「ふぇー・・・此処が立海大付属高校かぁ〜」




4月。

中学2年での決意が実った。


私は進路を速攻で大阪府の高校から
府外の・・・しかも神奈川の、あのテニスでむっちゃ強くて有名な
立海大付属の高校に入学する事が出来た。



入学式。
私は、立海の制服に身を包み
正門の前で立海の学校名のプレートを眺めていた。






「関東って何でも金かけたがるねんなぁ〜・・・」





プレートの文字も何だか豪勢といか、気合が入ってて
校舎自体もデカイ。

此処が関東と関西の違いやな・・・なんて思た。






--------ドンッ!





プレートをじっと見てると、ぶつかり私はこけた。

しかも数人の女子。
更に言うなら、私に気づかんとそのまま
お喋りしたままどっかに去っていきよった。

まぁ今日が入学式やから、大体こないな所に居る人たちは皆新入生や。

ちゅうか謝りもせんのかい!
礼儀なってないなぁ・・・なんて、心の中で私はブツブツと呟いていた。






「大丈夫?」


「え?」




すると目の前に手を差し出す人。

私が顔を上げると、とても綺麗で優しい微笑を浮かべた男の子。
まるで女の子みたいな顔してるけど・・・制服、ズボンやし・・・男の子や。






「立てるかい?」


「え?・・・あぁ、どうも」






私はその子の手を握り、力強く引っ張られた。
その瞬間思わず「きゃっ!?」とか自分に似合わん声が出てもうたから
ちょっと恥ずかしくなり、立ち上がって口を塞いだ。

こんな細い腕してるのに、男の子って力どこに隠してんねん。






「あ、ゴメン・・・強く引っ張りすぎた、かな?」



「ぃ、ぃえ・・・おおきに」



「あれ?君関西の子?」


「っ!?」




更に私は自分の口を塞いだ。

ア、アカン・・・何かヘンな子とか思われたとちゃうん?
ちゅうか、既にちっちゃく「きゃっ?!」とか声出した時点で
アウトやんか・・・最悪や、入学早々から・・・私、墓穴堀まくり・・・っ!!!!





「フッ・・・ウフフフフ」


「え?」


「君、面白いね。関西の子って面白い子が多いって聞くけど、ホントみたいだ」


「そ、それに比べたら関東の子は冷たいな。ぶつかっても謝りもせぇへんねんから」


「そうだね、それは悪い所かもしれない。あ、君・・・怪我してない?」


「平気や・・・ありがとう・・・えーっと」





目の前にいる男の子にお礼を言おう思ったら
名前すら分からんから、ちょっと戸惑い気味で探りをいれた。

すると向こうは、ゆっくりと笑みを浮かべ――――。










「俺は幸村。幸村精市・・・君は?」


「ウチ・・・あ、やなくて・・・私は、言うねん。幸村君は中学も此処なん?」


「そうだよ。立海大付属中だったからある意味庭みたいなもんだ・・・よかったら案内するよ」


「ホンマに?幸村君優しいねんな・・・ありがとう」


「どういたしまして」












「幸村、そろそろ始まるぞ」

「あぁ」







すると、幸村君の後ろにものごっつ強面な人が現れた。
え?もしかして・・・あの子も同い年!?

老けすぎとちゃう?


と、心の中で言うてると後ろの人が私を睨んできた・・・こ、怖っ・・・!!


あんなん同い年でおったら怖いで!
ちゅうか同い年とちゃうやろ・・・絶対年ごまかしてるって!!







さん」


「え?・・・あっ、な・・・何?」







幸村君が後ろの老けてる男の子と話し終えると
男の子は其処を離れ、幸村君が私の方を見た。









「一緒に行こうか」


「え?」







突然の幸村君の発言に私は目が点になる。







「だって君、校舎のこととかよく知らないだろ?俺が居た方が何かといいし」


「せ、せやな・・・確かに。ほな、お願いしてもえぇかな?」


「もちろん。じゃあ体育館だね・・・行こう」


「う、うん!」





何や入学早々、感じのえぇ子と仲良くなった・・・しかも男の子や。
このまま一気に・・・なんて、片想いしてもうたら・・・前みたいにまた痛い目見るんやろうなぁ。



白石君のこと、ホンマに私、好きやったし。



彼を吹っ切るため・・・高校も家も、関西から離れてお母ちゃんの親戚のお家で下宿。
立海に通う決めたのは自分やし、此処でえぇ男見つけて
幸せになりたいって決めたのも・・・自分。



誰かを好きになるのは勝手やったけど・・・いっぺん、あぁいう苦い想いすると結構後々引きずるんやなぁって
今更ながらそう思た。






さん・・・どうか、した?」


「え?・・・あ、うぅん・・・何でもない気にせんといて幸村君。ほら、早よ行こう!」


「うん」








幸村君は・・・きっとえぇ友達になれる。



気づいたんや、私。


きっと、もう誰かを好きになったらアカンねん。
好きになってしもたら・・・また、苦しむの・・・自分だけやし
幸せ得ようなんてもう・・・考えん方が・・・えぇのかもしれへんわ。









ホンマは私はアマリリスみたいな子や



表向き、気ぃ強ぉ見せてるだけで・・・ホンマは、心のどこかで怯えてんねん。

誰かを好きになってしまい、傷つく自分に怯えてる。


そう、私は・・・アマリリス。







心に咲いたアマリリス
(花言葉は内気な少女。本当は傷つくのを恐れ怯える気の弱い女の子)

inserted by FC2 system

PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル