<好きだからこそ、独占したい>


<好きだからこそ、離したくない>









その瞳に、映ってえぇんは・・・・・・俺だけでえぇねん。










「・・・何処、行ってたん?」


「蔵」






今日は一緒に帰る約束した。

それだというのに、教室に行くとの姿がなかった。
カバンはあった。

せやから、どっかに行ってるんやろうなぁとは思てた。


20分位して、は教室に戻ってきた。
俺はの机の椅子に座って、待ってた・・・そして、戻ってきた彼女に開口一番にそれを言い放つ。









「ど、何処って・・・何処でもいいじゃん。ゴメン、遅くなって・・・早く帰ろう」


「・・・俺の質問に答えーよ。何処行ってたん?」


「しょ、職員室よ。先生が話があるからって呼び出されてたの」






そう言っては自分の机の横に
掛けてあったカバンを取る。


瞬間・・・嗅覚が反応した。












「・・・千歳と居ったんか」


「え?」








俺がそう言うとは目を見開かせ驚く。






ビンゴや。





温かい独特な匂いが俺の鼻を刺激した。


それは千歳の匂い。

たまにしかアイツは部活に来んから、よぉ分かる。







「何で嘘ついたん?」


「・・・・・・」





「・・・・・・」


「答えーよ」


「・・・・・・」


「黙ってても分からんやろ!」







そう言って、俺はの頬を引っ叩いた。
甲高い、肌を叩く音が教室中に響く。

は、打たれた頬を押さえる。







「千歳と何してたんや」


「な、何も・・・してない」


「何もしてないんやったら何で早よぉ戻ってけぇへんねん。矛盾してるで


「・・・・・・・・・」


「もいっぺん言うで。千歳と・・・何してたん?」


「・・・・・・・・・」




それでも喋らんか。




イライラする。


が、他の男の所に行くのが嫌や。

が、他の男と話すのが嫌や。

が、他の男に笑顔を振りまくのが嫌や。


お前の瞳には、俺だけが映ってればえぇのに・・・・・・それなのに―――。








「何で、そうやって俺避けようとすんねん」



「蔵・・・違うっ・・別に、私・・・っ」



「避けてるやろ。視線も、声も、顔も、俺の全部に・・・、避けてるやん」



「違う、違うの!」



「何がちゃう言うねん!!」








俺は声を荒げ、の首に手を伸ばし
そのまま力を込め―――締める。








「く・・・らっ・・・あっ・・・かっは・・・・・はぁ・・・」


「俺が嫌いになったんやろ?せやから避けてんやろ?・・・アカンで、
俺から・・・俺から離れるなんて・・・認めん・・・認めんで」


「蔵っ・・・んっ・・・かは・・・ぁっ・・・あっ」


「他の男のところ行くなんて・・・俺は嫌や・・・お前は・・・お前は」





















「俺だけ見とけばえぇねん」









ずっと前からやった。


を好きになってから、ずっと。


の瞳に、俺以外の誰かが映ることが嫌やった。

が、俺以外の男のところに行くのも嫌やった。


それが

チームメイトだろうが

クラスメイトだろうが

後輩だろうが


の瞳に映る、全てのモノが憎たらしく・・・大っ嫌いやった。




いつしか、そんなを俺は




傷つけるようになった。




前は、あれほど愛しくて・・・傷つけたくないと思てた。
それなのに、今じゃあ・・・彼女を傷つけ、それが愛情になってしもた。





頬を何度も叩いて、仕舞いには・・・こうやって、首絞めて―――。





「お前の瞳には・・・俺だけ映ればえぇ。それ以外・・・絶対許さん・・・許さんぞ、



「く、らっ・・・あっ・・・苦しっ・・・苦しぃ・・・」



「!!」






瞬間、俺の手の力が緩む。


が苦しみだした。
俺は手の力を完全に抜けさせ、の首から手を離す。

途端、彼女はまるで背中を押されたかのように
膝から一気に落ちようとする。
が、俺は何とかそれを支え、腕の中に収めた。








「ゴホッ、ゴホッゴホッ・・・!」

・・・、スマン。スマン・・・力入れすぎた。苦しかったやろ?ゴメンな」







は咳き込みながら、首を横に振る。




ただ、やっぱり愛おしいことに変わりはない。

だから・・・どんなに傷つけても、どんなに首を絞めても

のことが愛おしい。








<好きだからこそ、傷つけて>








「ゴメンな・・・ゴメンな。俺・・・自分のことなったら・・・加減がよぉ分からん」


「だ・・・大丈夫・・・平気・・・っ」


「ホンマか?首、跡残りそうなくらい絞めたし・・・ゴメン、ゴメン


「謝ら・・なぃで・・・私も・・・ごめん、なさい」






が突然俺の腕の中で、謝罪の言葉を零す。






「私・・・蔵が好き。好きなの・・・蔵じゃなきゃヤダ」





「千歳に、好きって言われたけど。私、わたし・・・蔵じゃなきゃヤダ・・・ヤダよ!
私には蔵が必要なの!!・・・蔵じゃなきゃダメなの!!」









そう言っては俺に抱き付いてきた。

肩に温かいものを感じた。

―――泣いてるわ。







<好きだからこそ、泣くまで僕に縋りついて>








「蔵が・・・いいの。蔵じゃなきゃ・・・私、ヤダ・・・蔵が好きなの」


「俺、自分のこと・・・傷つけてばっかりやで。それでもえぇんか?」


「それでもいい。・・・貴方が側に居ない世界なんて・・・独りぼっちになるのと同じよ」


・・・っ!」








<好きだからこそ、僕だけを求めて欲しい>









俺はお前を傷つけるだけ、傷つけて

それでも愛しいと感じてしまう。



だって、俺にはお前が必要なんや。


俺以外の誰か求めるなんて、考えただけで死にそうや。

いや、おぞましくて・・・考えたくもないわ。









「好きやで、


「私も、蔵が好き」








熱い口付けを交わしながらも

お前をどう、傷つけて・・・愛してやろうかと考える俺はもうおかしいな。




傷つけるのは、愛情やで。

コレが俺の愛し方や。


いや、もう俺はにはこんな愛し方しかできんみたいや。







好きだからこそ、好きだからこそ。

好きだからこそ、好きだからこそ。





お前を傷つけ、愛していく俺。



あぁ、俺もう狂ってる。


お前を愛しすぎて・・・愛しすぎて

頭も何もかも・・・おかしなってんねん。



せやから、離れんといてな。


俺から離れたりしたら・・・今度こそお前のこと





























永遠に俺だけのモノにしそうで、怖いわ。









(愛は時に獣に喰われ、その行為異常な程。君をつけ君をする)

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