「へっくしょん!!」




「何や。風邪か?」






突然、が珍しくくしゃみをした。
俺はそれを耳に入れ、思わず彼女の顔を見た。


は、ティッシュを数枚取り鼻を拭く。







「違う・・・花粉症」


「へぇ、意外やなぁ〜。って花粉症とはご縁ないかと思てたんやけど」


「いつもならないわよ。今年は花粉飛びすぎてるらしくて、もうくしゃみ酷いの。
おまけに目まで痒いから正直もう顔ひどくて・・・」








そう言いながらは鼻をかむ。

まぁ花粉症言うたら、ある意味連鎖反応やからなぁ〜・・・。

くしゃみしたら、止まらんし、目なんてスゴイ赤ぉなるって。


ちゅうか、今のがそんなんやけど。








「薬とか飲まんの?」


「飲むけど、そんな早く効くわけないでしょ」







の言う事はごもっとも。


は鼻をすすりながら、目からは涙を浮かばせる。








「あー・・・もう、何とかならないのかしら・・・この花粉症」



「相手は自然やからなぁ」



「何とかしろ、植物バカ」



「お生憎と花粉を飛ばす植物は俺の分野外や。ちゅうか植物バカちゃうわ、そこは毒草バカやろ」



「あーもういい。分かったわかった」







俺の言葉に、はあからさまに「はいはい」的な受け流しの言葉。


しかしなぁ、困ってるわけやし
何かしてあげたほうがえぇんかなぁ〜とか思てんねんけど
花粉症とか、薬とかでしか治らんもんやし、俺がどう足掻いたって出来ひんしなぁ。



俺はため息を零しながら、雑誌を見る。





ふと、ある記事が目に止まった。









「あー・・・鼻水止まんない。・・・蔵、私薬飲んでくる」



「なぁ・・・・・・キスせぇへん?」



「は?」






俺の言葉に、が鼻声で素っ頓狂な声で返した。









「あ、アンタ・・・正気?」


「俺いたって真面目や」


「その発言する時点で真面目もクソもないわよ」


「えぇからキス、しようや」


「イヤ。私、花粉症の薬飲みに・・・って、きゃっ!?」







部屋を出て行こうするの腕を掴んで
俺はそのまま彼女をベッドへと押し倒した。









「蔵っ!何すんのよ!!」


「何って・・・キスするに決まってるやん。ベッドに押し倒したほうがえぇやろ?ムードあって」


「ふざけんな!まず考えろ!!何をどう考えてキスをしようとか言い出したの?!」


「それはな」







俺は笑みを浮かべながら、の頬に触れる。


うわ、結構目ぇ赤いやん。
泣いてるみたいで、ちょっとソソられたわ。







「キス、30分間すると花粉症が大分緩和されるんやと」


「ウソでしょそれ?」


「あほぉ。ちゃんと研究者が研究して出した結果やで!30分、キスすると花粉症とか
アレルギー反応を起こすヒスタミンの血中分泌が飛躍的に減少するらしいんや」


「へぇ〜」


「せやからキスしよ」


「却下」


「この状況でよぉ却下とか言えるな自分」







俺がそう言うとは顔を真っ赤にする。









逃げ場がない事くらい、分かってるはずやろ?




この状況で、拒否権なんて自分には存在せぇへんねんで?








「キスしたら、自分辛くなるの大分なくなると思て俺すんねんから」



「別に、頼んでない、し」



「でも顔では助けてって俺に言うてる」



「口から出任せやめてって、いつも・・・んっ!?」









の言葉を塞ぐように、俺はキスをした。





舌を絡ませ、唾液を混ぜ

痺れるほどの、熱い、あつい、アツイ、接吻(キス)。











「んぅ・・・はぅ・・・んんっ・・・く、はぅ、ら・・・ぁんぅ」











時々口端から零れる吐息混じりの声。


多分は「やめて」って言いたいんやろうけど
まぁ残念な事に、スイッチ入ってしもたからどうする事も出来ひんわ。


あんま、最初っから飛ばしすぎるのもアレやから
俺はゆっくりと、少し唇を啄ばみ離れた。


の目、花粉症で充血して泣いてるんか
俺がキスして苦しくて泣いたんか分からん・・・せやけど、むっちゃ色っぽい。







「はぁ・・・はぁ・・・く、蔵っ・・・・あん、た・・・っ」



「まだ1分や。あと29分はせなアカンなぁ



「お前・・・マジ死ね」



とキスしながら死ねるんやったらこの上ないエクスタシーやんなぁ」



「エクスタ死」



「おい。表記間違うとるやろ、そこ」







そう言いいながら、俺はの瞼にキスをした。






「ラクになったか?」


「知らないわよそんなの」


「まぁあと29分あるし、たっぷり30分キス漬けにしたるわ」


「い、いやよ!!ぜ、絶対イヤ!!」


「あ、もしかしてお嬢様」








ゆっくりと、の耳元に近づき――――。


























「キスしただけで、感じたんとちゃうん?」






「!!!」




耳元で囁くと、見る見るうちに赤くなる。






「何や、図星か」


「マジ死ね。エクスタ死しろ」


「せやから、字がちゃうやんか。まぁでも、さっきも言うたけどとめっちゃキスして死ねるんならマジそれでもえぇわ俺」


「さすが変態」


「悪いこと言うのお口、今すぐ塞いだるわ」


「も・・・・もう、か、勝手にすれば」








そう言うて、俺の唇は再び彼女の唇に吸い寄せられるように
熱い口づけを交わすのだった。


こんなんで、花粉症緩和できるんやったら
俺いくらでもするわ。







(花粉症緩和のため、キスの雨を降らせて、閉じ込めてあげる)

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