部屋の準備が終わり、僕たちはダブルの部屋へと足を運んだ。





「うわぁ〜広いですね!」


「ダブルの部屋って言ってたわりには広いな。急で用意してくれたベッドも普通に寝れる感じだしよ」





部屋に入ると、確かにダブルの部屋にしては広かった。
急ぎで用意してくれた簡易のベッドも簡易という言葉では勿体無いほどのしっかりとしたベッドがあった。

多分此処はホテル側の本当に配慮、といった所だろう。

各々の荷物を床において、ベッドに腰を下ろした。






「しっかしよぉ、明日は動くのか飛行機?」


「さっき携帯で天気予報見たら晴れって言ってましたし、飛行機も動くと思いますよ」


「なら、明日朝一番の便で戻ればいいですね。そういえば、ロイズさんは何て言ってましたか?」


「大変な目に遭ってるだろうけど、2人や私が無事なら良かったよだって。
航空券も明日の便分は手配してるから心配しなくてもいいってさ。
とりあえず、私は此処の宿泊費を会社の領収書で切ったから、明日戻ったらロイズさんに渡しに行かなきゃ」




そう言いながらは自分のスケジュール帳を広げ、メモをしていた。






「おめぇも大変だな」


「すみません。こんな状況に巻き込んでしまって」


「え?ああ、いいよ、気にしてないし。それに何か二人とこうやってお泊りみたいな事してるから私、すっごく楽しいよ」





笑顔で答えられると、安心する。

本当に僕のワガママでをマネージャーとして隣に置いているせいで
こんな状況にしてしまったことを少し反省すべきなんだろうけど、何故だか彼女が笑うだけで
僕としては安堵してしまう。







「とりあえず、明日も早ぇって事だから・・・風呂入るか。あ、此処は女子優先だな」


「え?でも、私は一番最後でもいいですよ」


「いいえ。君はいつも色々と頑張っていますから、レディーファーストで先に使ってください」


「俺達は後でも全然構わねぇからさ、先に入って来い」


「じゃ、じゃあお言葉に甘えて。先に入ってきますね」






そう言って彼女は衣服やアメニティを持って、バスルームへと入っていった。
シャワーの流れる音が聞こえ、時折鼻歌も聞こえてくる。






「お泊り、ねぇ」


「男二人とお泊り、なんて・・・ホント、何言ってるんだか」





が居なくなった部屋で虎徹さんと僕は呟いた。

普通に考えて変だと思う。
男2人に、女の子1人。普通だったらありえない話だ。

本来だったら2部屋確保して、僕と、そして虎徹さんと分かれるはずだったのに
あまりにも急過ぎる展開に僕は肩を落とすしか無かったが、至って彼女は楽しそうにしていた。






「年頃の娘が、男と寝泊まりするとか考えられねぇぞ」


「自分の娘さんだったら、虎徹さん絶対怒りますよね」


「当たり前だろ!つーか、も俺の娘みたいなもんだしよぉ」






親が街を不在にしているにとって、虎徹さんは父親代わりのようなものだ。
自分の娘と同じくらいに可愛いと思うだろう。

しかしそれが親心と思うものか、それとも――――――。






「貴方も意外と侮れないですよね」


「へ?何が?」


「いえ、僕の独り言です」


「何だよー、何言ったんだよお前ーっ」


「独り言です。気にしないでください」


「気になるだろ、言えよー」


「言うわけないでしょ。大体貴方っていう人はですね」





「お風呂、上がったけど・・・次、どっちが入る?」





虎徹さんに言おうとした言葉が、ものの見事に引っ込んだ。

お風呂あがりの彼女の姿に思わず互いに見惚れてしまい、顔を合わせて―――――。





「お、俺入ってくるわ」


「僕、ちょっと飲み物でも買ってきます」


「バニー、俺ペプシでいいわ」


「はい」


「あ、バニー。私、オレンジジュース頼んでもいい?」


「もちろんです」




それぞれ、何だか今のに目も合わせづらい状況で散り散りになった。



お風呂の順番。
(君を見たら、言いたい言葉が引っ込んだ) inserted by FC2 system

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