最近の俺のメンタルは弱りに弱り切っていた。


何が原因かって、そらぁもちろん
可愛い俺の彼女のが、クソガキやらマヨラーやらと
内緒で付き合っていたという事実に直面したことだった。


おかげで、俺の精神は弱っているどころか
ヘコみ街道まっしぐら。

色々考えたらが俺以外の他の男を選んで
当然すぎる要素があることに気づいたのだ。


唯でさえ、コテンパンにメンタルをやられているのに―――――――。












『男はやっぱりこう堂々とだ』


『近藤さん。とりあえず分かりやすく日本語喋ってくれませんか?』


『日本語喋ってるのに何その扱い!?』









マヨラーの次はゴリラって何事ォォオオオォオオオオ!?!?







見てしまった。


ボロボロになったメンタルのまま、俺は見てしまった。



クソガキでもなく、マヨラーでもない。

可憐で可愛い美少女の横に立つ・・・ゴリラの姿を!!!!







「(おかしい!!明らかにおかしすぎるだろコレ!!
何で?何で同い年行ったかと思ったら、俺と近い男に走って・・・ゴールがゴリラなワケ!?
明らかにおかしすぎるだろ!!)」






目の血管が切れるくらい、俺は二人の姿を電柱の陰から見つめていた。



光景としては明らかにおかしい。


だってゴリラにはお妙っていう死んでも振り向かない女がいる。
いるっていうか、ストーカーしている。


それだというのに、何でなの?何でチャンなわけなの?



お妙を諦めた・・・というわけではないのだろうけれども
考えたら近藤さんもいい歳ぶっこいて、ストーカーしてるわけだから
そろそろ諦めてもイイ頃なのだろう。


しかし、納得が行かないのは「何故なのか?」というところだ。








「(ゴリラなんだし、同族種と組みゃ済む話じゃねぇか。何でなワケ?)」






お妙がダメだから、に・・・という、移り変わりの激しい人じゃねぇ。

むしろあれだけお妙にお熱だった近藤さんが今更ながら
に鞍替え?するような真似はしないはず。というか考えられない話だ。



じゃあ何故2人が此処に居る?


俺の目の前で、肩を並べて歩いている?









「ま、まさか・・・マヨラーと付き合ってる事がバレて、それで脅されてるんじゃ・・・っ」









この前のマヨラーの奴と一緒に居たところを
俺だけじゃなく近藤さんにまで見られていたとしたら?

考えられない話じゃねぇ。



マヨラーと付き合っていることを、俺にバラされたくなければ
自分とも付き合え・・・とか、神楽がよく見てる昼ドラの内容のまんまじゃねぇか!!









『トシと付き合ってるの万事屋にバラされたくねぇだろ?』


『お、お願いです近藤さん!!銀さんにだけは、銀さんにだけは言わないで・・・っ!!』


『だったら俺とも付き合ってもらおうじゃねぇか・・・なァ?拒めば、分かってるだろうな?』


『・・・・・・は、はぃ』







マジでそういう展開なわけだよなぁぁぁああ!!


ドラマの見過ぎ?とか思うかもしれねぇが
いやいや、俺が今目にしているのは現実世界の現実問題であって
妄想とかじゃなくて、正真正銘の本物の展開だと思う。



ふと、肩を並べて歩く2人に目を移す。









『日本語喋ってるって!!何なのその扱い!?』


『いや、日本語に聞こえなくて・・・すいませんバカゴリラ』


『バカゴリラって平然と言うぅ!?平然と言うトコなの其処ォオ!?』


『はい』


『即答しちゃったよこの子!?』








きっと、彼処にいるゴリラは誰もが知ってるバカゴリラだ。
だけど多分人の見てないところじゃ俺達の知らんオスゴリラなのかもしれん。




だったら助けに行きゃいいだろって話だよな。

こんな所で見てないで、カッコよく登場して
ゴリラからを守って、マヨラーからを奪い返しゃいいだろって。

自分でもやりゃいいだろ・・・って思ってる。





思っているのに・・・足が、動かねぇ。


分かっているのに・・・声が、出ねぇ。






取り返せばいい、奪い返せばいい・・・それだというのに
体が・・・動いちゃくれねぇんだ。








の幸せは結局、俺が全部ダメにしてるようなもんだから」








ボソリと呟いた。






アイツを幸せにしていたつもりだった。
けど現実を見てみろ。



は「俺が原因」で幸せになんかなれやしない。



マヨラーと仲睦まじく付き合っていたに違ぇねぇ。
それだというのに、ゴリラに「俺にバラす」なんて脅されてるばっかりに
アイツはイヤイヤながら肩を並べて歩いてんだ。



俺が出て行って止めたとろこで何になるって言うんだ?
が気まずくなるだけじゃねぇか。


マヨラーと付き合ってる事を、公衆の面前でバラされて
がただ壊れていくだけじゃねぇか。





そう考えたら・・・体も動く気はしねぇんだよ。




何よりも俺はに幸せで居て欲しい、とそう望んで
俺のちっぽけな愛を大事に大事に注ぎ込んでやっていたのだから。



アイツの幸せを守るのだって、俺の役目だ。



だったら、その幸せを見えない場所で守ってやりゃ・・・済む話だ。



一歩後退して、それで・・・それで―――――。









が幸せになりゃ・・・いいんだよ。それで、いいんだ」






何も言わず俺は踵を返し、フラフラと歩き始める。


本当に此処最近の俺はメンタルをやられまくりだ。
でも、何したってもう立ち直れやしねぇ。




だって、はもう・・・・・・。







「俺の隣に、居ちゃくれねぇんだよな」







あの笑顔も。


あの声も。


あの仕草も。






唯一、こんなダメ人間を許してくれた奴が本気で居なくなるのを考えたら
俺も立ち直れねぇし、股間にぶら下がった息子も立ち直れないくらいにしおらしくなっちまった。



これで・・・これでいいんだよな。









「・・・・・・はぁ〜・・・この先おらぁ、何を生きがいにして生きてきゃいいんだよぉ〜」









突然自分から手放す事を選んだけれども
この先、無しの生活を思うと・・・今まで会わなかった期間よりも
更に地獄を強いられているように思えてならないのは多分・・・気のせいではないはずだ。









「あらら〜完全に落ち込んでらァ」

「ありゃもう立ち直れねぇな」




幸せのため、とは言えど。
(おめぇの居ない生活を考えたらため息が零れまくる) inserted by FC2 system

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