのアングル。
非常に俺の心と、下心をガッツリ掴んでおります。
チャンの上目遣いは、相変わらずたまらん。
なんて、言えるわけもなく言葉を濁した。
「でも、夏祭りとか懐かしいです」
「あ?」
「小さい頃、父と母と三人でよく来てましたから。
皆で浴衣着て、私が1人ではしゃいでいても、父も母も私の姿に笑っていました。
そう思うと・・・あの頃が懐かしく思えてしまいます」
「」
きっと今・・・コイツの目には昔の情景が重なって映っているのだろう。
神楽がはしゃぐ姿を、昔の自分と重ねているように。
俺は頭を掻きながらため息を零す。
「懐かしむのも結構だがな・・・今を楽しめよ」
「銀さん」
「せっかく来たんだし・・・楽しんで帰らなきゃ損だろ」
「・・・そうですね」
「それによぉ」
一旦言葉を切り、俺はの手を握る。
手のぬくもりに気付いたのかは頬を赤らめ俺を見る。
「隣にせっかく浴衣美人が居るんだ。俺としちゃ、そんな美人の笑顔見らずして帰れませんから」
「ぎ、銀さん」
「昔を思い出すのもいいが、今も楽しもうや。せっかくの浴衣が台無しになるぜ」
「そうですね。ありがとうございます銀さん」
俺の言葉に安心したのか、はやんわりと笑顔を見せてくれた。
い、いかん。
浴衣姿のに俺の下心どころか、俺の下のフランクフルトが
熱を持って反り立つ勢いだぞ。
いや違う!此処は可愛らしくバナナチョコだ。
そう、その方が聞こえとしては可愛い方だ。フランクフルトよりマシに聞こえる。
ぶっちゃけ例え方どっちにしろ、に食べてもらいた・・・・・・いなんて、死んでも言いきれん。
に「俺のアツアツのフランクフルト食べない?」とか「ホワイトチョコの掛かった俺のチョコバナナどう?」
なんて言ったら確実にドン引きされるし、恋人の縁を切られそうだからやめよう・・・あーやめよう。
「(いかん。祭りに来てまで俺の脳みそはおかしくなりやがった)」
「ー!食べたいもの決まったアル〜!!」
「どれ食べたいの?」
すると、神楽が食べたいものが決まったのかの浴衣の裾を握り引っ張る。
が俺に視線を向けると、握っていた手を離し
神楽と一緒にどっかの店へと楽しげに小走りしていく。
そして、2人と入れ違うかのように新八がやって来た。
「楽しそうでよかったですね、神楽ちゃん。さんも何だか楽しそうですし」
「俺も楽しいよ〜・・・色っぽい見て、色々妄想しちゃうから」
「とりあえずアンタのその妄想どうにかしろ。むしろ暑さで脳みそ爆発しろ」
「見てみてー!に買ってもらったネー!」
すると神楽が手に何かを持って戻ってきた。
遅れても戻ってきた。
「何買って貰ったの神楽ちゃん?」
「アッツアツのフランクフルトネ!しかも店の親父ぶっといのくれたアル!!」
「店の人が可愛い姉妹だから大きいのって言って」
「違うネ!店の親父、が美人だからって言ってコレくれたヨ!
美人な姉ちゃんにって店の親父ニヤニヤしながらくれたネ!」
「か、神楽・・・ダメよそんな失礼な事言っちゃ」
ちょっと待て!!!
明らかにその店の親父は下心丸出しで品モン渡したよな!!
俺の女に下心丸出しどころか、完全に「俺のフランクフルト食ってくれ」って言ってるようなサインだよな!!
俺だってそんな事出来もしないし、言えもしねぇーよ!!
むしろもで鈍感すぎるだろうが!!
明らからにコレが下心じゃなくてなんて言うんだよ!!
恋愛に奥手なのは非常に可愛いことだが、鈍すぎるにも程がある!!
「銀さん。明らかに、店の人・・・狙ってます」
「店の親父とりあえずシバきゃいいんだろ?俺の女にヤラシイ知識植え付けようとしてるエロオヤジを」
「いや、アンタも十分にエロオヤジだよ」
俺と新八は戦慄していた。
とりあえず、俺の第一目標としてはフランクフルト屋の親父をシバけばいい、という事になった。
「ん?、何、手に持ってんだ?」
すると、の手にも何か持たれていたことに気付く。
「え?ああ、懐かしいなぁと思って買ったんです・・・・・・チョコバナナ。
昔も父によく買ってもらってて、口周りにチョコレートベタベタつけながら食べてたの思い出しちゃって」
「へぇ、さんにもそういう可愛いとこあったんですね」
「可愛いネ〜」
「こ、コラからかわないでよ2人とも」
は笑いながら思い出話を語る。
そんな思い出話を聞く新八と神楽は笑う。
だが俺は、その話に参加するどころか妄想してしまった。
口周りに、チョコレートをベタベタつけながら反り立ったバナナを食べるの姿に。
いや、むしろ――――――。
『あの・・・銀さん、の・・・大きな、ホワイトチョコの掛かった・・・チョコバナナ・・・食べても、いいですか?』
色々迫りすぎて(フランクフルトとかチョコバナナ)俺の脳内ショッキングピンクー!!
の浴衣に、夏の暑さに、とどめにフランクフルトやらチョコバナナ!
脳みそが溶けるどころか、股間が爆発しそう。
そう、俺のチョコバナナが爆発起こしそう。
いや・・・此処はチョコバナナ、というよりむしろぶっといフランクフルトだよな!
「銀さん」
「へ?」
我に返ると、目の前に。
「一口いりますか、チョコバナナ。これくらいの甘いものならお医者さんも許してくれますし大丈夫ですよ」
「・・・・・・っ」
「は、はい・・・何ですか?」
優しくチョコバナナを目の前に差し出してきたの肩を掴み―――――。
「銀さんの、ホワイトチョコの掛かったチョコバナナ食べない?ていうか、食べてほしい。
チャンの可愛いお口で銀さんのチョコバナナを食べてほしいんだけど・・・どう?」
「え?」
「「何を言っとんのじゃエロオヤジー!!」」
「ぐはっっ!?」
に対する問題発言に新八と神楽に制裁を加えられた俺。
「だから何度言ったら分かるんですか!!妄想を口にするな!!」
「銀ちゃん最低ネ!!、こんなエロオヤジとさっさと別れるヨロシ!!
店の親父達の下心よりも銀ちゃんの下心の方がよっぽど酷いネ!!」
「か、考えとく」
「マジでゴメン!!、頼むから頼むから別れるとか絶縁するとか言わないで!!
銀さんチャン居ないと死んじゃうんだってば!!・・・・・・性的な意味でも」
「「銀さん(ちゃん)!!」」
浴衣美人に膨らむ妄想が止まらない!
(だって、全部おめえが悪いんだよ。あと、暑いのも悪い)