「何で俺がお前らの買い物に付きあわなアカンねん」
「えーやん、えーやん。堅い事気にすんなや」
白石のふて腐れた言葉に、謙也がすぐさま返した。
白石、謙也、ユウジ、小春、光、金太郎の男6人で
何故か心斎橋に来ていた。
「なー、たこ焼き食べたい〜」
「アカン。先に買い物済ませてからな・・・んで、買い物って何や?」
金太郎のたこ焼き食べたいボイスに
白石はばっさりと切り捨て、先に買い物を済ませてからと促し
謙也たちに買い物の内容を聞く。
「えーっと・・・・・な、何やったけユウジ?」
「え?!・・・あ・・・あぁ・・・何やったけ光?」
「何で僕に聞くんです?僕荷物持ちで付き合わされてるだけですよ」
「セコ!自分だけ上手く逃げんなや!後輩なんやからフォローくらいせぇ!」
「ユウくん!」
「あっ」
「ユウジのアホ」
小春の言葉でユウジは我に返り、全員白石を見る。
白石の表情は何やら笑顔なのだが、目は完璧に笑っていない。
「どういう意味や?お前ら」
「こ、コレにはな・・・ふか〜いワケが」
「どういうワケや、謙也ぁ?ん?」
胸倉を笑顔で掴む白石に謙也は圧倒される。
此処で変なことを口走ってしまえば、自分達が考えている事がダメになってしまう。
「あー!ねーちゃんやぁ!」
すると、金太郎が橋の方向を見て声を上げる。
「蔵リン、ちゃんやって!」
「居るで、白石」
「早よぉ、忍足先輩離して、向こう見たらどうですか?」
「お前ら、俺を嵌めたつもり」
「なぁ、あの兄ちゃんたち・・・ねーちゃんの知り合いなん?」
『は?』
金太郎の言葉に、白石以外が橋のほうに視線を移す。
すると、3人の男に絡まれている彼女の姿を見つけた。
「なっ!?何してん、アイツ!!」
「毒舌はどないしたんや?!いつもならあんなんアイツの毒舌やったら一発やろ」
白石が気になりそちらに視線を移すと、男に囲まれて
困惑しているの姿が映った。
謙也も胸倉を掴まれながらも、の普段の言葉遣いを口にした。
「コレもお前の計画のウチか?」
「此処でああいうのは日常茶飯事や。大抵予想はしとったが、3人は予想外や!」
謙也の言葉に、白石は胸倉から手を放し
5人よりも少し前に居る金太郎の肩を叩く。
「金ちゃん」
「何や、白石」
「あの兄ちゃんたち追っ払ったら・・・今度、たこ焼き5人前奢ったるわ」
「ワイ、10人前がえぇ」
「商売上手になったなぁ、お前。・・・しゃーない、10人前な。えぇで」
「よっしゃぁああ!!ほな行くでぇえ!!」
交渉が成立したのか
金太郎は食い物に目がくらみ、威勢の良い声をあげ
万里の元へと走っていった。
「ホンマ・・・手のかかるお嬢様やで」
そう呟きながら、白石も金太郎の後を追った。
(気になってしゃあないねん。好きな子、やからな)