自分でも時々後悔している。
助かったと思う反面・・・を他の誰かの目に触れさせてしまったことを。
「ひっ・・・あ・・・ぁん・・・っ!」
「すいません。本当はもっとじっくり愛しあいたいんですが、そうも言ってられません」
「ふ・・・んぅ・・・ぁあっ、あっ」
最近「自分は何をやっているのだろうか」と思うくらいおかしい。
嫉妬の獣に狩られ、控え室という場所でと蜜事を始める。
本来ならこんな事はこういった場所ではするべきではないことくらい自分でも分かっている。
分かっているはずなのに、止められない。
「いきなり挿れたりしたんですが、君の体はイイ子ですね。すぐに僕を受け入れてくれた。
ああ・・・嬉しい限りですよ」
「バ、バニィ・・・んぁ・・・あっ・・・う、動いちゃ・・・ぃ、ぃあっ」
「動かないと君は感じてくれないし、僕だって感じることが出来ません。無理を言わないで下さい」
快楽で目から零れる彼女の瞼に唇を落とす。
本来なら、時間をかけて愛しあうところだ。
手で体中を弄(まさぐ)り、柔らかな胸に優しく愛撫を施す。
濡れそぼった蜜壺に唾液を混ぜた指を挿れ、蜜をその指に絡めとる。
時にその蜜を舌で舐め取り、口の中で味わう。
そして猛った雄と濡れ喘いでいる雌は、離れあっている体を一つに繋げる。
雄は雌の体に何度も何度も、己の愛を注ぎ込む。
いつもなら、そうこれをじっくりとやっていく所。
だがしかし・・・場所が場所。
それに僕はこの後番組の収録を控えているとなっては、そうも言ってられない。
何も考えず、僕は軽くの体に触れ・・・そのままナカへと入り込んだ。
鏡台に彼女を座らせ、正常位の形で向かい合っている。
繋がりあっている部分はもちろん、深い。
「・・・時間もありませんから、いきますよ」
「え?・・・ふぁっ、あっ・・・あぁあん!だ、だめぇえ!!あっ、ああ!!」
そう言って、僕はの体に何度も熱い楔を打ち付け
その度に彼女は甘い声で啼き、蜜壺からは愛液が滴り落ちる。
時間が足りない。
足りないけれど、を感じる時間さえあれば今の僕には十分過ぎるくらいだった。
動くたびに震えるの体。
甘い声が零れるその唇を塞いでしまいたいくらいだが、耳でも僕は体を犯されたい。
彼女の体を好き勝手に犯しているのは、僕の方だ。
だけど、が感じる様や声で僕は彼女から犯されているも同然。
「本当に君は罪作りな子だ」
「ふぇ?あっ・・・い、いやぁん!!あっ、ああ・・・バ、バニーッ!!」
グッと腰を引き寄せたと思わせすぐに引き抜く。
それを何度も何度も繰り返し、互いの体を快楽の海へと誘わせる。
甘い声を上げ啼き、悦ぶ体に背筋が痺れる。
「・・・、とても可愛いですよ。嗚呼、君はどうしてこんなに可愛いんだ。
他の男が君に声を掛けてしまうのも頷けます・・・こんなに可愛い子を一人放っておくわけないですから」
「ぅあ・・・ぁん・・・あっ」
耳元で低く囁き、そのまま舐めあげる。
そのまま首筋に顔を移動させ、体から放出される汗の匂いを嗅覚で感じる。
甘い匂い。
首を滴る汗が僕を誘う。
舌でじっくりと舐め上げて、そのまま吸い付く。
一滴残らず味わいたい。
「あっ・・・あぁ・・・っん・・・は・・・」
「気持ち良さそうな顔をしてますね。でも、今からもっと気持ちよくなりますよ。
頭が真っ白になって、天にも昇る心地に」
「うぁあっ!!あっ・・・ぁん!!あっ、ああ・・・だ、ダメッ!!バ、バニーッ・・・ひっ、あ、ああん!!」
激しく体を動かし、更に快楽の海へと誘う。
の目は焦点が合っておらず、口はだらしなく開けられ唾液が端から零れる。
嗚呼、可愛い。
嗚呼、愛おしい。
嗚呼、なんて彼女は―――――。
「罪作りな子なんだろうか、ねぇ」
「あっ、ああ・・・バ、バーナビーッ・・・も、もぅ・・・んっあ・・・だ、だめぇえ!!」
「イキそう、ですね・・・その反応は。良いですよ、どうぞ。僕も、君のナカで果てさせてもらいます」
コンドームなんて付ける暇はない。
今はのナカに、僕の嫉妬に満ちた愛情を注ぎ入れたい。
ひどい男だと言って、泣かれそうだが・・・それも悪くないだろう。
だって、の目には僕だけが映っていればそれだけでいいのだから。
「・・・ッ・・・愛してます。愛してますよ」
「あっ、ああっ・・・・も、もぅ・・・んぅぅう!!」
「っ・・・程よく締まって・・・っはぁ、ッ!」
「あっ!――――あぁああんん!!!」
程よい締め付けに、僕は一気に自分をねじ込んだ。
それと同時に熱はの中で爆ぜ、体の奥にまで流れ込んだ熱を受け止めた彼女も同じようにイッた。
果てた後、はそのまま気を失った。
僕はそんなの汗ばんだ顔に付いた髪を払いながらキスをする。
甘い余韻に浸っているのだ。
『バーナビーさん』
すると、外から扉をノックする音が聞こえスタッフの声が聞こえてくる。
「はい」
『準備出来ましたんでよろしくお願いします』
「今行きます」
扉を開けず、外からスタッフは準備が出来たと告げ去っていった。
開けられたら最後・・・僕の大スキャンダルは免れなかったろうけど、開けられずに良かったと一安心。
腕の中で眠るを見る。
「君を巻き込んだこと申し訳なく思っています。でもこうやって側にいれるのはとても幸せです。
だけど・・・君の目に映っていて欲しいのは僕だけです。嫉妬ばかりして求めてしまう僕を許してください、」
一時の逢瀬だった。
繋がった体を離れ、眠る彼女をソファーへと置く。
獣は鎮まった。
でも、きっと君がまた他の誰かと話しているところを見てしまったら
またこの獣は暴れまわるのかもしれない。
そしてを激しいまでに求め、鎮める。
これはもう、最悪的過ぎる循環だ。
「酷い男ですね・・・僕って」
そう呟き部屋を後にする。
どうにかしなきゃいけないと、分かっていながらも
のことになってしまっては、どうにもすることも出来ない自分に
ただ、ただ苦笑を浮かべるしか無かった。
そして―――――――。
「バ、バーナビー様と・・・あの、女マネージャー・・・で、デキてるの。う、嘘でしょ」
陰から覗いていたモノから、今後思わぬ展開を迎えようとはこの時の僕は知る由もなかった。
兎の中に隠れた獣
(鎮める方法は唯一つ、君だけ)