「え?!誕生日ケーキを作って渡した!?」


「そうよん。だってお嬢はアタシ達乙女クラブのメンバーだもの。
ケーキでお祝いしてあげるのは当然でしょ?」






ファイアーエンブレムさんの言葉に僕の頭の中は真っ白になっていく。


ケーキだけは今のいままでノータッチだったのに
思わぬトコに穴が開いていた。



乙女クラブ、という女子の集まりに。






「うん。僕達3人が手作りしたんだよ!大きなケーキ!」

「その後皆全員で食べちゃったけどねん」

も喜んでたし。写真も撮ったの・・・ホラ」






ブルーローズさんが自分の携帯を僕らの前に見せた。



僕の目に飛び込んできた光景。



を囲むようにブルーローズさん、ファイアーエンブレムさん、ドラゴンキッドが居て
そのセンターに居るの目の前に【HAPPYBIRTHDAY】とチョコで書かれた
大きなデコレーションケーキ。



駄目だ。ショックのあまり硬直してしまった。
もう僕自身、立ち直れないところまで追い詰められた。






「あー!ブルーローズその写真僕にもちょうだーい!」


「あれ?ドラゴンキッドに送ってなかったけ?なら後で送ってあげるわ」


「やっぱり女子はこうでなきゃね。だからハンサム、ケーキは・・・・・・・ハンサム?」


「お、おおい、バニー!しっかり、しっかりしろって!!」







しっかりしろ、と虎徹さんが大声で僕に声をかけるも
一方の僕はというと、もう放心状態。

自分の失態が此処まで精神的ショックを与えるとは思いもよらなかった。



食事に。


花束に。


ケーキに。


ブレスレット。





本来なら、コレを全部僕1人でこなして
の口から皆に「それはバニーにしてもらったから」と言うところだ。

普段ならそういうパターンになる。

しかし・・・・今回だけは違っていた。




食事は虎徹さんとアニエスさんに先を越され。



花束はロックバイソンさん、スカイハイさん、折紙先輩に先を越され。



ケーキはファイアーエンブレムさん、ブルーローズさん、ドラゴンキッドに先を越され。



挙句の果て、ライアンにまで先を越される始末。


しかもライアンのモノに至ってはは至極気に入っている様子だった。
今も肌身離さず彼から貰ったブレスレットを手首に嵌めている。



何だんだろうかこの仕打ちは?

天罰か?を独り占めし続けている僕への天罰なのか?



そうだとしたら神様はなんて――――――。









「絶望的な事をしてくれたんだ」



「バ、バニー・・・元気出せって。ら、来年があるだろ?来年ちゃんと祝ってやりゃ」



「来年じゃ遅すぎます!!!今じゃないとダメなんです!!・・・あ、す、すいません虎徹さん。言い過ぎました」


「い、いや、俺も悪かった。すまん」






取り乱して反論した僕に虎徹さんはおろか周囲に居た誰もが驚いていた。

謝罪の言葉を言い、僕はため息を零した。






「大体アンタがちゃんとの誕生日把握してなかったのがいけないんでしょ?
こういう事になって自業自得よ」



「お、おいブルーローズ。追い打ちかけんなって」






ブルーローズさんからの追い打ちに更に落ち込む。


確かに何処が悪い、と問い正せば
僕がの誕生日を把握していなかった、という所になる。


はちゃんと僕の誕生日を毎年笑顔で祝ってくれているのに。
肝心の僕は、彼女の生まれた日すら祝ってやれず、ましてやその日すら把握していなかった。


言われて当然。

最低と罵られても、言い返せない。








「毎年毎年アンタの誕生日。何やかんやでを困らせてる罰よ!あー、いい気味!」




「ブ、ブルーローズ・・・何か怖いよ」


「日頃のハンサムへの鬱憤ねコレは」


「まぁブルーローズもの事大好きだからな」


「2人は幼なじみだからね。ブルーローズ君が君を養護するのも頷ける」


「ていうか、バーナビーさん凄い落ち込んでますけど?!」


「お、おい誰かバーナビーにも加勢してやれって。可哀想だろ一応」





ロックバイソンさんの「可哀想」という言葉に耳が動く。


僕なんかより可哀想なのはだ。

きっと僕が祝ってくれるだろうと思っていたのに
肝心の僕といえば、祝いの言葉をかけるどころか、その日が誕生日ということすら知らなかったのだ。



のことなら何でも知っている。

でもそれは「つもり」だったのかもしれない。




の生まれた日が分からなかったなんて「何でも知ってる」とは言えない。




また先を越されたというショックからか、本当に僕は立ち直れないところまで落ち込んでいた。








「おー・・・・なーんか皆揃ってる感じじゃね?」



『ライアン!』


「!!・・・ライアン」






其処にやって来た聞き慣れた声。


ライアンがニコニコと現れた。

全員の声で僕はすぐさま彼を睨みつける。





「お、おい・・・何だよジュニア君。お、俺何かした?」



「自分で何をしたのかも分からないなんて。それって僕に対するあてつけですか?」



「はぁあ?話噛み合わせろよ。来て早々アンタの機嫌を損ねる事してねぇだろ?
睨みつけられる意味分からないんですけどぉー?」







僕が機嫌を損ねる理由なんて決まってる。


僕が睨みつける理由なんて決まってる。











「僕のを返してください」



「ジュニア君、あのさ・・・マジで人の話聞け」








の心に誰かが入り込むなんて許さない。


彼女の心に居ていいのは僕だけだ。
他の誰を居座らせるなんて・・・そんなの、許さない。






迷った挙句遂に始まった暴走
(重力王子の登場で、ついにキレた?) inserted by FC2 system

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