「」
「ん?どうしたのバニー?」
施設での慈善活動を終えた僕とは
マンションへと戻ってきた。
夕飯も其処で済ませてきたので
後はお風呂に入り寝るだけとなった。
そんな中僕はお風呂にと向かう彼女を呼び止める。
「虎徹さんから聞きました。その、僕の心配をしてくれているみたいで」
「え?・・・あ、ぅ、ぅん」
僕がため息や物思いに耽っているせいで彼女を少し困らせていた。
買い物からと戻ってきた虎徹さんに
一目散に指摘を受けた。
『・・・・お前がなんか考えこんでるんじゃないかって心配してたぞ』
『え?』
『指輪の事は言わないでおいたけど、あんまり心配させんな』
『すいません虎徹さん』
『謝るならに謝るんだな』
虎徹さんにそれを言われ
本当に自分の事になると周りが見えなくなる事を
情けなく感じてしまった。
「仕事で色々と大変なところがあって。一部に居ると色々ありますから」
「そうだよね。仕事で何かあったんじゃないかって、心配してたの」
「すいません。心配をかけてましたね」
そう言って僕は彼女の体を優しく包み込んだ。
本当は君に渡す婚約指輪の事で
タイミングを掴めず悶々と悩んでいる、なんて口が裂けても
言えないことだけれど、やっと渡す日取りも決まったし後は
穏便にその日を迎えればいいと心の中で自分に言い聞かせた。
「君の優しさはいつも嬉しい。ありがとうございます」
「うぅん。バニーが無理してないか心配なだけだよ」
「そういう心遣いが僕には嬉しいんです。君だから尚の事」
「ウフフ。煽て上手なウサギさんですこと」
「煽てていません。僕は本心を言ったまでです」
クスクスと笑うに僕は安堵の溜息を零し彼女を見つめた。
頬を優しく撫で視線を合わせる。
「本当に嬉しいんです。君に心配してもらえる事が」
「バニー」
「仕事の事でちょっと躓いてるだけですから、安心してください」
「何かあるならいつでも言ってね。私じゃ力不足かもしれないけど」
「そんな事は。君が居てくれるだけで僕の原動力になるんです。その心遣いだけで十分です」
そう言って口唇を重ね、肌を何度も重ね合わせた。
寝室で情事を終えた僕は
眠るの隣で片膝を曲げ
其処に腕を置き彼女を見つめゆっくりと頭を、髪を撫でた。
自分では上手く振舞っていたはずなのだが
に心配をかけていたとは思いもよらなかった。
人に言われて気づくなんて僕もまだまだ、と言ったところだろう。
「」
手をゆっくりと握り、指に口付ける。
この指に31日・・・あの指輪を嵌めることが最終目標。
「もう少しだけ、待っててくださいね」
その日が来たら必ず僕は君に伝えるべき言葉を伝える。
驚く顔と喜ぶ顔、君のその2つの顔が僕は見たい。
その為にもう少しだけ待っていてほしい。
必ず、必ず君に伝える日がやってくるから。
Everything comes to him who waits.
(”待てば海路の日和あり“待っていてくれれば必ず分かる日がやって来る)