「まぁよろしくやろーや、ジュニアくーん」


「(もうツッコミ入れるのも、疲れた)」





新しいパートナーが虎徹さん、ではなく、海外から引っ張ってきたライアンという男。


何となくやりにくい・・・というか、僕としては複雑なところだ。

1部に復帰出来たのは嬉しいけれど
パートナーが虎徹さん、ではなく、知らないヤツというのが乗り気になれない。




上手くやっていけるだろうか・・・と不安な気持ちでたくさんだった。









「バニー」







ふと、聞き慣れた声に振り返ると―――――が立っていた。


僕は慌てて彼女の方へと向かう。









・・・・・どうしたんですか、一体?」



「バニーが心配で。アニエスさんやカリーナから事情を聞いたから、何か」



「だから、わざわざ此処まで来てくれたんですか」









どうやら今回のことは彼女の耳にも入っていたらしい。

僕が話さずとも周囲が自ずと教えてくれるだろうと思っていたが
此処まで早く耳に入られていたとは、と半ば驚いている。

だけど、僕が心配でアポロンメディアまで出向いてきてくれる辺り
その心遣いが嬉しくてたまらない。







「上の決定事項ですから、僕に逆らう権利はありませんが・・・まぁ上手くやっていきます。
あ、丁度いますし紹介しますね・・・彼が」



「あれ?あの時のお嬢ちゃんじゃね?」



「あ。あの時の観光客のお兄さん」







僕が紹介する前に、ライアンと彼女が「初対面ではない」という事に気付いた。









「うっわぁ〜偶然。また会えるなんてな」



「ホントですね!まさかお兄さんが新しいヒーローだったなんて」



「お兄さんって呼ばれ方も悪くねぇが、俺ぁライアンな」



「ライアンさんですね。私は、と言います」



「おー。なら嬢ちゃんだな」









紹介の手間が省けたのは大いにいいんだ・・・が。


何故2人がこうも和気あいあいと会話を繰り広げているのだろうか、という疑問に駆られる。


2人は確かに「初対面」のはず。
それだというのに今僕の目の前で話をしている2人は「初対面ではない」というのが伺えた。










「あの、2人は初対面のはずじゃ?」








だから僕は思いっきり聞いてみた。








「名前教えあうのは初めてだが、初対面じゃねぇよ?なぁ?」



「うん。前、ライアンさんと一緒に雨宿りしたの」



「あ、忘れるところだった。ホイ。コレ、返しそびれたから・・・ありがとな」



「あの時のハンカチ。え?いいんですよ、そんな・・・っ」



「こういうのはキッチリしとかねぇとな。あー、ちゃんと洗ってあるからな、其処は心配すんなよ」



「ウフフ・・・ありがとうございます」







和やかな空気に、雰囲気。


なんだろうか・・・パートナーを変えられた上に、この仕打ち。


変化には常に対応していくのが「大人」と言える生き物なのだけれども
正直のことにまで首を突っ込まれている状態だと、僕としては見過ごすどころか
「其処はノータッチで」なんて言われて黙っているほどお人好しではない。








「ところで嬢ちゃん。さっきからさぁジュニア君と仲よさげだけど、どういう関係?」



「え?どういう関係、っていうか」



「彼女は僕の恋人、つまり僕たちは付き合ってるんです。ちなみに一緒に住んでます」



「バッ、バニーッ!?」










公衆の面前。

僕はの肩を抱き、自分の元へと引き寄せて彼に対して彼女を恋人とアピールする。


いや、コレは「アピール」というよりも完全に「威嚇」だ。


いつもの僕なら穏便に済ませたり、軽く嘘を取り繕ったりもするけれど
如何せん、今の状況はそうも言ってられない。







「あ、あれ?え?ジュニア君と嬢ちゃんって、え?そーいう、アレ?」



「何度も言わせないでください」



「バ、バニー・・・ライアンさんに失礼だってばぁ」



「失礼でも何でも此処ははっきりさせておくべきなんです」







の言うとおり、確かに失礼かもしれない。

人前でこういうことは彼女だけではなく、僕も本来ならば望まないことだった。
だがしかし、状況が状況。


ライアンの素振りからして、に「好意」を持っているのは間違いないはず。


いや、確実とも言えるだろう。



動物的雄の防衛本能、というモノだ。







「あーあ・・・んだよぉ、そういうのかよー」



「だからやめてください。に馴れ馴れしくしないでください」



「おいおい、まだ何にもしてねぇだろ?」



「いや、貴方の場合手が早そうですから・・・こういうのは忠告しておくべきかと思いまして。
やめてくださいね、に触るの。あと誘うのとかもやめてください。
いくら、以前会っていて仲良しでも流石にこればかりは見過ごせませんから」


「はぁあ?何それ?ジュニア君、ちょっと規制厳しくねぇえ?」



「厳しくしてるつもりはありません。一般論を述べてるまでのことです」



「いやいや、ジュニア君のは一般論から大いにズレ込んでるって。いいじゃん、ちょっとくらいさぁ。
食事に連れて行ったり、遊びに出かけたり」



「何がちょっとくらいですか。そういうのが僕は嫌なんです。だからやめてください」



「なぁ、嬢ちゃん・・・・・・ジュニア君っていっつもこんな感じなの?」



「大体こんな感じです。すいませんライアンさん」




兎と子猫と獅子と・・・・・。
(はてさて、始まるか?子猫をめぐる争奪戦) inserted by FC2 system

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