任務を終え本丸に戻ってきた途端、軽い馬鹿げた音で出迎えられた。
玄関先には真ん中に主と彼女の妹のくん。そして、その脇には本丸中の刀剣達が居た。






「い、一体何だいこの出迎えは?」


「ぱんぱかぱーん。歌仙兼定くんおめでとう」


「え?」








真ん中に居る主は若干棒読み的な言葉遣いで僕に「おめでとう」と
言葉を投げかけた。

あまりに突然の言葉に僕は眉をひそめ首を少し傾げる。

祝いの言葉など言われることはない。自分の生まれた日すら覚えていないのだから。





「主。何がおめでとうなんだい?」


「経験値最大値到達一番乗りー」


「え?・・・ああ、もうそんなになってたんだね」


「はい。歌仙さん、おめでとうございます」





2人に言われて思い出した。


これ以上の力が上がらないのは何故だろうと思ったが
主の言葉にようやくその正体の合点がいった。

僕はどうやら貰った経験値の量が最大値にと到達したらしい。







「というわけで、本日はお祝いでーす」


「歌仙くんの誉高い日だからね、僕が腕によりをかけて作るよ」


「私も頑張って色々作っちゃいますね!」


「燭台切、くんありがとう」


「はいはい、お前ら。や光忠の手伝いに台所に行け」






主の声に全員が嬉しそうに台所にと向かう。

おそらく祝いという事で豪勢な食事や
酒の席になり騒がしくなるだろうと笑みを浮かべていた。







「ま、俺もすぐに追いつくから待ってろよ二代目」


「十一代目」


「主様の一番の近侍というのは解せぬが、追いつくではなく、私は追い抜きますゆえ」


「小狐丸」


「歌仙殿。今後とも部隊長として部隊の統率を宜しくお願い致します」


「一期一振」


「この先も君には良い運が回ってくるはずだ。信じて我々を導いてくれ」


「石切丸」


「何か皆に良い言葉全部持っていかれたから言うことねぇけど、これからも頼んだぜ部隊長殿」


「鶴丸国永」






部隊の面々が僕に一声をかけていき、玄関を越え本丸内にと入っていく。
いきなりそんな事を言われ、あっけらかんとしていたら其処に取り残された僕と―――主。

すると主は踵を返し、首を回し僕を見る。






「上がれ歌仙。話がある」



「あ、ああ・・・そうだね」






いつまでも玄関に突っ立っているわけにはいかなくなり
主の言葉に我に返り、先ゆく彼女の後を追いかけるように足を進めた。




廊下を歩くも主は無言。
いつもなら何かしら話をしながら歩くのに、前を歩く彼女からは声が聞こえない。

めでたい日、というわけではないのだが
先程も思えば何だか主だけ一人やる気のないような声だった。


彼女の下に来た刀剣達は皆喜び、誉高い言葉を掛けてくれた。
無論彼女の妹だって同様。


それだというのに何故?と考えていたら目の前の人の足が止まる。
急停止にも僕の体はなんとか反応し、同じように足を止めた。




此方を見ない主。僕の目に映っているのは彼女の背だけ。







「主?」


「えーっと、あの、さ歌仙」


「何だい?」


「その、まぁ・・・一番乗りおめでとう」


「主、それはさっきも言ったじゃないか」


「うん。まぁ・・・そう、なんだけどね・・・な、何ていうかその・・・あの」





段々と口籠っていく主。
途端此方を振り返り僕を見る、その表情は―――微かに目に涙を溜め、頬を真っ赤にしていた。

あまりの事で僕は驚く。
むしろ内心慌てている。いつの間に僕は彼女にそんな表情をさせたのだろうか、と。







「あ、主。僕、何か君を傷つけるような事言ったかい?」


「え?バッ、バカ、違う!その、コレは・・・その・・・っ」


「?」


「お前は私が此処に着任した時からずっと一緒に頑張ってきてくれたし。
正直一番乗りで、最大値になったのは私としては嬉しい。これからも安心して部隊を任せれる。
後は・・・その・・・」







ゆっくりと主は近付いてきて、自分の体を僕にと寄せてくれた。

服越しでも感じる、温かな少女の温もり。









「好きな人が頑張ったなら、私としては、ちゃんと褒めたいし・・・ご、ご、ご褒美とか、あげたい、なって」


「褒美、か」


「な、何も準備してないけど・・・。歌仙の好きなものとか、そういうのは私の出来る範囲で叶えてあげたい」


「僕の好きなもの?・・・・・・好きなものなんて、一つしかないよ」








主の頬を両手で包み顔を上げさせる。


潤んだ目、薄紅色に染まった頬。


瞼に口づけ、頬にも施す。
目を合わせ言葉を放つ。









様・・・今、君がすごく欲しいかな」



「言うと、思った」



「ハハハッ、だから顔を真赤にしてたのかい」



「うっ、うるさい。だけど・・・まだ、日が高いんだけど・・・す、するの?」



「うん。・・・少しだけでいいんだ、君に触れさせてくれ」



「歌仙」






愛らしい声で名を呼ばれ、場所を考える暇もなく本丸の廊下の死角。
ほんの少しの戯れを始めたのだった。










「あっ・・・か、歌仙・・・っ、んぅ、んん・・・っ」


「大丈夫だよ様。触るだけだから安心して」


「ぁ、安心って・・・おまっ・・・んっ、ぁ・・・あ」






上の着物を半分脱がし、胸や鎖骨に口唇を当て柔らかな肌を味わう。

同時に丈の短い緋袴(ひばかま)に手を入れ脚の間、蜜壺を隠す布に触れる。








「!!・・・か、かせ・・・ダ、ダメッ」


「こんなに濡れているのに、駄目なんてよく言えた口だね」


「っ!?」







肌に口唇を触れさせ、胸を手で揉みしだくと
次第に蜜壺からは滑らかな雫を滴らせ、布を湿らせていた。

触っただけでも分かる。

指先に感じる、其処から溢れ出た蜜。
布越しでもその感触は理解できた。




布越しで触れるだけでは足らず、それを通り越し直に触れる。







「ひゃあっ!?・・・あっ、か、歌仙・・・や、やめっ・・・今、触っちゃ」


「触れるだけだから、大丈夫」


「やだっ・・・そんな所、此処で、触らないで・・・っ」


様。そんな声出すと、止まるに止まらなくなるだろ。もっとその声、聞きたくなるじゃないか」


「え?・・・やっ、ぁああっ、歌仙・・・っ、やぁあ・・・!」







愛らしい嬌声聞きたさに、蜜壺に指を挿れ動かす。

指に絡みつく愛液。太腿を伝って床にと零れ落ちる。
嗚呼、舌で味わえないのは勿体無い。


だが今は少女の下肢の壺に秘められた滑らかな蜜を指に絡め
口から溢れ出る甘い吐息と声を浴びるだけで、今の僕は満たされている。

そして指の動きを荒々しくすると、厭らしい水音が更に響く。





「やっ・・・あっ、あぁ・・・あぁン・・・ッ!」


様、少し声を抑えて。いくら死角でも皆に気付かれてしまうよ」


「で、でもっ・・・歌仙・・・声、抑えれ、な・・・ぁ、ああっ、んぅう」


「なら、こうすればいいかな?」


「え?・・・んっぅ」





体を更に密着させ、主と口唇を重ねた。
貪るように口吸いをし、指は忙しく動かす。

蜜壺の中を掻き乱しながら、別の指で秘部を探る。

探り当てた途端、塞がれた口でも喉から高い声が聞こえてきた。

性感帯を見つけた僕は指で同時に攻め立てる。






「んっんん・・・ッ・・・んぅぅう!!」






口唇を塞がれ苦しみながらも、小刻みに震え快楽に飲み込まれていく主の姿。

薄く目を開き目の前の少女の姿を視界に映す。



薄紅色だった頬が真赤に染まる。

口から溢れ出る涎。

呼吸を求め微かに開けた口端から覗く小さな舌。


それだけで僕の背筋は痺れ、指の動きを早めていく。






「ぅんん・・・ッ、か、せ・・・ん・・・んんっ、もぅ・・・・」






「もう」という声が聞こえ主が達しようとしている。

ならば、僕はそれに向かわせていくだけ。
指で蜜壺を乱暴に、荒々しく扱き、そして秘部を擦り上げると――――。





「んぅっ?!・・・・・・んんんっー!!」





達した。

口唇を離すと、唾液が
先程までの繋がりを名残惜しむかのように糸を引いていた。

蜜壺から溢れ出た愛液が床に零れ落ち、木目に滲み始める。


そして主は体力の消耗が激しかったのか、息も絶え絶えでそのまま僕にと倒れかかる。






様、大丈夫かい?」


「ご、ごめ・・・酸欠気味」


「いや、謝るのは僕の方だよ。色々と無理をさせた。
口を塞がなくても、もっと良い方法があったのにすまないね」


「別に・・・いい」








『おねーちゃん・・・お姉ちゃん〜?』


『大将ー!歌仙の兄さーん』






ふと、僕らを探す声が聞こえてきた。

その声に互いがハッとする。
主は急いで乱れた服を整えようとするも間に合わない。

このままでは気付かれてしまう、と悟った僕は主を抱きしめたまま
更に人目につかない、死角の奥へと移動する。





「か、歌仙」

「シッ・・・静かに」






近づいてくる足音に不安になったのか主が声を出すも
僕は彼女に静かにするよう促す。

主は僕に抱きつき、そんな彼女を抱きしめ
気配が消えるのを息を潜め、足音が去る音だけを待った。







『妹君、そっちは居たか?』


『うぅん。お姉ちゃんも歌仙さんも何処に行ったんだろ?』


『ったく、めでたい日だってーのに。大将も歌仙の兄さんも何処に行ったんだか』







近づいていた足音が去り、ようやく互いに安堵の溜息を零す。

ふと、目に映る主の肌蹴た体。

僕は自分の羽織りを脱ぎ、それを主の服の上に羽織らせ
額にと口唇を軽く触れさせ彼女と目を合わせる。









「歌仙、なんで羽織り・・・?」


「服を大分乱したからね。此処で服を戻していたら僕達の関係が露呈する恐れがあるだろ。
それを着たまま部屋に戻るといい」


「あり、がとう」


「いいんだ。今晩、それを取りに伺うよ。待っててくれるかい?」







本音と建前を並べた。


今は、まだこれだけで留めておこう。


夜の闇さえあれば・・・もっと、深く愛し合えるはずだから。
主の愛も、もっと感じることが出来るはずだから。








「ちゃんと待ってるから・・・必ず来い」


「うん。じゃあね」








そう言って主から離れ、自分の部屋へと足を進めた。



夜。僕は再び褒美を貰いに主の部屋にと向かう。
此れこそ、彼女の一番の近侍であり、彼女を一番に愛する男の特権なのだ。




今はまだ、これだけで。
(さて、今宵の営みが楽しみだな) inserted by FC2 system

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