「んっ・・・朝、か・・・」





カーテンから零れてきた朝日が目に当たり覚めた。


先日までのモヤッとした気分が打って変わって
何だか今日はとても晴々とした気分になっていた。


目が覚めて隣で眠るを自分の元へと引き寄せた。
温かい彼女の肌が、ほんの少し寒かった自分の体を温める。





先日、僕を外で待っていたの体は案の定冷えきってしまい
風邪を引いてしまうと思い、2人で温かいシャワーを浴びながら・・・肌を重ね合わせた。

何度も何度も、熱をナカに注ぎ
のぼせ上がるほど、唇を、肌を触れ合わせた。




結果、浴室での情事では熱くなりすぎて気を失ってしまい
丁寧に体を拭いて柔らかなタオルで包み込み寝室へと運び、2人で眠った。










「んぅ・・・バニー?」



「おはようございます








僕の肌が少し冷たかったのか、それに触れた彼女が目を覚ました。
まだ眠っていたいのか目を擦る。
その仕草ですら、たまらなく愛おしい。









「寒くないですか?」


「うぅん、大丈夫。バニーが抱きしめてくれてるから」


「ホント・・・もう外で待つとかやめてくださいね。今度からは必ず部屋で待っていてください」


「ごめんね」


「まぁ、君が風邪を引いて僕に看病されたいというのなら、話は別ですけど」


「なにそれ・・・ウフフフ」








本気で言ったことがには冗談に聞こえたのか
彼女はクスクスと笑みを浮かべていた。






「さぁ。出掛ける準備をしてください」


「え?」


「せっかくのクリスマスなんですから、今日はウチでクリスマスパーティです。
まずは2人で買い物に行くところからスタートですよ。
それに約束したじゃないですか・・・今度2人で買い物に行こうって」


「バニー」








数週間前は買物に行けなかったけれど
今日だけはスケジュールをロイズさんに頼んでを空けてもらった。
「まぁたまにはね」と計らいもあってか何とか空けてもらえることが出来た。


色々と口実を作ったけれど「のための休み」・・・なんて流石に口が裂けても言えない。







「リビングで待ってますから・・・さぁ」


「うん!じゃあすぐ着替えるね」


「温かい格好をするんですよ?」


「はーい」










愛らしい返事をしてはベッドから出て
クローゼットを開けて洋服を探し始める。

僕はというと、浴室においた自分の衣服を取りに行き
それに着替えてリビングへと赴く。



リビングへと辿り着くと、テーブルの隣に立つ小さなクリスマスツリー。



電飾は無いけれど、それでもオーナメントだけで豪華に輝いていた。
改めてそれを見ているけれど、まるでお店にでも飾ってあるかのようなツリーにも見える。



そういえば、ブルーローズさんが言っていたことを思い出す。






はクリスマスツリーの飾り付けがプロ顔負けだと。






どんなものだろうとか、見てみたいな、と思っていたところ。
だが実物を目にすると本当にプロ顔負けレベルのクリスマスツリーだ。
これは小さいサイズでは収めるには少々もったいない気がする。







「バニー着替えたよ」


「え?あぁ、はい」








ツリーを眺めていたらが温かい服装でリビングへとやって来た。









「?・・・どうしたの?」


「いえ・・・ツリー、これだけ豪華に飾り付けしているし・・・小さいサイズじゃ何だか勿体無い気がして」


「え?バニーは・・・おっきいのが良かった?」


「いや、そういうわけじゃ・・・」










下手に大きいのを買ったら、何だかの昔の事に触れそうで怖い。


大きいクリスマスツリーの下で蹲って泣いているの事を考えたら
「じゃあ来年は大きいのを」なんて口が裂けても言えない。







「すいません、今のは忘れてください」


「う・・・うん」


「君も着替えたことですし、買い出しにレッツゴーです」


「うん!」









クリスマスくらいは、の苦い記憶を消してあげたい。

僕にどれだけの事ができるか分からないけれど
やれるだけのことはやろう。

それに、約束したんだ。
約束は・・・必ず守らなければいけない。






そして僕達は車で街に繰り出し
自宅で行うパーティのモノを色々と買っていた。








スーパーに行って、タンドリーチキンの材料やシャンメリーにワインを買って。



ケーキ屋に寄って、クリスマスにピッタリなブッシュ・ド・ノエルを買って。



家に帰る道をわざと遠回りをして、街のイルミネーションを眺めていた。








昨日までの気分が嘘のような、とても夢のような時間を過ごしていた。

が僕の名前を呼ぶたびに心が鼓動して、気分が高揚する。



いつもは恋人らしいこと、マンションのあの部屋の中でしか出来ないけれど
騒がしいクリスマスの景色が僕らの繋がりを上手く隠してくれていた。

誰一人、僕とが手を繋いで歩いているところを気に留めること無く
声を掛ける人もいなかった。







今日はずっとと一緒に居れる。





そう考えただけで、僕は幸せでたまらなかった。









「じゃあ部屋に戻ったら準備ですね」


「うん」





車で街を走り、マンションへと到着。
降りる準備をしている最中、僕はある事を思い出した。








「あー・・・。荷物は僕が持って上がるんで、先に行っててください」



「え?でも、たくさんあるし・・・1個くらい私が持って行くよ?」



「なら1つだけお願いします。後は僕が持って行くんで」



「分かった。じゃあ先に部屋に戻って暖かくしておくね」



「はい」







そう言って先にを車から降ろし、部屋の中に戻るよう誘導した。

彼女の影が見えなくなるのを確認すると
僕はすぐさまグローブボックスを開ける。







「今日こそ渡さなきゃ」







グローブボックスに入れた・・・にプレゼントするためのネックレス。


昨日渡すはずだったけれど、結局は渡せずじまいになり今日を迎えてしまったが
きっと夜はイイ雰囲気になりそうな予感がしていた。
さっきの買い出しで甘く良い感じの空気を醸し出していたから、夜はきっと上手く行く。


僕は荷物の中にプレゼントを紛れ込ませ
何事も無かったかのように、荷物を持ち部屋へと上がる。


駐車場からエントランスへと向かうと・・・・・・―――――。











「やっと来た。おせぇぞバニー」




「は?・・・こ、虎徹さん!?それに、皆さんも」








エントランスに、何故か先に部屋に行っていたはずのはおろか
虎徹さんをはじめ、ヒーローの皆が各々色んな荷物を持って其処に居たのだ。

ふと、何だ嫌な予感が過ぎり始めた。


しかし、考えたら何だかそれらが現実になりそうだったので
考えるのをやめて、此処に来た理由を尋ねる。







「あの、何をしに此処に?」



「いや、俺は止めたんだけどさぁ・・・こいつ等が」



「私達は君の為にクリスマスを一緒に楽しみに来たんだよ!」



「は?」

「え?」







スカイハイさんの言葉で僕との目が点になる。

のためにクリスマスを一緒に楽しむために来た?




僕の考えている嫌な予感が、段々と現実味を帯びてきた。








「やっぱりハンサムだけお嬢独り占めはズルいし」


「ご迷惑とは思ったんですが」


「皆でやったほうが盛り上がるし!楽しいし!」


「もう、電話出てよね。何回も掛けたんだから」


「つーわけで、一緒にクリスマスパーティしようぜって話になって
バーナビーのマンションに全員集合したってワケだ!」








ファイヤーエンブレムさん、折紙先輩、ドラゴンキッド、ブルーローズさん。
そして最後にロックバイソンさんの言葉で僕の嫌な予感がものの見事に的中してしまった。


せっかくのとのクリスマス本番。
二人っきりで楽しく、そして甘く過ごせるはずだったのに
どうして僕は今日という今日がツイていないのだろう・・・と考えたが
多分此処に来るまでの数十日間、に辛い思いや寂しい思いをさせていたバチが当たったに違いない。








「バニー・・・どうする?」








は困った表情で僕を見上げる。

僕がこれを断れば多分、不幸な事は更に続くに違いない。
流石に、全員集合の挙句僕の部屋で(のための)クリスマスパーティをやる時点で
僕にとっては不幸というか不運と呼ぶしかない気がしていた。


これ以上の物が続けば本気で心が折れてしまいそうなレベルだ。







「もういいです。皆でやりましょう、上がってください」







此処は素直に全員を招き入れるしかないだろう、と深い溜息を零しながらも
全員を部屋に上げることにした。

いい具合に雰囲気をぶち壊され
プレゼントを渡すタイミングも考え直さなければならなくなった。


や他のヒーローの皆は先に上がり、部屋へと向かわせた。






「わ、悪ぃなバニー・・・その、俺がもうちょっと説得しとけば良かったんだけどな」







エレベーターが降りてくるのを待っている間
虎徹さんが僕に話しかけてきた。

僕はそんな虎徹さんの言葉にため息を零す。





「説得力不足です。僕は貴方の言いつけを守る予定だったんですよ?
今日はをうんと甘やかせるって決めていたのに。雰囲気がぶち壊しです。此処に来るまで楽しかったのに」


「悪かったって」


「悪いと思うなら今すぐあの人達を連れて帰ってください。僕はと楽しむために今日の予定を空けたんですから」


「いや、でもなあいつ等もがどんな風にクリスマス過ごしてたかってのを
ブルーローズから聞いてるからさぁ」


「僕もあの場に居ました。そういう役目をするのは僕が一番適任だと思わなかったんですか?
というか、誰もがそう一番に思うはずでしょう?ホント虎徹さんは押しに弱いというか、言葉が足らないというか」



「だから悪かったって。あ、荷物一個持つぞ」



「結構です。おじさんの貴方に荷物を持ってもらう筋合いはないですから」



「バニー・・・お前、機嫌悪くない?」



「別に」






そう言うとエレベーターが1階に到着し、2人で乗り込み部屋の階の番号を押した。


誰のせいで・・・と、言葉を漏らしそうだったが
これ以上虎徹さんに八つ当たりしても、余計至らないバチが当たりそうだからやめる事にした。

それにこの中には、にあげるためのプレゼントも入っている。
下手に他人の手にその荷物を委ねたりなんかしたら、雰囲気どころか渡すタイミングすら無くなる。
この荷物だけは何としてでも死守しなければ。




部屋に着いて、リビングに向かうと
全員がテーブルの横に立っていたクリスマスツリーを眺めていた。





「これ全部さん1人でやったの?」


「うん、そうだよ」


「相変わらずプロ顔負けレベルね」


「そんな事無いって」




が1人で飾り付けをしたクリスマスツリーに僕以外の誰もが感嘆の声を上げていた。
その傍らでが何だか照れたような表情をする。








「じゃあ頑張ったお嬢に・・・ファイヤーサンタからプレゼントよ。昨日渡しそびれちゃったけど」


「え?」


「ちょっとファイヤーエンブレムだけズルい!私もあるんだからね


「カリーナ」







するとファイヤーエンブレムさんとブルーローズさんが、何処からともなく綺麗な箱を取り出し
クリスマスツリーの下に置いていく。

それを皮切りに―――――。








「あ!僕もあるよー!昨日渡せずにごめんねさん」

「ぼ、僕もあります!さんにはあの日助けてもらったお礼です!」


「パオリン、イワンさん」






次々と。






「アニエスさんのプレゼント選び手伝ってもらったしな、俺はその礼だ」

「あの日はジョンが失礼なことをした。申し訳ない。これはお詫びだよ君!」



「アントニオさん、キースさん」







クリスマスツリーの下が、プレゼントで埋まっていった。





はプレゼントで埋まったツリーを見て、かすかに涙を浮かべながら
皆に「ありがとうございます」と満面の笑みで言った。



彼女は天使の様な微笑みを振りまいている一方で
僕は完全にやり場を失った。

まだ渡してもいないければむしろ、ツリーの下に置く展開は僕も用意していたシチュエーションだった。








「本気で今、この人達を能力使って窓から突き落としたいです」


「バニー・・・ホントごめん」







見事に全てのことに先を越され、完全に僕は渡すシチュエーションすら失った。






それから皆で準備をしたりして
夕方にはパーティを開始し、騒がしい街と同じような空気が流れていた。

もそんな中で同じように笑って楽しく過ごしていた。
僕はその姿を目に入れるだけでホッとしている反面
2人で過ごしたかったという気持ちを引きずっていた。






日も暮れ、パーティの開始時間が早かったせいもあったのか
リビングの騒がしい声はいつの間にか、寝息やいびきに変わり宴は終宴を迎えていた。



僕は寝室に行き、1人ワイングラスを傾けながら
窓の外の風景を眺めていた。

ある意味もう自棄酒混じりで、飲んでいる。
買ってきたロゼも1人で1本飲み干す予定ではあった、だがそれはと二人っきりでの事。
彼女は彼女でシャンメリーを買っておいた。だから、お互い1本ずつ飲み干す前提での購入だったのだ。

でも・・・シャンメリーはさっきの宴で、開けられてしまい・・・もう残っていない。


と交わすはずだった、グラスも・・・結局は1人寂しく傾けることになったのが虚しい。



グラスに入ったモノを飲み干しため息を零す。
目線を枕元の方に向けると、其処に置いたへのクリスマスプレゼント。






「はぁ〜・・・もう、何か踏んだり蹴ったりだな」



「・・・バニー・・・起きてる?」



「・・・








すると寝室にが訪れた。

自動の扉が閉まり、間接照明の灯りでゆっくりと彼女がこちらに向かってくるのが分かった。








「良かった。起きてた」


「君こそ・・・寝たんじゃないんですか?」


「さっきまで軽く片付けしてたの。タイガーさんも起きてたから手伝ってもらった」


「す、すいません。部屋に引き篭って」


「うぅん、いいよ。それに頑張ったご褒美にタイガーさんからもプレゼント貰ったんだ」


「そ、そうですか。良かったですね」








虎徹さんも渡して、結局渡せていないのは、僕だけということか。








「あ、そうだ。バニーの分のケーキ。皆で食べる前に切っておいたのブッシュ・ド・ノエル」


「わざわざありがとうございます







するとはお皿に乗ったブッシュ・ド・ノエルを僕に渡してきた。

輪切りにされた大きな切り株の横にクリームが角を立て
切り株の上にはマジパンのサンタクロースが座っていた。






「じゃあバニー・・・乾杯しよ」


「え?でも、シャンメリーはパーティの時開けて」


「ムフフフ・・・こんな事もあろうかと、もう1本小さいの買っておいたの」






は誇らしげに小さいサイズのシャンメリーを出して瓶のフタを開けた。
自分でグラスに注ごうとした彼女の手から瓶を取り、優しくグラスの中に注ぎ入れる。


飲んでいたロゼのグラスをの目の前に差し出すと、彼女も分かったのかグラスを差し出す。






「メリークリスマス、


「メリークリスマス、バニー」






グラスを軽く重ね合わせ、中に入った飲み物を飲む。

飲み終えるとは窓の外の風景を見る。







「綺麗だね」


「えぇ」


「何か宝石みたい。キラキラしてて」






床に座って外を見て微笑む


僕ももっと、君という宝石も・・・輝かせたい。


だから・・・その為に、用意したんだ。





「・・・



「ん?」



「コレ・・・僕から君へ」



「え?」





枕元に置いていた袋をの前に差し出す。
は驚きながらグラスを床に置き、袋を受け取った。





「バニー・・・コレ」



「クリスマスプレゼントです。本当は昨日渡す予定だったんですけど・・・すいません、今日一番最後になっちゃいましたね」



「バニー。・・・わ、私もちょっと待ってて」







すると、は寝室を飛び出していったがものの数秒で戻ってきた。
手には可愛らしい箱を持って。







「はい、私からも」



「ありがとうございます。中開けても?」



「いいよ。私も開けてもいい?」



「えぇどうぞ」








お互いクリスマスプレゼントを開ける。



から貰った初めてのクリスマスプレゼント。
可愛らしい箱を開けて中を見てみると
とても綺麗なスノードームが入っていた。

ほんの少し揺らせば、中で雪が舞うように降り注ぎ、そして積もっていた。




「子供っぽかった?」


「いいえ。とても綺麗です・・・明日からテーブルに飾っておきますね」


「良かった。あのね、バニーにね、知ってて欲しかったの」


「え?」





知ってて欲しかった?

一体、何を?







「この世界には、美しく綺麗な物がありふれているって事を。
決して、暗く淀んだものばかりじゃないんだよって。私は貴方にそれを教えたくて・・・」










彼女の言葉を聞いて、再び手に置いたスノードームを見る。
その通りと言うべきか・・・本当に、手のひらに美しく綺麗なものが存在する。


もちろん、手のひらだけじゃなく・・・それは僕の側に居る、大切な人にも言えること。



僕は笑みを浮かべながらを見る。





「中身開けましたか?」


「う、うん。いいの?こんな高そうなもの私が貰って」


「いいんですよ。というか、僕が贈りたかったものですから」







僕はそっとの手からネックレスを取り、彼女の首に優しく掛けた。
掛け終わるとそのまま後ろからを抱きしめた。




「あの・・・


「ん?何?」


「来年・・・クリスマスツリー、ちょっと大きいサイズのにしてみませんか?」


「え?」


「やっぱり、何だか・・・小さいのは勿体無くて」






僕はを後ろから抱きしめたままツリーの事を言ってみた。

朝、言いかけた言葉だった。言わなくてもいいように思えたけど、でも言わないままで居たら
何だか胸の中でモヤモヤとした気持ちが残ってしまいそうになる。
そして何度も何度も、僕の脳裏をの泣いている姿が過ぎってきそうで、怖い。






「バニー・・・ツリーやっぱり大きいのが良かった?」


「そういう訳じゃないですけど・・・小さいツリーに、あの飾り付けは勿体無いです。
別にアレがダメって訳じゃないですよ、アレでも十分すぎるくらい綺麗です。でも来年は
大きな樅の木に、飾り付けをいっぱいしてください・・・僕も手伝いますから」







次こそは、来年こそは、君と一緒に飾り付けをしたい。

今年出来なかったことを、来年は必ずしよう。



そしてもう一度、大きな星を一緒に・・・








「じゃあ、来年はおっきいのね」


「よろしくお願いしますね
それと来年こそは二人っきりで過ごしましょう、イブもクリスマスも」




そう言いながら僕はを抱きしめる力を強めた。




「バ、バニー?」



「今年の二人っきりのクリスマスは台無しになりましたけど
今から一晩中、僕はを独占してもいいですよね?」



「ねぇ、バニーもしかして・・・酔ってる?」



「そうかもしれませんが・・・ねぇ、
君を今から独占しても、いいんですか?それともダメなんですか?」









早くこの腕の中に、収めたい。


一番温かで、そして美しく綺麗な・・・僕の、僕だけの-天使-。




耳に熱く言葉混じりの吐息を吹きかけ、肌を密着させる。
それだけでの体から熱を感じる。





此処からは甘く蕩けるような時間を朝まで、君と二人で感じ合いたい。








「バニーにプレゼント貰って・・・独占されるのは、贅沢過ぎない?」



「たまにはいいじゃないですか、こういう贅沢も。クリスマスですし、神様は許してくれます」



「そうだね」



「声は、抑えてくださいね。皆、起きちゃいますから」



「・・・ぅん」







小さな愛らしい返事が聞こえ
彼女をベッドの波の中へと誘うのだった。







果ての月。

きみと、終夜(よもすがら)。


一晩中、飽きること無く・・・その体に、その心に僕の愛を君に捧げましょう。








果ての月きみと終夜
(日が暮れて、朝になるまで君を愛していたい)


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