「うっわ、全便欠航とか」
「困りましたね」
「この大雪ですから、飛行機も飛ばなくて当然でしょう。
バスで戻ろうと思ってもバス自体がこんな雪道じゃ来れない状態ですよね」
虎徹さんとと僕の3人は
とある空港の電光掲示板の前で立ち往生していた。
取材のためにシュテルンビルトを出て、それらを終えて
街にと戻る予定だった。
だが、やって来た地域の悪天候のため飛行機が全便欠航になり
途方に暮れていた。戻る手段が一つとして見つからないからだ。
「すいません。私がちゃんと天気予報見ておけばスケジュール調整できたのに」
「君は本当のマネージャーではないんですから、気にしなくていいんですよ」
「そうそう!其処んトコ、ロイズさんが組むべきなんだよ。
はバニーのワガママでマネージャーやってるようなもんなんだしよぉ」
「虎徹さん」
「わ、悪かったって、そう睨みつけんなよ〜」
虎徹さんへの視線を収め、ため息を零しもう一度電光掲示板を見る。
やはり全部【Flight cancellation】の文字がずらっと並んでいた。
これでは本当に帰れそうにない。
「どうしようバニー。困ったね」
「ハァ・・・仕方ありません。手近のホテルを探しましょう。朝になれば天候も変わることだろうし」
「え?此処で待ってたほうが良くね?」
「此処で待ちたいのであればどうぞ。僕とはホテルに泊まりますから」
「バニー、そんな事言っちゃダメだよ。タイガーさん、ホテルに泊まりましょう?こんな所で寝てたら体痛めちゃいますし」
は優しく虎徹さんに救いの手を差し伸べる。
正直な所、僕は彼女と二人っきりになれればそれでいいと思っていた。
何せ、今日はずっと取材漬けで話す暇も与えられなかった。せめて夜くらいはマンションに戻って
それこそ一晩中離さない予定ではあったが・・・生憎天気は僕に味方をしてくれなかったみたいだ。
虎徹さんが一人になりたい、というのなら失礼な話だが別に構わないだろうと思っていたが
どうやらがそれを良しとはしてくれないみたいだ。
「おめぇが、そういうなら・・・仕方ねぇな」
「とりあえず私ロイズさんに連絡入れてきますね。多分ホテル代も経費で落としてくれると思うので」
そう言っては僕らから少し離れ
シュテルンビルトにいるロイズさんにと電話を掛けに行った。
「わ、悪ぃなバニー。おめぇらの邪魔して」
「構いませんよ。でも部屋は別々に取らせてもらいますのでご心配なく」
「え?何?それ計算済みなわけ?」
「当たり前じゃないですか。が貴方に手を差し伸べた辺りから僕も僕なりに考えてはいたので」
「抜かりねぇなお前」
「との時間を作るためなら、なんだって考えます」
取材先でのトラブル
(トラブルは何処に行っても起こりうる)