「なぁ」
「何?」
年が明ける30分前。
0時になって、少ししたらちょっと大きめな神社に
除夜の鐘を叩きに行こうとか明日の初詣とか2人で話しているときだった。
大体の部分、話し終えて
私が一口あったかいカフェオレを飲んでいるときに
蔵が私に問いかけてきた。
「年越しえっちせぇへん?」
「ごふっ!?・・・ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ!!」
「、大丈夫か?」
「大丈夫じゃないわよバカ!!」
蔵の発言に私は飲んでいたカフェオレでむせた。
顔を真っ赤にして、彼に向かって罵声を浴びせる。
大丈夫か?・・・じゃないわよ!!
もうすぐで新年だというのに、この男は・・・っ。
「イヤよ。そんな・・・年越しに・・・え・・・えっち・・・とか」
「えー・・・でも何かえぇやん。ちゅうか一度でえぇからしてみたいんやけど」
「よそ行け」
「やないと俺はイヤや。なぁ〜・・・今回だけ!なぁ、なぁ〜」
そう言って、まるで小さな子供のように
私の腕を掴んでおねだりでもするかのように迫ってきた。
ちょっ、でかい図体で擦り寄ってこないでよ!!
なんて思っているのだが、どうにかしたい・・・だが、一向に言葉が止まない。
年越しまであと30分。
30分・・・30分・・・・・・。
私はため息を零す。
「年明けるまでよ」
「え!?ホンマ!?ホンマに俺の夢叶えてくれるん!?」
私が了承すると蔵の顔が綻ぶ。
「気持ち悪い夢持たないでよ。年明けたらやめて、除夜の鐘たたきに行くからね」
「おん。やっぱり好きや、で!」
「きゃっ!?ちょっ、ちょっと!?」
すると、突然蔵が私を抱きかかえベッドへと強制送還。
私をベッドへと沈ませ、上に覆いかぶさる。
あぁ、もうこれは逃げ道がない。
下から見る蔵の顔・・・さっきの顔とは大違い・・・色っぽくて、妖しい表情。
「これで、今年のえっち納めやんな」
「ムード考えろエロ関西人っ、今すぐやめるわよ」
「そらアカン。ほんなら、俺の今年最後の愛たっぷり受け取ってや」
そう言って、蔵の体が落ちてきた。
「んっ・・・あっ・・・やっ、やぁっ!く、蔵ぁ・・・ひゃぁっ」
「今年最後も、えぇ感じやで・・・」
キスされて、体を愛撫されて、脳内を溶かされ気づいたら・・・・・・・蔵が私のナカに入ってきていた。
蔵が動くたびに、ナカで擦れ合う感触に
思わず甘い声が口から漏れてしまう。
「イヤ、言うてた割りに・・・めっちゃ感じてるやんか」
「ち、違っ・・・感じてなんかっ・・・んっ、あぅ!蔵ッ・・・やっ、あぁん!」
「ホンマにイヤなん?えぇの間違いやろ?」
蔵はクスクスと笑みを浮かべながら、腰を動かして
私のナカを引っ掻き回す。
そのたびに体中が彼を求めることだけに集中してしまう。
私は口だけで何とか抵抗するけれど
蔵には、それが手に取るように分かっている・・・。
でも、私が正直に言わない事くらい・・・彼は知ってる。
正直に言わないから・・・蔵は、快楽の底まで私を攻め立てる。
「ふぁあっ!!蔵ッ、く、らっ・・・やっ、そんなっ・・・激しく、しちゃ・・・ぁあぁ、ぁン!」
「お嬢様は、前から激しいのお好きやろ?特に、ココとか!」
「ひゃぁあっん!!」
瞬間、蔵が私の性感帯を攻め始めた。
私が感じる部分だと知って、蔵は其処をあえて攻め始めて来たのだ。
思わず私は盛大に・・・彼にとっての好物な嬌声が出てしまった。
「んんーっ、えぇ声やんなぁ。ココ好きやもんなぁ、」
「んっ、ああっ・・・やっ、蔵っ・・・そこ、イヤッ!・・・あっ、あぁん・・・やだぁあ!」
「やだ?ウソやろ・・・ココ攻めるたびに・・・」
「俺のこと、きゅうきゅう締め付けてるクセに・・・。ホンマ可愛えぇ締め付け方するんやからお嬢様」
耳元で低く囁かれ、思わず体がゾクッとした。
それでナカも彼の昂りを緩く締め付け、蔵の鼻で笑う音が聞こえた。
「言うた側から、・・・締め付けたな」
「違っ・・・うっぁ・・・あっ・・・ばかぁ・・・あっ・・・んん」
「バカは傷つく言うてるやん。せめて、アホって言うて欲しいわ」
「あっ、やっ・・・きゃあっ!?」
瞬間、蔵が私の体を起こし、向かい合い座った体勢になる。
彼の肩に私は無意識に手を置く。
やだ・・・蔵の顔が・・・近いよ。
両手が彼の肩に置いて、それで体を支えているから・・・顔見られちゃう。
私は思わず目を閉じた。
すると、頬に優しく蔵の唇が触れる・・・いやらしいリップ音が耳に聞こえてくる。
「・・・目ぇ開け」
「やっ、やだぁ・・・恥ずかしいっ」
「えぇやん。俺らしかこの部屋居らんし・・・恥ずかしがる事ないやんか」
「ヘンになる・・・もん。やだぁっ・・・」
「俺はそういうも見たいねん。せやから開けて」
それでも私は首を横に振る。
こんな私やっぱり見られたくない。
「まったく、お嬢様はわがままやなぁ。まぁそういう好きやで」
「えっ、あっ・・・ぃああっ!!あんっ、蔵っ・・・いきなりっ、やだぁあ!!」
途端、蔵が激しく私を揺さぶる。
思わず私は蔵に抱きついて、甘い声が出てくる。
さっきよりも、下の部分が激しい卑猥な音が聞こえる。
「あぁっ、く、らぁあ!・・・あっ、やっ・・・ナカっ・・・ヘンに、掻き回さないでっ!!あァンん!」
「ん?こうやって、グチャグチャにしてほしんとちゃうん?・・・ちゅうか・・・」
「もう、ナカ・・・グチャグチャやもんなぁ・・・俺らの、何回混ざってるか分からんし」
蔵はクスクスと笑いながら私の腰を揺さぶって、打ちつけてくる。
そう、その・・・と、年越しえっちを始めて何分か・・・既に
片指半分か、3本は折れてる回数くらいしている。
正直私本人はへとへとなのに、蔵は全然元気。
むしろ、「が俺を煽るのがアカンねん」とか言い出して
やめようとしない。
やめてって口から出るけど・・・その言葉は全部、蔵の言葉によって掻き消される。
生温かい液が私のナカで混ざり合って
卑猥な音が、回数を増すごとにどんどんに変わっていく。
潤滑材を兼ねたそれらは
もう、彼の動きを止めることすらしてくれない。
だから私は延々、彼からの愛情を受け止めて喘ぐことしかできないのだ。
「はっ・・・あっ、あぁっ・・・く、蔵ぁあっ・・・あ、もっ、もぅ、やめっ・・・ぁン」
「まだや。俺まだ、イってない・・・あとちょっと、な」
「やっ、やだって!あっ、ひゃっ・・・も、やだぁっ・・・蔵っ、あっ・・・あふっ」
私が延々「やだ」だの「いや」だの言い続けたところ蔵にはお構いなし。
本当に、甘やかしたり、隙を見せたりしたらこうなる。
私は彼の肩に顔を埋めて、少し息苦しくなり
顔をあげ、蔵の肩に顎を置いた。
「・・・・あっ・・・あぁ・・」
「ん?・・・どないした、?もう、イキそうなん?」
「0時、過ぎてる」
「え?!」
蔵の肩越しで見てしまった。
机に置いた置時計の長針と短針の針の位置を。
0時30分。
思いっきり、年越し30分オーバー。
蔵も腕に嵌めていた自分のデジタル時計を見る。
「ホンマや・・・過ぎてる、な」
「ばっ、バカ蔵っ!30分って約束っ・・・」
「えっ、やっ・・・せやかて、が・・・可愛えぇから、止められへんかったし」
「そんなの、理由にならないっ!・・・やだっ、もう、離して!!離しなさいよ!!」
私は半ば泣きじゃくりながら、蔵の両肩を叩く。
だって、だってよ!
皆さんみてたでしょ!?30分って約束だった!!
それだというのに、ものの見事に30分もオーバーしてて。
私の計画してたのが丸潰れじゃない!!
「蔵、離しっ・・・離してってばっ!約束オーバーしてんだからっ」
「アカン」
「やだっ、離してよ!」
「も同罪や」
「何でそうなるのよ!!」
快楽で零れていた涙が、本気の涙に変わってポロポロと零れる。
両肩を叩いて「離して」と懇願するも、蔵は何故か離してくれない。
むしろ何ゆえ私がこんなヤツと同罪なのか分からない。
目の下にたくさんの涙を溜めて、蔵を睨みつける。
すると、そっと彼の包帯の巻かれた左手が私の頬に触れられ
親指で目の下の涙を拭う。
「ゎ、私・・・違うっ」
「いいや、同罪や。気づかへんかった俺も悪いけど・・・も気ぃつかんかったやろ?」
「そ、それは・・・っ」
「俺だけ咎めるっちゅうのは、ちょっとお門違いとちゃいますかお嬢様?」
「・・・・・・」
蔵の言葉に私は何も言えなくなった。
確かに・・・30分という、時間・・・気づかなかった私も十分に悪い。
それを言われてしまえば、蔵だけを咎めるのは確かにお門違いだ。
「ごめん、なさい」
「分かればえぇんや」
素直に自分の否を認めると
蔵が優しく、軽くキスをしてくれた。
深いキスではない、本当に触れ合う程度の可愛いキス。
でも「ちゅっ」とか可愛らしいリップ音が聞こえたから
私は思わず肩をビクっと動かしてしまった。
「ほな、お仕置きと罪滅ぼしや」
「え?・・・あっ、やっ・・・ひゃぁぁああ!!!」
軽いキスが終わると、蔵は私を見上げて妖しい笑みを浮かべ
少し浮かび上がっていた私の腰を掴んで、そのまま降ろした・・・そう、ナカはまだ繋がったまま。
繋がったまま、しかし、私の腰が上がっていたから
蔵はそれをただ元の位置というか、再び私のナカに入り込んできたのだ。
しかも、中途半端で・・・蔵は私の腰を執拗に動かし
内壁を自分の昂りとで擦れ合わせていく。
「あっ、あぁっ、く、くらぁ・・・はっ、あぅ・・・なっ、なん・・・あぁあん!!」
「年越しえっち通り越してしもたし、このまま続行や」
「えっ、ぁン・・・やっ、やだっ、あふっ・・・やぁあっ、あっ、ぁあ!」
「それにこれはお仕置きや。俺にばっかり罪着せて・・・新年早々悪い子やなぁ。
罰としてこのまま続行。んで・・・罪、滅ぼしは・・・30分オーバーさせてしもた、俺からの愛の謝罪やで」
「ばっ、バカぁあ・・・ふあぁっ、ああ!!」
深く、ふかく、蔵が私のナカに入り込んでくる。
口では拒むのに、体が彼を・・・蔵を正直に欲している。
ナカで引っ掻き回された体液がいやらしさを増して・・・耳を犯していく。
「ホレ・・・、気持ちえぇんやろ?ん?」
「ちっが、そんなっ・・・」
「素直に、言わんと・・・このままやめてまうで」
「やっ、やだぁっ!・・・・・・ぁっ」
しまった。
私の言葉に、蔵の口端が上がる。
その表情で顔が赤くなる・・・いや、恥ずかしさでも十分に赤くなるほどだ。
「ようやっと、堪忍したか」
「ぅ・・・」
「ホンマに、お嬢様は・・・強情っぱりやんなぁ」
「うぁあっ、あっ・・・く、らっ・・・あっ、や・・・ぁあっ、壊れちゃうぅ!!」
「大丈夫やって。俺、いつも優しいやろ?・・・・程ほどに壊したるわ」
そう言いながら、蔵が律動のスピードを上げていく。
こんなに速くされたら・・・感じて・・・口から・・・――――。
「あぁっ、あふ・・・気持ち、ぃい!・・・蔵っ、あっ、ああっ、気持ちイイ!」
「やっと言うたな。・・・まぁ気持ちえぇのは、当たり前やろ?のこと
隅々まで知ってんのは、俺だけやからなぁ。もちろん、自分の感じるところ・・・全部な」
「はぅっ・・あっ、く、くらぁ・・・あっ、やっ、あぁあん!」
「えぇ声やで、」
蔵は少し笑いながら私の唇に自分の唇を重ね
さらには舌で口の中を暴れまわる。
舌のザラリとした感触が、背筋に電撃を走らせる。
しばらく、キスをして離れると唾液の糸がベッドに垂れ落ちる。
キスが終わると私と蔵は見つめあった。
こげ茶色の眼差しが私を突き刺してくる。
「、可愛えぇ」
「・・・っ」
見つめられ、笑顔で言われたその言葉にドキッとして、顔が赤くなる。
「可愛えぇから、早よう・・・壊したなるわ」
「え?・・・あっ、ぁぁあああ!!く、蔵っ、あぁん!!」
止めていた律動がまた始まる。
止まっていた快楽が押し寄せてくる。
私は蔵にしがみついて、彼の私へと打ち付けてくる愛に喘ぐしかない。
もう頭が真っ白で・・・何も・・・考えたくない。
「あっ、あぁあっ、蔵、く、ら・・・気持ちイィ!・・・気持ち、イイ・・・あぁん、はぅ!!
ダメッ、そんなに激しくは・・・イく・・・イッちゃうぅ!!」
「俺もイキそうや。・・・出すぞ」
「やっ、あっ・・・ダメッ・・・ナカは、ナカはだめぇえっ!!もう、ナカに出しちゃだめぇえ!!」
「却下。ものごっつ奥行くで」
蔵がそう言うと、腰を深く沈められ・・・最奥に、蔵の熱の塊が当たり・・・――――。
「んっ!?・・・・あっ、っ!!」
「あっぁあっ、――――あぁぁあぁあああああ!!!」
数回と混ざり合った彼の体液が、今までのモノよりも私のナカの最奥へと届く。
それを受け止めた私は果てたし、もちろん
己の体液を私のナカへと吐露した彼も同時に果てた。
未だにナカでドクドクと脈を打っている・・・蔵のアレが。
コイツ・・・何処まで元気なのよ。
というか、ナカが・・・キモチワルイ。
「、顔見せて」
私はしがみついていた体を離し、蔵と目線を合わせる。
目の前の彼は汗を顔から伝わせて色っぽい。
微笑むだけで、ちょっとヤバイんですけど・・・なんて言わない。
すると、蔵の手が私の頬をそっと撫でる。
「あけましておめでとうさん」
此処で、それを言うか。
私はため息を零して―――――。
「あけまして、おめでとう」
と答えた。
「ほんなら、とりあえず・・・風呂行くか?ナカ気持ち悪いやろ?」
「当たり前よ。抱っこしていきなさいよ・・・アンタのおかげで腰痛いんだから」
「そらすまんかったわ。ほんなら、風呂にとりあえず入るところからやなまず」
そう言ってようやく解放されたと私は安堵した。
が、その安堵はものの数分で打ち破られた。
蔵に抱きかかえられながらお風呂に向かうも、やはりアイツは盛りの付いた犬だ。
お風呂の意味もなく、そこでも求められ
上がったかと思えば、更に求められる・・・。
新年から、予定は狂いっぱなしである。
(もう少しマシな迎え方はないのか!?)