ドSのメンタルなんて、強いと思われちゃ大間違いだ。

特に好きなことや、好きな奴の事になると
立ち直るのだけでも時間がかかる。


そんな傷心の心を慰めるように街をふらつく。

しかし、やはり俺はバカだと思う。



昨日の今日、というか・・・この前の今日というか。



俺はまた、見てしまった。


の隣に立つ男はドSのガキかと思いきや――――――。










『土方さんって、どういうのが好きですか?』


『はぁあ?愚問だぞお前。マヨネーズに決まってんだろ』


『いや、マヨ以外でお願いします』










何でよりによってあの男なわけぇぇぇぇぇえええぇええ!!!!!








この前の沖田クンはどうした?と思うくらいの勢いだ。



思わず電柱の陰に隠れて二人を見る。









「(待て!待つんだ!!この前、沖田クンだっただろ?何で今日はアイツなの?!
え?やっぱり同世代よりも年上が好きってことなの?それだったら俺のほうが若い・・・って
考えたら完全にあの男に気があるようなもんじゃねぇか。え?何?俺ってアイツと付き合うまでの伏線!?)」







数日前は、確かに同世代同士で仲睦まじい光景だった。
それはそれで傍から見れば「似合いの男女」とも思えたさね。


でも、今現在の横にいるのは同世代のクソガキではなく
歳の離れた男、しかも(多分)俺と近い年齢の・・・俺が一番嫌う男!!


年がら年中瞳孔開きっぱなしでマヨラー。


キャバクラに行くと大体の女はアイツがイイという。
正直俺からしたら良くはない、むしろ嫌いだ!


は俺がアイツを嫌いだというのは知っていたし
もちろん、あの男も俺との付き合いに別れろ!と水を差していた。



それくらい、俺とアイツの仲は悪い。
周囲も、お互いも、完全に自他ともに認められる犬猿の仲だ。





はそんな状態で板挟みだった。









「(もしかして、・・・それに耐え切れなくなったんじゃ・・・っ)」







考えてもみた。


俺とアイツは仲が悪い。
そんな状態の間に、はいつも居た。

だが、俺は気付いてやれただろうか?そんな状態のに。


苦しかったに違ぇねぇ。

辛かったに違ぇねぇ。



一番側に居た俺が、どうしてもっと早く
の気持ちに気付いてやれなかったんだろうか。


気付いてやれなかったから・・・俺じゃない、男の隣にいる。








「俺・・・何やってんだろ」







んちのババァによく言われる言葉を思い出した。




『坂田様ではお嬢様は幸せには出来ませぬ』って。



いつもは、俺はを幸せにしてるし大事にしてますーなんて
口ばっかり叩いてたけれど、実際はどうだったんだろうか?


実際、は俺の側にいて幸せだったんだろうか?


が俺が嫌う男の隣に居る時点で
幸せになんか出来きてねぇって気付かされた。




コレが、現実だ。




ガキに心の拠り所を求めたけど、今まで年上の俺と付き合っていたからすれば
同世代なんて只の遊び相手にしか過ぎねぇだろう。

多分恋愛対象にすらなってねぇんだ。


だから、は・・・アイツを選んだ。









『何でもかんでもマヨネーズかけりゃいいってもんじゃないですよ?』



『いや、マヨネーズは何にでも合うんだよ』



『だからって、自分の体のこと考えて下さい。体壊されたら、私が困ります』



『お前』







どっかで聞いたようなやりとりだな、なんて思うと
そういえばも俺にそう言ってた気がした。


甘いもんばっかり食う俺の体を心配する


なんだろうか、そういう日々が懐かしく感じ始めてきた。








「俺、もう彼氏失格だよ。・・・ダメな銀さんでごめんなァ」








皆からダメ人間、マダオ、と言われても
唯一だけが笑顔で「そういう銀さんも私は好きです」と笑顔で返してくれていた。

だけど、それってさぁ・・・結局上辺だけだったってわけじゃん。

とアイツが並ぶ風景見てたら、そう思うしかないわけじゃん。



も最後には俺をダメ人間って言って、捨てていくんだろうな。



そうしてくれた方がいい、そうしてくれよ。

いっその事切り捨ててやってくれ。




今までずっと好きだった女の辛い気持ちやら何やらに気付いてやれなかった
哀れすぎるマダオの俺を盛大に笑いながら、捨ててくれ。





でも、でもさぁ―――――――。








〜・・・でも、やっぱり好きなんだよおらぁよぉ〜」











を好きだった日々も、を愛し続けた日々も、俺には捨てきれねぇ。



が俺を捨てたところで
多分俺の中では女々しくも未練がましい気持ちが溢れかえるだろう。

そして、何が何でもアイツに縋るだろう。




俺と別れるの考え直してくれ、ってさ。



まだ、ホント・・・俺は好きで居たいんだよの事。



肩をがっくりと落としながら、俺は自分ちへと戻っていった。













「あーあ・・・こいつァ、相当だな。この調子で次もありゃいいんだけど」






捨てられても、気持ちまでは捨てきれない
(この気持ち−愛−だけは、捨てられても捨てれない) inserted by FC2 system

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