「ねぇ」
「ん〜何や?」
とあるお昼時。
本日2人は屋上でお弁当タイム。
は一通り食事を済ませ
同じく白石も食べ終わり、紙パックのジュースを飲みながら
月刊のテニス雑誌を見ていた。
そんな中、彼女が声を出し
白石も返した。
「心斎橋行っていい?」
「ブッ?!・・・ゴホ、ゴホ、ゴホ!」
の発言で白石は思わず
紙パックを握りつぶし、むせ返った。
「大丈夫?」
「あぁ。・・・てか、今何て言うた?」
「心斎橋行っていいって聞いたの。クラスの子が大阪案内するから
心斎橋で待ち合わせしようって・・・それで、道頓堀川の・・・」
「アカン」
「え?」
の言葉を遮るように白石は拒否の言葉を発した。
「何で?」
「あそこは自分みたいな子が行く場所とちゃう。待ち合わせ場所なら他にせぇって言うとけ」
「でも、其処のほうが目立つからって」
「アーカーン。絶対心斎橋に行ったらアカン」
「だから、何でよ」
「そ・・・それは・・・」
の問い詰めに白石は言葉を詰まらせた。
まっすぐと見つめる眼差しを逸らすように
白石は目線を空へと飛ばした。
「アカンものは・・・アカンねや」
「私の目を見て言いなさいよ。それとも何?・・・心斎橋に行っちゃ、あんたの都合でも悪いの?」
「そ、それは・・・。とにかく!心斎橋には行ったらアカン!!俺がそいつ等に言うから誰や、名前教え」
「いーや!邪魔しに来る気?じゃあ尚更よ・・・アンタになんか教えるもんですか!」
そう言っては其処を立ち上がり、お怒り状態で白石の側を離れる。
「あ、コラ待ちぃっ!」
「蔵のバーカ!」
万里はそう白石に言い放ち、屋上を後にした。
一方の白石はというと・・・・・・。
「ホンマ、行くなや。変に声かけられたらどないすんねん・・・・・・まったく」
そう呟くのだった。
(何で俺の気持ち、分からんねん!)