「ったく何でお前まで」
「俺だってやりたいんだよ」
アポロンメディアの玄関前。
俺とロックバイソンはを待っていた。
クリスマスプレゼント・・・互いにやる相手はいる。
だが、その他にもアイツを呼び出したには目的があった。
「今年は虎徹やバーナビーばっかりに良い格好はさせたくねぇからな」
「いやだからってな、わざわざ付いて来なくても」
「お前らの会話で何にするか決めるんだよ。むしろそのほうが選びやすい」
どうやらコイツも俺と同じような目的らしい。
「タイガーさん!アントニオさん!」
名前を呼ばれ声の先を見るとが暖かい服装で走ってやってきた。
「おう、こっちこっち・・・って何でバニーまで居んの?」
手招きをすると何故か
の後ろにちょっと不機嫌そうな顔をしたバニーが立っていた。
呼んだのは確かにだけのはずだったのに
何でかバニーが此処に居るのかが分からなかった。
「何でお前が居んの?」
「いいじゃないですか、別に。僕が居たっていいでしょ?」
「バニー、送るって聞かないから・・・それで」
「、僕は君が心配なんです。いくら虎徹さんやロックバイソンさんと出掛けると言っても
僕としては心配なんですよ?ホント・・・取材がなければ僕も付いて行くつもりでした」
「バニー、お前」
「どんだけを他の男と歩かせたくねぇんだ」
バニーの相変わらずにはおろか、俺やロックバイソンまでため息が零れた。
「もうバニー、早く仕事行く」
「はいはい分かりました。じゃあ虎徹さん、ロックバイソンさん・・・をくれぐれも怪我させないように」
「お、おう」
「ゎ、分かった」
最後の一言に物凄くドス黒い何かを感じつつ
そう言ってバニーは颯爽とその場を去り、個人の仕事へと行くのだった。
バニーが去った後はため息を零し俺達を苦笑を浮かべながら見ていた。
「すいません」
「いいって。んじゃまぁ、クリスマスプレゼント選びに行くとするか」
「そうだな」
合流したところで、俺達は早速
プレゼント選びのために街へと繰り出すのだった。
街を散策し、アレやこれやとに色々聞いていく。
「楓はどっちがいいと思う?」
「楓ちゃんの歳くらいだったら左の方ですね」
「なぁアニエスさんならどれが似合うと思う?」
「アニエスさんは大人の女性ですから、右のモノでもいいですよ。
そう言ったのアニエスさん好きですし」
「「じゃあ、お前はだったらどっちがいい?」」
「え?あ・・・あのぉ」
思わずに言って俺とロックバイソンは我に返る。
もちろんその言葉を受け止めたアイツも少し困惑していた。
「わ、悪い」
「こ、こういうのはやっぱり女のセンスっていうのが光るからな」
「あ、そ・・・そうですよね。お二人ともプレゼントあげる相手がいるのに
私なんかにあげるわけないですよね。あ〜ビックリした」
こういった所での奴は勘が鋭いからおじさん、やんなっちゃうよ。
俺は楓にプレゼントを選ぶ口実で。
ロックバイソンはアニエスにプレゼントを選ぶ口実で。
へのクリスマスプレゼント選びのために誘ったのだ。
いつもはバニーに独占かつ邪魔されてばっかりで
の好きなものや欲しいものが俺にはよく分からない。
普通に聞いたりしたら確実にバニーに邪魔されるに決まっている。
だから俺も考えた。
バニーの個人の仕事のスケジュールを把握して
それで敢えてこの日を選んだ。我ながら本当に、自分頑張ったな、って褒めてやりたい。
まぁロックバイソンが付いてくる・・・と言ってきたのは予想外ではあるんだがな。
とにかく分からないように慎重に
の好きそうなものを選んでクリスマスプレゼントにしよう、と考えている。
が顔をキョロキョロさせながら
ウィンドウに並んだ商品を見て、何やら品定めをしていた。
「虎徹・・・決まったか?」
すると、ロックバイソンが小声で話しかけてくる。
「いや全然。ていうか、俺の聞いてどうすんだよ!?真似すんなって」
「別に真似とかしねぇし・・・さ、参考までに」
「嘘くせぇんだよお前」
「んだと!?」
「あのお二人とも」
言い争いが始まろうとした途端、の声が聞こえ
俺達の動きは止まり、何故か肩を組んでケンカしてない素振りを見せる。
「お、おうどうした?」
「何か良いの見つかったか?」
「あの・・・バニーって、どういうのがクリスマスプレゼント良いと思うます?」
『へ?』
の口から出てきたバニーという単語に
やっぱり俺達のあげるプレゼントじゃ太刀打ち出来ない気がしてきたのは
多分気のせいではないだろう。
プレゼント選びを口実に
(お前にやるプレゼント選びをする俺達)