「はぁ〜・・・何か遂に此処まで落ちると、何選んでいいのか聞く気も失せます」



「おいおい、初っ端から言うことじゃねぇぞ」







トシや総悟に頼まれて、何かと思えば
どうやら俺は万事屋のヤローの誕生日プレゼント選びに駆り出されたらしい。


隣を私服で歩くは俺を見てため息ばかりを零す。








「実際、ウチの中で恋愛経験豊富なのは近藤さんしか居ないのは事実でしたけど。
正直、こんなストーカーゴリラに聞いても参考にもならないことが、後々になって気付きました」



「ねぇ、真顔で言わないで・・・俺、本気でへこむから」







常日頃の、お妙さんに対する愛のアタックが原因で
がこんな事を言うのが分かっていたけれど、正直此処まで言われると・・・へこむ。









「男はやっぱりこう堂々とだ」


「近藤さん。とりあえず分かりやすく日本語喋ってくれませんか?」


「日本語喋ってるのに何その扱い!?」








目線を俺に合わせることなく、アイツは毒針の付いた言葉を俺にぶっ刺してきた。









「日本語喋ってるって!!何なのその扱い!?」


「いや、日本語に聞こえなくて・・・すいませんバカゴリラ」


「バカゴリラって平然と言うぅ!?平然と言うトコなの其処ォオ!?」


「はい」


「即答しちゃったよこの子!?」










明らかにバカにされている事は明白。


トシからは「まぁ、アンタが頼みの綱だよ近藤さん」と責任を任され。

総悟からは「良い結果期待してやすぜ」なんて笑いながら言われた。



ヤローの誕生日プレゼント選びのためとはいえ、俺なんかが
ましてやこんな扱いをされている俺がそんな重大な責任を任されていいのかどうか分からない。







「なぁ・・・ヤローは、おめぇからのプレゼントなら何だって喜んでくれるに違いねぇのに
何でわざわざ俺たち駆り出してまで悩んでんだ?」








肩を並べて歩くアイツを見ると、アイツは一瞬驚いたような顔をして
すぐさま目線は前を向いた。


俺だったらお妙さんから貰ったもんなら泣いて喜ぶところだがな。
(まぁそんなのは、夢のまた夢の話だ)







「確かに銀さんなら何でも喜んでくれると思います。でも」



「でも?」



「あの人が産まれてくれたおかげで私は今、こうやって生きている。
あの人が居てくれたから・・・私は今も歩き続けれる。感謝したいんです、どんな形でも。
銀さんが産まれた日を、産まれてきてくれた日を・・・私もお祝いしてあげたいんです」








恋する女は綺麗と聞くが・・・を見てたらまさにそんな言葉も
嘘じゃねぇような気がする。


局内の中で、コイツを好くヤローは8割は居る。
もちろん憧れている奴だってその中には居る。



だが、コイツは誰ひとりとして靡こうとしない。



たった一度だが幼いころに生命を救ってもらった相手となっちゃ誰も歯が立たねぇ。








「おめぇも、女だな










笑いながら、頭を軽く叩くと
ちょっと頬を染めてアイツは俺を睨みつける。







「バカにしてます近藤さん?」



「褒めてんだよ。おめぇも、隊服脱いで私服に着替えて、刀置いたら
一人の男に惚れ込んでる女なんだよ。そういう気持ち・・・・大事にするんだぞ」



「ゴリラに言われると何か腹が立ちます」



「良い事言ったんだから褒めてくれたっていいだろぉお!?なーんで上げて落とすかなおめぇは!?」






鋭くツッコミを入れると、は笑ってみせた。

あーあ・・・ホント、万事屋のヤロー・・・コイツ泣かせた日にゃ
ウチの奴ら全員敵に回すことになることを、今度忠告してやったほうがいいな。






「近藤さんはお妙さんにお熱、というかストーカーしすぎてるからやっぱりダメだな。
変態傾向的なのは似てるだろうけど、アンタの場合過激に走りすぎてるからなぁ」



「10割貶してるだろおめぇ。俺に頼むくらいなら、新八くんなんかどうだ?
新八くんは万事屋と四六時中居るようなもんだから、プレゼント選びの一番の適任者だろうて」



「え?あー・・・成る程」







完全に俺で躓いた。

だったら次にこのままバトンを渡すしかあるめぇ。






「新八かぁ・・・今度電話で聞いてみようかな」



「そうした方がいいだろ」



「ゴリラも良い知恵授けてくれるんですね、其処は感心しました」



「ねぇ、もう頼むから貶すのやめて」






俺からいいアドバイスを貰ったのか、アイツは俺の前を歩き始める。






「新八なら何かいいアドバイスくれるかも。よし、それまで考えよう。
あ、近藤さん・・・もう、いいですよ。後は1人で探し回りますんで」



「早くない!?俺、もう用済み!?」



「はい」



「即答!?」


「じゃあ、私先に屯所に戻ってますから。ストーカーするなり何なりしてください」







サラッと酷い言葉を言い去った

イイ部下なのか、それとも総悟と変わらず悪ガキなのか・・・どっちにしろ――――――。








「ああいうのを、イイ女って言うんだよ・・・トシ、総悟」





「知ってるよ、んな事」


「だーから旦那が憎たらしいんですって」






物陰に隠れていたトシと総悟に向けて声を放つと、2人はゆっくりと出てきた。







「ったく。悪ガキ共がこぞって何してんだ」




「旦那イジメですって」


「たまにはアイツにもキツイ灸を据えてやらねぇとな」


「ウチの紅一点に手ぇ出してんだ。俺達が反乱起こしたって文句ねぇでしょ」


「言っとくが俺はオメェのお遊びに付き合わされただけだからな」


「分かってまさァ。さて、次はあの眼鏡ってワケか」






すると、総悟は悪ガキクソガキの笑みを浮かべ考え始める。






「反乱も大詰めでさァ・・・ククク・・・旦那の落ち込む様が目に浮かぶぜ」



「ケッ・・・悪ガキに育ちやがって」

「オメェも大概悪ガキだよトシ。総悟の悪ノリに付き合ってやったんだからよぉ」





そうトシに言うと、アイツは黙りこんで煙草を吸い始める。


だが、俺もおんなじ悪ガキさね。


こんな悪ノリに付き合っちまったんだからよぉ。





大人だって悪ノリする時があるんです。
(たまには、こういう悪ノリもわるかねぇな) inserted by FC2 system

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル