「んっ・・・ぉにいちゃ・・・んんっ」
夕食の少し前。
僕は義理の妹であるを自分の部屋に呼び出した。
部屋に招き入れた途端、壁に押さえつけ
愛らしい唇に自分のを重ね、貪るように求めた。
「お兄ちゃ・・・んぅ・・・はぁ・・・だめぇ・・・」
可愛らしい拒否の声に僕は唇を離した。
潤んだ目で此方を見ている彼女の姿に疼きが止まらない。
「何が、ダメなんです?」
「だって・・・気付かれちゃうよ」
「最近仕事が忙しくて、不足しているんですから、いいじゃないですか」
「よくな・・・んっ?!」
口から出て来そうだった言葉を塞ぐように
また僕は唇を重ね、何度も交えた。
腕に添えられた手は僕の体を引き離すように力を込めるも
その差は歴然。
むしろ離すどころか、快楽に溺れさせ力を奪っていく。
その抵抗すら可愛く、離し難い。
キスを何度と繰り返していると、部屋をノックする音が聞こえてきた。
「はい」
『バーナビー、ご飯よ』
どうやらママが夕食が出来たことを伝えに来た。
『が見当たらないけど、一緒なの?』
「えぇ。ちょっと勉強を教えていたところです」
本当は、内緒の戯れをしていた・・・なんて口が裂けても言えない。
『そう。ご飯冷めちゃうから早く降りてらっしゃい』
「分かりました、すぐ向かいます」
そう言ってママは部屋の前を離れ、リビングへと降りていった。
話を終えると僕は目の前のを再び見る。
頬を赤らめ、更に目を潤ませていた。
その姿に愛おしさを感じ瞼にキスを落とす。
「は先に降りててください」
「バーナビーお兄ちゃんは?」
「僕は後から行きます。ホラ行って」
先に行くよう促すと彼女は頷いて、僕の側を離れ部屋を後にする。
そして僕は1人部屋に残り椅子に腰掛けた。
余韻に浸りたいだけで、僕は部屋に残った。
唇に触れれば交わった熱が残っているのか、まだ熱い。
少しの間だけが此処に居た、という香りがあるのか
それが消えてなくなるまで此処に居たい。
ほんの少し、短い戯れでも・・・触れ合った、という形跡が残れば
それだけで僕は満たされる。
『んっ・・・ぉにいちゃ・・・んんっ』
「愛しい・・・僕の、妹−−」
潤んだ目。
紅潮した頬。
艶を帯びた唇。
危険と分かっていながらも、やめられない愛情。
禁忌と知っていながらも、止められない熱情。
君と触れ合ったほんの数分。
君が此処に居た香りが、残り・・・僕を満たしていく。
「・・・・・愛してますよ」
彼女の残り香 それだけが僕を満たす
(君に触れて満たされ、君の残り香でまた僕は満たされる)