『いいわね!1週間以内よ!できなければ、無理やりにでも連れ出していくからね!!』
「まったく、どうしろっていうんだ・・・・・・はぁ〜」
「・・・・んっ、バニー?」
「お目覚めですか?」
ふと、目が覚めた。
目は覚めたけど、まだ眠い。
部屋が暗いということは、まだ朝ではないという意味。
私は目を擦りながら、バニーを見上げる。
「バニー・・・起きてたの?」
「2時間は寝ましたよ。後は君の寝顔を見てました」
「もう、やだぁ・・・なんでそんなの見るのぉ」
恥ずかしくなり私は毛布で顔全部を覆い隠した。
しかし顔が熱いせいで、毛布を被ったら更に熱い。
私は毛布を少しずらしバニーの顔を見ると、相変わらず爽やかな顔で私を見ていた。
口元だけを毛布で隠し、鼻から上は外へとさらしていた。
「み、見ないでってば」
「いいじゃないですか。腕枕してあげている代償としては安いものですよ」
「うぅ」
気づいたら相変わらず私の頭はバニーの腕の上にあった。
いつも、こういうことをベッドでした後・・・バニーは私の頭を自分の腕の上に置いてくれる。
もちろん私が目を覚ますといつもだ。
知らない間に腕枕をされていて・・・朝目覚めたときに、それに気づく。
がっちりとした、筋肉質な腕。
いつもその腕で抱きしめられて、啼かされて、眠っている。
嫌いじゃないバニーの腕・・・むしろ、この腕に抱きしめられるだけで安心する部分ですらある。
だから、目覚めたとき恥ずかしいのだ。
またこの腕に抱かれて、その腕の上で眠ってしまったことに。
「腕枕はベッドの中の恋人の特権です。誰にでも出来るわけじゃないですから」
「そ、そりゃあそうだけど」
「それに腕枕は、肘を曲げると君をすぐに僕の元へ引き寄せることだって出来る。
もちろん、包み込むこともだって可能ですね」
嬉しそうな声でバニーは、自分の言ったとおり肘を曲げ
私を自分の元へ引き寄せて、仰向けにしていた体を横向きにして私を抱きしめた。
バニーの、鍛えられた体が・・・目の前にある。
ドキドキして・・・その鼓動が優しく耳に響いてくる。
でも、安心して・・・眠くなりそう。
「に・・・大事な話があります」
「え?」
抱きしめられていると、バニーが何か言葉を放ってきた。
顔を上げると、彼も私のほうを見てきた。
エメラルドグリーンの瞳が、寂しそうに私を見ている。
「バニー?」
「しばらく、離れませんか・・・僕ら」
「え?」
離れる・・・離れるって。
優しく響いていた心臓の音が、今は突き刺さるくらいに痛くて
耳に響いてくる音も耳鳴りのようだった。
「離れるって・・・・ねぇ、バニーどういうことなの?」
「少し離れて生活をしようと、いう意味です」
「そんなの分かってるよ!やだっ・・・やだバニーッ・・・そんなの、そんなの酷すぎるよッ」
「」
バニーの口から出てきた言葉に、私は悲しかった。
悲しくなって涙が出てきた・・・・見上げていた顔を下げて、手で覆い隠し溢れる涙を
手の器に零した。
じゃあ、今日のコレは何だったの?
離れて生活するから、最後だからって言う意味で?
しばらくっていつ?いつ戻るの?
もう、私・・・バニーの側で、一緒に過ごす事も許されないの?
「やだっ・・・やだよ、バニー・・・離れたくない、離れたくないよぉ」
「でも、離れなきゃいけないんです」
「やだぁ!バニーの側に居る・・・迷惑にならないから側に居る!離れて暮らすなんて私は」
「アニエスさんに無理やり連れ出される前に僕は君から離れなきゃいけないんです!!」
「へ?」
アニエスさん?
な、なんで?
バニーの口から零れてきた言葉に、流れ落ちていた涙が止まった。
「バニー・・・・どうして、アニエスさんが私を連れ出すの?」
「・・・・・・バレたんです、君と体を重ねたこと」
「えっ・・・えぇぇええ!?!」
あまりのことで驚き
私は寝転ばせていた体を起こして彼を見た。
もちろん、バニーも私が起きるとゆっくりと自分の体も起こした。
私は毛布で胸を隠しながら口元を押さえる。
そ、そういえば・・・確かにアニエスさんにこの事話してなかった。
「やっぱり、私の首のが・・・バレたの?」
「いえ、僕が物思いに耽ってて口を滑らせてしまったのが原因です。すいません」
「それでアニエスさんが・・・怒って」
「1週間以内に、の荷物をまとめろと言われて。僕も必死で説得したんです・・・ですが」
『黙っていたことは謝ります、でも別に悪気があって言わなかったわけじゃないんです!』
『悪気はなかったと言いたいの?それでも話してないことには代わりはないわ!!
父親代わりをしてるミスター鏑木は知ってて、母親代わりをしてる私には何も教えないというのはおかしいじゃない!!』
『ですから、いずれお話しする予定でした!』
『でしたぁ?・・・ふざけないで、いくら頼んでも無駄よ・・・の荷物を1週間以内にまとめなさい。
業者には連絡を入れておくから』
『アニエスさん!!今を引き離したら、誰が一番辛いかわかるはずです!!がただ辛いだけなんですよ!!』
『じゃあその言葉そっくりそのまま返してあげるわ。あんただって同じよバーナビー。むしろ、が居ないだけで
仕事が出来ないじゃヒーロー失格よ!あの子が居ただけで惚気だすなんて、自分の役目を疎かにしてる事と一緒!』
『・・・うっ』
『いいわね!1週間以内よ!できなければ、無理やりにでも連れ出していくからね!!』
「バ、バニー」
「すいません・・・僕が力不足なばかりに」
バニーが顔を伏せ、肩を落とし落ち込んでいる。
私がタイガーさんとクレープを食べたりしているときに
まさかバニーがそんなことになっていようと思ってもみなかった。
確かにタイガーさんには早々にこういう事になってるとバレてしまったのは
仕方の無いことだし、私にはカリーナが居るからそこでバレてしまってもおかしくはない。
他のヒーローだって・・・私とバニーの関係を知ってて
より一層密接になりだしたと・・・気づかれてしまうのも、分かる。
「私がアニエスさんにちゃんと話さなかったのが悪い、よね」
「違います!先に君に触れたのは僕です!!・・・・元は、僕が言わなきゃいけない事で
が話さなくても、僕のした行いですから・・・僕からアニエスさんに話すべきだったんです」
「う・・・で、でも・・・バニーが一方的に責められるだけだよ。だって、その・・・こういう事の発展は
お、お互いの同意の上で・・・その・・・始めたから・・・私にも、責任がある。バニーのせいだけじゃない」
「」
もしかしたらアニエスさんは、バニーが一方的にやったものだと勘違いしているのかもしれない。
で、でも・・・どうしよう・・・このままじゃバニーと離れちゃう。
「わ、私・・・明日、アニエスさんのところに説得に行こうか?」
「多分君が行ったらより怒られるだけですからやめたほうがいいでしょう。此処は
少し、アニエスさんの指示通りにしませんか?」
「バニーと、離れちゃうの?」
これ以上アニエスさんへの説得は不可能。
やっぱり、バニーと離れて暮らさなきゃいけない事になってしまう。
私は寂しくて・・・思わず目を下へと向けた。
するとバニーが私の手を握り、私は顔を上げた。
「確かに、離れるかもしれませんけど・・・僕が少しでも誠意を見せれば、アニエスさんもきっと許してくれます」
「バニー」
「たまに会うことくらいなら許してくれるでしょう。・・・・だから、どうか・・・」
バニーが私の手を握ったまま、私の肩に自分の頭を置いた。
柔らかい、ふわふわした毛先が私の頬にあたりくすぐったい。
「悲しい顔はしないでください、寂しい顔はしないでください。がそんな顔をしていると僕は辛いです」
「バニー・・・私がそんな顔をするのは、貴方がそうさせてるんだよ」
私は肩に乗ったバニーの頭を撫でながら、ゆっくりと言葉を放つ。
「バニーがそうやって、悲しい顔とか寂しい顔とかするから・・・私がそう感じて、貴方と同じような表情をしてしまうの。
だからお願い・・・そんな顔しないで。いつも笑ってて、凛々しくしていて、そうすれば私も笑顔でいれるから」
「そう、ですね」
バニーはそう言いながら、肩から頭を起こし私を見て頬に触れる。
「少しの間・・・君を感じれなくなるのは、残念です」
「っ・・・ムード台無しよ、バカ兎」
「事実、君を感じれなくなるんですから。・・・でもせめて、今くらいは」
体をゆっくりとベッドに倒されて、バニーが私の体に覆いかぶさる。
エメラルドグリーンの瞳が、キラキラと宝石のように光って・・・綺麗。目が離せない。
「君を感じることは、罪にならないはずだ」
「バニー・・・ッ」
目が離せないまま、体が落ちてきて・・・唇が重なった。
----------------ギシッ、ギシ・・・ッ、ギシ。
「やっ・・・あ、バニィ・・・あ、ぁ・・・ヘンに、なっちゃうっ・・・んんっ!」
「どう、ヘンになるんですか?」
ベッドのスプリングの音がイヤラしく聞こえて耳を犯してくる。
もちろん、彼と繋がっている部分ですら
卑猥な音で軋み続ける音を盛り上げていく。
向かい合って座ったままの体勢で、バニーの熱が私のナカを暴れまわる。
しかも・・・熱は、完全の塊。
おかしな話・・・ベッドの外には、箱が転がってて・・・破られた袋の残骸が散らばっていた。
ようするに使い切って既に箱は空っぽ。
使い終わったものは・・・ベッドの下の方に置かれてたり、床に落ちてたり。
バニーの余裕のない証拠が丸分かりな状態だった。
「・・・どう、ヘンになっちゃうんですか?僕に教えてください」
「あっ・・・ぁあん・・・バ、バニーッ・・・そんな、腰・・・動かさな・・・ああっ、あ、ああ・・・ぅ」
「動かしてあげなきゃ、体は感じてくれませんよ。ねぇ」
腰を掴まれて、上下に揺さぶられる。
バニーの肩に手を置いて・・・・もう、力が入らなくなる。
「ひゃっ、あっ・・・・ぁん・・・バ、バーナビー・・・頭の中、真っ白に・・・なっちゃうっ!フワフワしちゃうよぉ!!」
「へぇ、頭の中がが真っ白になってフワフワしちゃうんですか?は、本当に可愛いですね」
「ふっ、はぁ・・・あぁ・・・バーナビー・・・そんなに、激しッ・・・んんっ、激しくしないでぇえ!!」
頭が真っ白になって、気持ちがフワフワしそうになると告げると
バニーは嬉しそうに顔を綻ばせ、私の腰を掴んで激しく自分のをナカに打ち付けてきた。
擦れ合うたびに生まれてくる快楽に
飲み込まれてしまうことが怖いと思うも、それはほんの一瞬。
ほんの一瞬通り過ぎる恐怖、その後来るのは・・・受ける愛の深さだけ。
「・・・気持ちがイイって言っていいんですよ?激しくされて、気持ちがイイんでしょ?
こんなに、僕がたくさん君のナカに・・・愛を打ち付けているんですし、下の口は正直に、僕にそう告げてきてます。
君はどうなんです?気持ちがイイんですか?」
バニーが微かに汗を流して、息を少し荒々しくさせながら私に言う。
「バ、バーナビー・・・あっ、ぁあん・・・気持ち、気持ちがイイッ・・・頭が真っ白になっちゃう、くらい
ひっ、ああっ・・・気持ちがイイよぉ!!」
「そうですか。それは・・・嬉しいですね」
すると、重く・・・そして深く、彼がナカにと突き上げてきた。
「っぅ・・・ぁぁあっ!!ぁあ、ああっ・・・バーナビーッ・・・奥は、奥はだめぇえ!!壊れちゃうッ・・・ふぁ、ああ
死んじゃうよぉ!!気持ち、ヨクて・・・あっ、ぁあああ・・・死んじゃうぅ!!」
「どうやら、の一番イイトコロに来ちゃったみたいですね僕は。
君がこんなにも淫らに、そして可愛く乱れる姿なんて・・・貴重すぎて、もっと啼かせたくなります」
ダメ・・・もう、頭が真っ白になりすぎて何も考えられない。
バニーの体と私の体が、1つになることだけしかない。
頭で考えて無くても体が勝手に動いている。
激しく揺さぶられているのに、打ち付けられているのに・・・私、バニーにこんなに愛されてるって思って溺れちゃう。
スプリングの軋む音が、大きくなって
繋がっている部分からは、絡み合っている互いの体液だけがベッドに零れて、シミを残す。
「バ、バーナビーッ・・・も、もう・・・あっ、あぁっ・・・だめぇえ!!」
「・・・僕も、もう・・・っ、あ・・・はぁ、っ!!」
「ふっぁ・・・――――あぁぁああ!!」
私は、バニーのから吐き出された熱を受け止めて甲高く喘いだ。
ナカに彼の体の熱が入ってきて、熱くて・・・溶けちゃいそう。
ふと、意識が遠のいていく。
数回に渡る行為で・・・私の体力に限界が来たようだ。
意識が手放される寸前・・・バニーが少し笑みを浮かべながら―――――。
「・・・何処へ行っても君は、僕のモノ、ですからね」
そう優しく囁かれて、私は気を失った。
そうだよ、バニー。
例え少しの間離れて生活をしても、私はずっとバニーのモノだからね。
それだけは、この体にちゃんと焼きつけていくから。
After-Again
(その後と、もう一度私の体に貴方の熱を焼き付けて)