「はぁ?と一緒にイブの日パーティをしたい?」





「そうそう!」



「パーティっていうか、女子会よ女子会」









クリスマスツリーの飾り付けが終わったのか

ドラゴンキッドとファイヤーエンブレムがと一緒に

イブの日、パーティ(女子会)をしようと言い出してきた。













「また何で?」





「何でって・・・ほら、さっきブルーローズ話してくれたじゃん」





お嬢がクリスマスの日、あんな風に過ごしてるって分かったから。

そんな日は女子だけででぱぁ〜っとやっちゃおうじゃないってハナシよ。

それにお嬢だってアタシ達乙女クラブの一員なんだし」





「だからブルーローズから頼んでさぁ」





「イブの日、バーナビーと予定入ってたらどうすんの?」













我ながら的を射た意見だ。





イブの日のこと。

は特に何も言っていなかったがバーナビーと過ごすことは

確実とも言えるし、むしろバーナビーから100%「ダメです」という言葉が出てくるのは必須。















「一応だよ、一応聞いてみてよ」





「そぉ〜よ。一応聞いてみなさいよブルーローズ。もしかしたらまだ

ハンサム誘ってないんじゃない?だって24日はほら、ハンサムには大切な日があるんだから」











ファイヤーエンブレムの言葉に、そういえば・・・と思い出した。





24日はバーナビーにとっては大切な日があった。

なりに、其処は気を遣っているような口振りをしていた。







もしかしたら、本当にまだイブの日何も予定は入れていないのかもしれない。















には聞くだけ聞いてみるから。それでいい?」







「わぁ〜い!」



「さっすがブルーローズね。じゃあ天使拉致作戦開始よ!」





「響き悪すぎよファイヤーエンブレム」

















2人は私の返答に嬉々としていた。



天使拉致作戦、か。





を天使と例えるなら、あながち間違いではないだろう。





とりあえずアポを取ってみるだけとってみよう。

もしかしたら、本当にイブの日・・・天使を拉致できるのかもしれない。







そう考えたら、あのお惚気兎からを一晩とこっちで

独占できたら何だか勝った気分がして清々しい。































『え?イブの日パーティ?』





「そう。私は、ダメかもって言ったけどとりあえず聞いてるの」









夜。

自宅に帰り、私はに電話をし

イブの日ファイヤーエンブレムとドラゴンキッド

そして私の三人でパーティをする旨を伝えた。



訊ねてみると「う〜ん・・・」という唸り声が電話先からする。



















「何?やっぱりバーナビーと予定入ってる?」





『バニーとの予定は・・・入ってないよ』





「まぁアイツ、お墓参りに行くだろうしね。ねぇ、クリスマスイブは私達と過ごそうよ。

その方が気が楽になると思うし、1人で泣いて過ごすよりか全然マシだと思うけど?」















会わない2年間までののことは、多分誰よりも知っている。





むしろ其処は自分でもバーナビーやタイガーには勝っている部分。







私だけが知っている。



クリスマスの日、どれだけが寂しい思いをしてきたか。

イブの日からそう・・・楽しい気分を無理に取り繕って、笑っていた。





でも結果は毎年同じだった。



イブの日の夜から待ち続けて・・・時間がクリスマスへと足を踏み入れ

そして・・・誰も帰ってこない部屋で、大切な人を待って大声を出して

声が枯れるまで泣いている姿を。









忘れたくても、忘れられない・・・ずっと、頭に焼き付いて離れてくれない。







会わなかった2年間でも、クリスマスだけは・・・忘れられなかった。

が家で一人寂しく泣いているんじゃないかって。















『カリーナ?・・・カリーナ、どうしたの?』







「え?あ・・・何でもない」















の声で我に返った。



昔のことを思い出してた、なんてバカ正直に言ったら

「カリーナは心配性だなぁ」って言われるのがオチ。







別にそうじゃない、と否定はしない。







心配にもなる。



幼い頃に父親を事故で亡くして

それ以降仕事で家を留守にする母親の居ない場所で1人寂しく過ごすを見ていたら

誰だって心配にもなるし、気が気じゃない。















「それで・・・イブの日はどうするの?」





『うーん・・・とりあえず、バニーに聞いてみる』





「アイツはアンタの保護者か」





『一応、一緒に住んでるわけだし・・・私が勝手に家を空けてたりしてたらバニーが心配する』





「もし、アンタが言い出さなかったら私から言うからね?」





『うん。でも直前まで待って・・・バニーには私から必ず言うから』





「分かった。良い返事待ってる」





『ありがとうカリーナ。ネイサンやパオリンにもありがとうって伝えておいて』





「うん」















「じゃあおやすみ」と伝え通話を切断した。



ベッドに携帯を放り投げ、とりあえず拉致する餌は蒔いておいた。





あとは天使がどうやって食いついてくれるか。

しかし、あの口振りからして確実にバーナビーには直前まで言い出せないような気がしている。





こうなったら、もう強行手段。







天使が餌に食いつく前に、こちらからもう捕まえておかなければ。







私は再び携帯を手にボタンを押す。















「あ、もしもし。ファイヤーエンブレム?私、ブルーローズ。

一応さっきには電話しておいたけど、多分直前まであの子バーナビーに

言い出せそうにないから、イブの日私から直接バーナビーに言うわ。だからお店の予約一応4人でお願いね。

こうなりゃもう天使様強行拉致作戦よ。何が何でもイブの日、と私達3人で過ごすんだから」















少しでもイブの日、に楽しい思い出を残してあげたい。

幼い日の私はいつもそう思っていた。



でも成長して、ヒーローとして活躍して、お金も少し余るくらいある。





パーっと遊ぶには十分すぎるお金がある。

それに語り合える仲間もいる。





楽しく過ごすには丁度いいくらいの環境。









天使に涙は似合わない。



天使は笑ってこその存在。







だから私はなるの。



悪魔から天使を救い出すヒーローに。









天使拉致せよ
(悪魔は誰とか、野暮なこと聞くんじゃないわよ?)

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