バニーが近くに居るだけで安心する。
側にいてくれるだけで、自分は1人じゃないんだと思えた。
でも、時々背後から異様な空気を感じ取る時がある。
今日もバニーは仕事で遅くなり、帰ってきた。
私はそんな彼に準備していた夕食とは別に、簡単に料理をこしらえていた。
キッチンで1人作業をしていて・・・ふと、背後に感じる気配。
振り返ると―――――。
「バ、バニー・・・どうしたの?」
「え?あ・・・い、いえ・・・っ」
バニーが私の背後に立っていた。
「ゴメンね、お腹空いてるよね」
「え?あー・・・」
「もうすぐ出来るから、待っててね」
「あ、は、はい。ありがとうございます、」
私の言葉に、彼はしどろもどろな返答をし
彼はとぼとぼと何やら落ち込んだ感じで、リビングへと戻っていったのだった。
私はそんな彼の背後を見送り、再び食事の準備に戻る。
最近、こんな感じでバニーがよく背後に立っていることが多い。
もちろん料理をしている時だけではなく、お掃除をしている時や
本を読んでいる時・・・私が1人で居ると、バニーはいつの間にか背後に立っている。
そして、いつも「いえ、特には」とか「なんでもありません」と言葉で濁される。
本当は何かするために私の背後に立っているのだろうけれど
彼の目的が全く分からない。
多分理由を尋ねた所で答えてくれるわけもないだろう。
「バニー・・・何か言いたいのかな?」
料理をしながら、そんな事を呟く私。
彼が側に居てくれるだけで、安心はするけれど
時々感じる異様な気配に私はいつも首を傾げるばかりだった。
背中で感じる危険と安心
(彼の真意を知らない彼女が感じていた事)