「ア、アニエスさん」


「何度言ってもダメよ。バーナビーとは電話とメール以外の接触は禁止」


「バ、バニーも悪いと思ってますから」


「ダメなものはダメ」






アニエスさんに車に乗せられ、私はかの人の家に向かっていた。


そんな車中で私はどうにかして
バニーと会うことだけでも許してもらいないだろうかと説得してみるも
どうやら本気でこの人はお怒りのご様子だった。





「まったく油断してたわ。バーナビーなら大丈夫かと思ったけど・・・まさかこんな子供に手を出すなんて」



「でも、私ももうすぐ19に」


「19でもまだ10代。アイツは20代・・・大人と未成年、お分かり?下手したら犯罪モノよ」


「・・・ま、まぁ・・・確かにそうですけど」





確かに、バニーが私とエッチしたら・・・どっちが咎められるかといえば、バニー。
こういうときの法律は非常に残酷すぎる。


行為は、2人の同意の上で・・・していることなのに。






「いいこと?もしバーナビーから会いたいとか言っても行っちゃダメよ」


「で、でもぉ・・・」


「ダメなものはダメ。いくら避妊とかそういうのしてるからって、私は許しません」


「・・・・・・アニエスさん」






すると、目の前の信号機が赤に変わり車が止まる。

アニエスさんはギアをチェンジさせ、車を停止させて私のほうを見る。
そして私の頬に優しく触れた。






「貴女の為でもあるのよ。母親の代わりとして、私は貴女を守る義務があるの。
ミスター鏑木がだらしないから」


「アニエスさん」


「貴女が大切だから言ってるの。もう自分が大人だと思うなら、分かりなさい」


「・・・はい」


「良い子ね」





そう言ってアニエスさんは私の頭を撫でる。

丁度信号機が赤から青に切り替わり、アニエスさんはギアを戻して車を発進させた。






「今日は久々に2人でご飯を食べに行きましょう。良いお店見つけたのよ」


「はい」





明るく返事をしたけど、やっぱりバニーのことが気がかりだ。


電話とメール以外ダメって言われたけど
やっぱり寂しいことには変わりないし・・・何だか胸が苦しい。


いつもはケンカして、私が一方的にバニーのマンション飛び出しちゃうけど
バニーはすぐ電話して・・・迎えに来てくれる。
でも、今回は・・・・違うんだよね状況が。

だったら信じて待つしかない。

アニエスさんが許して、バニーが迎えに来てくれるまで。



私、信じて待ってるよ・・・・・バニー。





















アニエスさんの家に移り住んで数日。
私は覚束ない足取りで学校に来ていた。




、おっはよー!」

「あ、カリーナ。おはよぉ〜」





後ろからカリーナが元気よく挨拶をしてきたけど
私は気だるく彼女に挨拶を返した。





「どうしたの?」


「うー・・・ちょっと眠くて」


「何寝不足?テスト期間にはまだ早いわよ」





そう、私は眠いのだ。
ここ数日大体寝るのが深夜過ぎ。此処まで起きているには理由があった。






「バニーに」


「アイツがどうしたの?」


「バニーにメール送って、電話を・・・待ってるの」


「は?・・・あんた達一緒に住んでるでしょ?別にそんなことしなくても」


「今一緒じゃないの。私、アニエスさんの家に居るの」


「え?ど、どういうこと?ちゃんと説明しなさいよ






私は眠い目を擦らせながら、カリーナにここ数日間の事を話すのだった。








「ついにバレたか・・・アニエスさんに」


「それで今、私とバニー・・・別々なの。会うのもダメってアニエスさんに言われちゃったから」






カリーナに数日間の事を話すと
ため息を零しながら私を見ていた。






「で、メールをして・・・電話掛かってくるの待ってるの?」


「私から電話しても良いけど、何て言えばいいのか。でもテレビの声じゃ分かんなくて」


「それで寝不足か」


「アニエスさんには勉強してるからって嘘ついて。でも、バニーの声が・・・聞きたくて」







眠い間を惜しんで、彼からの着信を待つ私。

自分からしても良いけど・・・どの時間帯で電話を掛ければ良いのか分からないし
正直メールをしたからと言ってバニーが電話を掛けてきてくれるとも限らない。

何せ彼は忙しいのだから。








「ごめんね、カリーナ」


「別に・・・いいけどさ。大丈夫なの?」


「・・・大丈夫だよ。バニーがテレビの前で笑ってくれてるから、私も笑っていなきゃ」












バニーが悲しい表情をすれば、私だって悲しくなっちゃう。


バニーが笑っていてくれれば、私だって笑っていられる。



でも、離れていてはそんなの・・・彼が分かるはずない。


私が本当は寂しくて泣きそうなことくらい。
きっと、バニーは分かるはずない。




会えなくても・・・せめて、声くらい・・・聞きたいよバニー。

」ってちゃんと・・・呼んで欲しいよ。























-昼休み-



「ねぇ、は?」


「あぁ、居るよ。でも授業終わってからずっと机で寝てる」


「そう、ありがとう」




「スー・・・スー・・・スー・・・」




「何処が大丈夫なのよ、まったく。バーナビーの奴も電話くらいしてやれば良いのに」





-カシャッ-





「する気がないなら、させるまでよね。ホント手のかかるカップルよねあんた達って」




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