ロイズさんの了承を得て、僕ら3人は手近のホテルにと足を運んだ。
此処で2部屋確保できれば問題はないとばかり思っていたのだが――――――。
「大変申し訳ございません。只今全室満室を頂戴しておりまして、現在ダブルのお部屋お1つしかご用意できません」
「は?!マジで?!」
「え?ダブルの部屋って何?」
「セミダブルのベッドが1つだけある部屋の事です」
「え?ひ、1つ?」
迂闊だった。
手近なホテルに入り込んだまでは良かったが
2部屋確保どころか1部屋、しかもダブルの部屋しかないと言われた。
「シングルの部屋の空きは無いんですか?」
「申し訳ございません。この悪天候での急なお客様の殺到で」
「あー・・・だったら仕方ねぇよな」
本当に天気は僕に味方をしてくれない。
よりにもよって、ダブルの部屋しか空いていないとは。
頭を抱えて悩むどころか、頭が痛いレベルに達しそうだ。
「本来お部屋はお二人様しかご利用出来ませんが、今回は急な事もありますので
お1つのお部屋に3名様で入って頂くよう致します。
お手続きしていただけましたら、お一人様のベッドを簡易ではありますがご準備させていただきます」
「おお!そいつはいいな!」
「そうですね!ねぇ、バニー。ホテルの人もこう言ってるし、せっかくのご厚意に甘えようよ?」
「・・・・・・」
虎徹さんは喜び、も嬉しそうに僕を見上げる。
今更拒んだ所で多分何処のホテルも状況としては変わりはないだろう。
僕はため息を零し、フロント係の人を見る。
「じゃあ、すいません。その部屋で3人、お願いします」
「はい、かしこまりました。ではすぐさま準備に移らせていただきます。ではこちらの方にご記入をお願い致します」
「あ、私が書きますね。ロイズさんから色々と頼まれてますし、お二人はソファーに座って待っててください」
「おう!ありがとうな」
「では、其処のソファーで待たせていただきます」
が記入やら支払いをしている間、僕と虎徹さんは近くのソファーに腰を下ろした。
「いやぁ〜不幸中の幸いってまさにこの事だよな」
「・・・・・・・・・」
「バニー?どうした?具合でも悪いのか?」
「もう」
「は?」
「もう外部からの取材は二度と受けません。絶対に街から出ませんから何言われても」
「あ、そ、そうだな」
トラブルは更に続く
(もう街を出る仕事は避けよう。絶対に!!)