「夏祭り、行かへんか?」


『え?』








関西大会が終わり、後残すは全国大会のみ。


それまで少し時間があった。
全国大会前、練習も一段と激しくなる前に
俺はを夏祭りに誘った。


そういえば、去年も・・・誘ったよな。と
電話をしながらそんなことを思っとった。






そして、夏祭り当日。

今回は俺の家の近所の祭りではなく少し規模の大きい所。

相変わらず人の行き来は激しかった。
俺はそんな中が来るのを待っとった。


恋人同士になって、初めて・・・デートらしいことする。


前の関係でもそれなりにしてきた。
せやけど、こう・・・ちゃんと【恋人】っちゅう関係になってからは
一度もなかった。まだちょっと実感が沸かへん。





「・・・アカン、俺何緊張してんねやろ」




今までどおりにすればえぇのに、無駄に緊張してしまい
ポケットに突っ込んだ手に汗が滲んどった。


「いつもどおり、いつもどおりやで俺」と自分に言い聞かせ、を待った。








「白石やんか」


「へ?・・・おぉ、謙也。それに、小春にユウジに、光まで。・・・お前ら何してんねん」





ふと呼ばれ、俺は声の方に顔を向ける。
すると、其処には謙也に小春、ユウジ、光の4人がこっちに来よった。






「何って、息抜きですわ部長」


「たまには息抜きせな死ぬで、白石」


「せやで〜。アレ?蔵リン、一人なん?」





小春の声に俺は――――。




「いや、待ってんねん。約束の時間よりも俺が早よう来てしもたから待ってんねや」


「うわっ、デートかいな」

「あ〜ん、ロマンティックやなぁ」

「俺らも金ちゃん待ってんねん」

「多分、遠山のヤツドコかでたこ焼きでも食うてんのとちゃうんか?と思って探しに行こうって言うてたところなんですわ」




確かに、このメンバーに金ちゃん居らんかったらおかしいな。
食い物の事になると目ざといからな、あの小猿は。












「ねーちゃん、ありがとうなぁ〜」

「どういたしまして」

「ワイも謙也たちと祭り来たんやぁ」

「へぇ」






すると、人ごみの中から聞き覚えのある声。

俺はそれを聞き逃さず、顔を上げて
人ごみの中から探す。







「あ、白石やー!しーらーいしー!!」




すると金ちゃんが俺の姿を見つけるなり、嬉しそうに駆け寄ってくる。
おいおい、お前に俺は用はないで。




「あ、謙也たちも居る」


「遅いで金ちゃん」

「どうせお前、たこ焼き食うてたんやろ」

「ちゃ、ちゃう!道に迷って」




「たこ焼きやさんの前で、たこ焼きバカ食いしてる金ちゃんと遭遇して
お勘定が足りないからって言って私が出してあげたのよ。それで道に迷ってるから此処まで連れてきたの」




「あ、や」


「まぁちゃん可愛えぇなぁ〜」





人ごみの中からようやくが現れた。

しかも、浴衣姿。
俺・・・それ見ただけで、言葉ないわ。



めっちゃ綺麗や。



去年はピンク色の桜柄やったのに対し
今年は白の布地にピンク色の撫子柄の浴衣。

顔も、少し化粧してもらってるかも。

少し大人っぽくて、ホンマ俺口から言葉が出てけぇへん。







「白石、固まりすぎや」

「完璧に先輩に見惚れてますね、白石部長」

「あーキモいわ、白石」

「ホンマ、蔵リンしっかりしぃ」

「ねーちゃん綺麗やからなぁ〜。ワイ、一緒に歩いてて何やドキドキしたで」






「や、やかましいお前ら!金ちゃん、後でお前シバくぞ」


「い、嫌やっ!!」




外野の声に俺は我に返った。

み、見惚れて何が悪いねん!
しゃあないやろ・・・綺麗なんやから。






「ご、ゴメン遅くなって。去年よりも人がちょっと多くて」

「ぃ、いや・・・えぇて。誘ったんは俺やから、気ぃせんといてくれ」

「・・・ぅ、ぅん」





アカン・・・俺も緊張してるけど
も何や緊張してるように見える。

いつもどおりにしてるつもりなんやけど・・・ホンマ、ドキドキしてならん。









「お前ら何、初々しい恋人同士なことしてんねん」

「二人とも付き合ぅてもう1年ですよね?」

「1年も付き合ぅて、何照れてんねん」

「まるで”今日が初デートです“っちゅう空気漂ってるで蔵リンにちゃん」


「「!?」」







4人の言葉に、俺とは思わず肩が動いた。


せ、せやった・・・こいつ等居ったんやった。

今まで外見上【恋人同士】中身【恋人ごっこ】やった関係が
ようやく【恋人】っちゅうくくりに無事収まったのをこいつ等は知らん。


そして今日が、本物の恋人同士になって初めてのデートで・・・緊張せんほうがおかしい。


4人の言葉に、冷や汗さえも体に感じる。





「ホ、ホラ・・・いつでも、初々しく居たいねぇ〜って」

「せ、せや。目指すは万年新婚夫婦や」

「うん、流石に其処まで行きたくない」

「ちょっ。其処は”うん“とか答えてくれや」

「無理」

〜っ」




「あ、いつもどおりの掛け合いや」

「お前らが照れたりなんかするから、何かあったんやろ?とか思たわ」

「何かお互い照れたりしてると、逆に気持ち悪いですね」

「でも、えぇやん。初々しい気持ち忘れへんのは、えぇことやで〜」




何とかいつもどおり(?)な掛け合いが出来て、4人を納得させる。





「まぁ、お前等はせいぜいラブラブしとけ」

「お邪魔虫達は退散させてもらうでぇ〜」

「お前らと行動するつもりないしな」

「むしろラブラブされたら俺らがイライラするだけなんで、一緒に行動したないです」

「白石、ねーちゃんほななぁ〜!」




そう言って5人は人ごみの中に消えていきよった。
俺とはそれを見届けるなり、盛大なため息を零した。

しかも二人同時。

それを同時に行い、思わず顔を見合わせ笑った。





「ホンマ・・・危なかったで。、緊張しすぎ」

「蔵だって」

「せやかて、しゃあないやん。・・・・・・その、恋人同士になって・・・初めてやから、デートすんのは」

「・・・だよ、ね」



再び二人で照れ始める。

あーーもう、何やいつもどおりにせなアカンのに上手くいかれへん!
此処は彼氏として、を引っ張っていかな。





「ま、まぁ立ち話もなんやし・・・行こか。歩きながら話そうや」


「う、うん」


「手、繋いどこ」


「ぅん」



そう言って、差し出した左手には自分の手を重ねた。


去年も・・・同じ。
でも、関係はまったくちゃう。


<恋人ごっこ>やのうて<正真正銘恋人>っちゅうところだけが今は変わっとった。


















「それ買うたんか?去年のデザインとちゃうように思えるけど」

「え?・・・あぁうん」




しばらく屋台が並ぶ場所を歩きながら、と会話をする。



「去年は、お母さんの古いものだったからって。蔵と夏祭り行くって言ったら
新しいの買ってくれた。まぁ着物違って浴衣は安いから。お母さんも新しいの買って
お父さんと東京の花火大会に出掛けるときに着るって言って張り切ってたわ」


「へぇ〜のお母ちゃんらしいなぁ」


「ていうか、ゴメンね」


「え?」



すると、突然が俺に謝ってきた。
え?俺此処来て早々に何かしてしもたか!?と思た。




「な、何で急に謝んねん」


「いや、ホラ・・・だって、約束。かんざし付ける、約束したじゃん・・・去年」


「あ」




せや。
確かに去年の夏祭り。

俺はに、桜のかんざしをあげた。
そして「来年の夏、それをつけたを見たい」と俺は言うた。

せやけど、の髪は・・・まだセミロングのままで
髪の毛も去年同様、二つ結びのままやった。







「髪、伸びるの遅くて・・・ごめん」


「えぇて別に。それにあの時は・・・その・・・・・・」


「何?」





俺はと繋いでる手とは別の手で、頭を掻く。






「まだ、恋人ごっこ続けてる思て・・・ちゅうか、恋人ごっこのままかもしれんけど
その・・・俺から、離れんで欲しいとか思た・・・だけで。もちろん!
かんざし付けたも見たかったんは俺のワガママや。でも・・・付けんくても、ちゃんと付けてくれてるやん」


「え?・・・あっ」




俺がふと、帯のところに指を差した。


そう、は髪に付けれん代わりに帯に差してきてくれた。



薄いピンク色の帯に、ちょこんと差してある・・・銀色の桜のかんざし。





「気づいてたの?」


「当たり前やん。誰が自分にあげたと思てんねん」


「蔵」


「はい、当たり。せやから、髪ゆっくり伸ばし・・・ある程度伸びたら、それしてくれ。あの時はホンマ
恋人ごっこしてたとき言うた言葉で、あぁでもせな・・・自分と繋がりがなくなってまうような気ぃしてたから。
伸びてなくても・・・こうやって、してくれるだけで俺はえぇんや」


「蔵。・・・ありがとう」



俺の言葉に安堵したのか、は優しく微笑んだ。

あーもう、綺麗過ぎる!
浴衣効果絶大やな・・・ホンマ、コレでナンパされんかっただけでえぇで。

金ちゃんと遭遇させて、神さんおおきに!



と心の中で俺はそう呟いた。







しばらく二人で歩いて、リンゴ飴食べたり、綿飴食べたり
他愛もない話したり・・・あぁ、コレが恋人同士ちゅうんやなぁとか思てしもたけど。


それよりも何よりも、とずーっと一緒に居れると思たら

やっぱり、気分が上がる。

このままえぇムードに持って行って・・・お持ち帰り・・・・・・・・・って何考えてんねん俺っ!


と思わず心の中でツッコミを入れてると
隣に居るが「大丈夫、蔵?」と俺の顔を覗き込んでくるから
「平気や」とだけ答えた。


アカン、アカン。

こんな気持ち見られたらに「変態」と無表情で罵られそうやわ。






「さて・・・もう、えぇ頃やし。帰ろか、送っていくで」


「うん。・・・・・・あっ」


「どないした、?」



時間も大分過ぎ、人も少しずつ減り始めた。
あまり遅くまで付き合わせてまうと、のお父ちゃんとお母ちゃんが心配する。
そう俺は思い、彼女を家まで送る事にする(お持ち帰りはナシや)。

でも、何やらの動きが止まる。






「ない」


「え?」


「帯に差してたかんざしがない」


「えっ・・・あ、ホンマや」




来る前は帯にちゃんと差してあったかんざしが
忽然と其処から居なくなっとった。





「ど、どっかに落としたのかな」


「人多かったし・・・それで、落ちたのかもしれんな」


「わ、私探してくる!」


「アカン・・・、待っ」




俺の言葉を振り切るように、は俺の手から自分の手を離し
人ごみの中へと姿を消していった。




っ!」





後を追うように人ごみを行くも、彼女の姿が見当たらへん。



人ごみが減り始めたとはいえ、まだぎょうさん居る。
せやから強く握ってたんや・・・絶対離れんようにって。

人ごみに流されて、離れてまうかもしれんと思て・・・それやのに。






「あの、アホッ」





せっかく、せっかく・・・離ればなれにならんよう、結ばれたんに。


から離れて行ったような気になってしまい
俺は焦るように、人ごみの中を探す事にした。













「・・・ハァ、ハァ、ハァ・・・アイツ、何処居んねん・・・」




祭り会場をくまなく探した。
せやけど、は何処にも居らん。

携帯で場所を確認しようと試みるも
此処に居る人たちで、電波が見事に妨害されて繋がらん。


俺は人ごみ離れた場所にある木に手を置いて、呼吸を戻しとった。


・・・、何処おんねん。
何で離れたりしたんや。

離れんなって・・・離れんといてって・・・俺、おれ・・・・・・。







「おい、白石。どないしたんや、こないなところで」


「謙也。・・・それに、お前ら」






すると、最初に出くわした謙也たちが
手にぎょうさんの食い物や、景品持って其処に居った。


俺はすぐさま木から手を離し、近づき――――。





、見てないか?」


?・・・いや」


先輩、どないしはったんですか?」


「かんざし落としたかもしれん言うて、居なくなった。会場中探したんやけど見つからん」


「携帯は?」


「繋がらん。人がぎょうさんおって、電波が届かんへんねん」


「出入り口に居るんとちゃうん?」


「さっき行ったけど居らんかった。すまんが、探すの手伝ってくれんか?・・・頼むわ!」




俺は頭を下げ、謙也たちにを探してくれるよう頼む。

こうでもせんと、もうアイツは見つからんような気ぃする。





「しゃあないな」

「ホンマか!?」

「一人で探すより、大勢で探した方がまだえぇやろ。
ほな、俺と財前、小春とユウジ、白石と金ちゃんで手分けして探そうや」

「おう!ねーちゃん探すで白石!!」

「当たり前や。ちゃんと見ときや金ちゃん」





そう言ってバラけて、俺らはを探す事にした。


俺がもうちょっとしっかりしとけば、が手を離す事なんてなかったし
こないなことにもならんかったはずや。

俺のせいでもある・・・アイツが、が居らんくなったんわ。


けど・・・せやけど・・・・・・っ。




すると、突然ポケットに入れてた携帯がバイブで俺に何かを知らせる。

俺は立ち止まり、ポケットから携帯を出す。
外側のディスプレイに表示されたのは、小春。



「白石?どないしたん?」

「小春からや。・・・もしもし、小春」


俺はすぐさま携帯に出る。






『居ったで、ちゃん』


「ホンマか!?・・・今、何処や」


『焼きそば屋さんの隣に、石のベンチあるやろ?其処に居るわ。謙ちゃんや光ちゃんは近くやらかすぐこっちに来るって』


「分かった。俺らもすぐそっち行くわ」



携帯を閉じて、再びポケットに仕舞う。





「小春、何て?」


が見つかった。行くで金ちゃん」


「ホンマ!!早よう、早よう行こうや白石っ!!」


「分かったから、俺に付いて来ぃ」




俺と金ちゃんは小春が言うてた場所にすぐさま向かった。


俺らが其処に着いた頃には、小春やユウジだけやのぅて
謙也や光も其処に居った。

そして、石のベンチに―――――。





「・・・・・・



「・・・く、蔵っ」



が座っとった。

彼女は俺の姿を見るなり立ち上がり、俺はというと彼女の元に真っ先に行く。





「蔵、あの・・・私っ」



「このアホ!何してんねん!!」



「っ!!」



「お、おい白石落ち着ぃよ」
「蔵リン。いきなり怒鳴ったらアカンて」




の目の前に立つなり、俺は大声を上げた。




「勝手に離れてお前、どんだけ心配した思てんねん!!これやからお嬢様は世間知らずって
言われるんやで!一人で勝手突っ走んなや、謙也たちが手伝ぅてくれたからよかったようなもんやけど
何かあったりしたらどないすんねん!!俺だけやない、皆心配すんねんぞ、分かってんのか!」


「ゴメン・・・ゴメン、なさいっ・・・」



俺の声に、は立ちながら泣き出した。


ふと、肩に手が置かれる。
隣を見ると、謙也。






「落ち着け、白石。、怪我なく見つかったんや・・・それでえぇやろ」


「はぁ・・・せやな。すまんな、お前ら巻き込んで」


「えぇて。後はお前の役目や・・・お嬢様、無事に送り返すんやで」


「あぁ。ほな、明日な」


「おう」






そう言って謙也たちはその場を去って行った。

そして其処に残ったのは、俺と
は未だ泣き止まない。


アカン、ちょっと怒鳴りすぎた。


頭に血が上って、カッとなってしまい此処に来た途端を怒鳴ってしもた。

今は大分冷静。
謙也が多分声かけてくれたおかげやな。





・・・スマン。ちょっと怒鳴りすぎたわ」



俺がそう言うと、は泣きながらも首を横に振る。





「自分が急に俺から離れていくから・・・俺、怖かったんや。せっかく、恋人同士になれたんに
何や突然、俺の目の前から消えたような気ぃして・・・怖かったんや。
でも、俺・・・怒鳴る事ないよな・・・ホンマ、ゴメン」




謝るも、は口を閉ざして未だ首を横に振る。
顔も、下を俯かせたまま涙の粒が地面に零れとった。






?」


「ゴメン・・・ゴメンね、蔵っ」


「えぇて。怒鳴った俺も悪いし」


「違うの」


「え?」







すると、は両手を俺の前に出した。








「お前・・・」




「見つけたのに・・・かんざし、壊れちゃって・・・せっかく、せっかく・・・蔵、私に付けて欲しいって言ってたのに。
すっごく、楽しみにしてくれてたのに・・・・・見つけたときにはもう、壊れちゃってて・・・ゴメンね・・・ゴメンねっ」











の両手には、帯に差してたかんざし。

でも、それは原型を留めておらず
桜の花びらの部分は既に欠け落ちて、垂れ下がっていた小さなチェーンは切れ
かろうじて無事といえる部分は、髪に差す部分だけ。

だが、其処も踏まれたのか何なのかで、傷だらけになっとった。





「えぇて」


「でもっ!」


が怪我なく、無事だっただけで・・・俺はえぇんや。かんざし、壊れてしもたけど
が無事に俺の目の前にちゃんと居ってくれるだけで・・・それだけで、俺はえぇんやで」


「蔵」





俺はゆっくり彼女を引き寄せ抱きしめた。





「自分が居らんくなるほうが、俺はよっぽど嫌や。頼む・・・もう、二度と・・・俺から離れんといてくれ。
せっかく、せっかく・・・自分と恋人同士なれたんに、居らんくなったら・・・俺、それだけで死にそうや」


「・・・蔵」



、頼む。約束してくれ・・・俺から離れんといて。が離れていったら、俺ホンマ死にそう。
俺にはがめっちゃ大切なんや・・・大切な人なんや。せやから、頼むわ」





こんな形で、君を失いたくない。

こんな形で、君から離れたくない。



ずっと、ずっと・・・前から。


お前は俺ん中で大切な存在なんや。







「・・・ごめん、なさい・・・」


「もうえぇて。自分が無事なだけで俺は充分や」


「うん。・・・かんざし、壊れちゃったね」


「あ、安モンやけど・・・かんざしの可愛えぇ店知ってんねん。今度其処行って新しいの買うたるわ」


「え、で、でもっ」


「えぇから。俺が買うたる・・・彼氏として彼女、喜ばせるんは当然のことや。あ、それも少し直してもらおか?
其処の店、完全に修復ってまでは行かんけど・・・ある程度の傷は直してくれるから、頼んでみよか」


「・・・うん」




俺が優しくそう言うと、はようやく微笑んだ。


俺は指で彼女の涙を拭う。






「ほな、帰ろうか」


「うん」


「家まで送るわ。今度は・・・手、離したりしぃなや」


「分かってる。蔵も・・・離さないでね」


「当たり前やん。こんな綺麗な彼女の手ぇ離したりなんかしたらバチ当たるわ」


「大げさよ」







そう言って俺はの手を握り、彼女を家へと送る道を歩く。






「蔵」


「ん、何や?」


「探してくれて、ありがとう。・・・・・・・・・だ、大好き」


「俺も大好きやで」







祭り会場を抜ける前に、少し暗い場所で俺は彼女と唇を重ねた。



離れていた距離を少しでも埋めるために。





(それは君という存在しか俺にはない)
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