「皆さんで、節分しましょう!」
『節分?』
ウツギ博士のお遣いで、ジョウトポケモントレーナーである
がシンオウ地方ジムリーダーのヒョウタ、ナタネ、スモモ、スズナ、デンジの
前で奇怪な言葉を口にした。
その言葉を聞いた5人は
をポカーンと見つめていた。
「何、節分って?」
「え?ナタネさん、節分知らないんですか?」
「節分?接吻なら分かるけど」
「スズナちゃん・・・そ、それはね、キスのことだよ」
「節分?何かの大会の名前ですか?」
「何でもそう、体育会系に捕らえちゃダメだよスモモちゃん」
「意味深な言葉だけど、何かのイベント?」
「そう!イベントなんです、ヒョウタさん!!」
「どんなイベントなんだ?退屈しのぎにはなりそうだな」
「面白いイベントなんですよデンジさん」
デンジの言葉にはウキウキと話し始める。
「お豆さんを投げて、一年間元気でありますようにって・・・厄除けみたいなものです」
「はいはーい!にしっつもーん!」
「はい、ナタネさん」
すると疑問に思ったのか
ナタネが手を上げて、に質問を投げかける。
「何で豆?他のものじゃダメなの?種とか」
「あぁ、それは今から説明しますね」
「へぇ、ちゃんと由来があるんだ」
「はい」
ヒョウタの言葉には素直に返事をした。
「昔、山に住む鬼って言う生き物が町に下りてきて悪さばっかりしてたんです。
それに困り果てた人々は偉い博士を7人集めて、49日間・・・鬼が出てくる穴でお祈りを繰り返していたんです」
「49日間、祈り続けるのか」
「じ、地獄ですぅ」
「それでそれでどうなったの?そのお祈り、成功したの?」
デンジとスモモの言葉を掻き消すように
話を先走ろうとするナタネ。
ナタネの言葉にはにっこりと笑みを浮かべ言葉を続けた。
「はい。それで、お祈りのときに鬼の持つ邪気って言う・・・えーっと何だったけ?悪い”気“のようなものを
払うために鬼にぶつけていたのが豆なんです。豆をぶつけて邪気を払うによって
その年は無病息災・・・つまり、元気で災難に遭わないという伝えがあるそうなんです」
「ふぇ〜・・・そんな由来があるんだ」
「ていうか、何でさんそんなこと知ってるの?」
「え?」
ナタネはようやく理由が分かったのか理解した。
すると、スズナががそんなことを淡々と話すので疑問になり問いかけた。
「そ、それは・・・知り合いに、教えてもらって」
はスズナの問いに、焦るように答える。
「知り合い?・・・・・・怪しいなぁ」
「もしかして・・・好きな人から教えてもらったとか!」
「ち、ちちち違います!!」
「分かりやすい反応するところからして、好きな人から教えてもらったんだ〜・・・ほぉ〜ら、誰に教えてもらったの白状しなさい」
「だ、だから・・・違いますって!」
「さんの好きな人、私も気になります!!」
「ス、スモモちゃんまでっ」
はナタネ、スズナ、スモモの三人に詰め寄られ
白状しろと言われる。
「(い、言えるわけないじゃん!そんな、好きな人の話なんて・・・っ)」
は心の中、ふとジョウトでジムリーダーをしているマツバのことを思い出した。
「節分?・・・何ですか、それ」
「昔、山に住む鬼って言う生き物が町に下りてきて悪さばかりしてたんだ。困り果てた人々は
偉い博士を7人呼んで、祈祷っていう・・・まぁお祈りみたいなものかな?鬼が出入りする穴の前で
49日間行っていたんだ」
「49日間・・・な、長いですね」
「うん。それで、鬼の邪気・・・つまり、悪い気持ちを払うために豆を投げる習慣から、節分が始まったんだ。
邪気をはらうことによって、その年無病息災・・・病気もせず、災難にも遭わず元気で過ごせると、言い伝えられるようになったんだ」
「へぇ〜・・・マツバさんは何でも知ってるんですね」
「そう?・・・たまたま資料漁ってたら出てきただけだよ。に一番に教えてあげたかったんだ」
「え?私ですか?」
「うん。まぁ豆まきなんかしなくても、の邪気は僕が払ってあげるけどね」
「マ、マツバさん!ム、ムード台無しですっ」
「ゴメンゴメン。でもね、僕は君が元気で居てくれれば、それでいいんだよ」
「マツバさん」
「大好きな君だからね。ずっと元気でいてね、」
「・・・・・・」
節分のことを教えてくれたのは、マツバだった。
ジョウトに居るときにそれを教えてもらい、は
それを参考に彼らに教えたのだった。
だが、思わず教えてもらったときのことを思い出しは顔を赤らめた。
「顔真っ赤よ」
「わきゃ!?・・・あっ、あの・・・違いますから!!そ、そのこれはぁ〜」
「もう、さん可愛い〜!恋する女の子って感じがする」
「ス、スズナちゃんやめてってばぁ」
ナタネとスズナに冷やかされ、はさらに焦る。
「なんか・・・胸クソ悪い」
「ヤキモチですか、デンジさん?」
「違う。・・・イライラするだけだ」
「同じじゃないですか。まぁ、僕もあんまり他の男の話をされると良い気分じゃないですけどね」
女子がワイワイと騒ぐ一方
デンジとヒョウタはの表情を見て
少々苛立っている。
自分の好きな子に、他に好きな人が居るとなれば
相手が誰だろうか知りたいと思うし、負けたくないと意地になる。
「と、とにかく!・・・豆まき、皆でしましょう!!無病息災を願って」
「しょうがないわねぇ〜・・・あ、私いい事思いついちゃった。ちょっと外すね!すぐ戻るから!!」
するとナタネは突然どこかへと走り去っていった。
とりあえず、豆まきの準備をしようとのことで
豆の準備をすべく一旦解散して、また戻ってくることにしたのだ。
―30分後―
「皆さん、準備はいいですか?」
「ちょっと待て。ナタネが居ないぞ」
30分後、各々豆を揃えて元居た場所に戻ってきた。
だが、デンジの言葉に全員がその場をキョロキョロ見る。
ナタネの姿がない。
「一番先に解散して、遅刻とか・・・ナタネさん何してるんだろ?」
ヒョウタの声で全員が首をかしげる。
「とにかく、始めようよ!ナタネさんのことだし、すぐ来るって」
「そ、そうですね!」
「うん。じゃあ掛け声で”鬼は外、福は内“って言いながら豆を投げてください。
鬼を外に払って、福を自分達のところに寄せるんです」
「じゃあせーので行こう」
「せーの」
「ちょっと待ったぁああああ!!!」
デンジの掛け声で始まる豆まきが
突然ナタネの声で豆を投げようとした全員の動きを止めた。
「ナタネさん!」
「ごめーん、ちょっと手こずってさぁ〜・・・来るの遅くなっちゃった」
「それはいいが・・・お前―――」
「何で、ドタイトスに乗ってるんだ?」
デンジの言葉に、誰もがそう思った。
そう、ナタネはやってきた。
だが、一人じゃない・・・もう一匹連れてきた。
それは草ポケモン、ドタイトス。
ナタネはそれに跨ってやってきたのだ。
「ナタネさん、何でドタイトスに?」
「コイツじゃなきゃできなくてねぇ〜」
「アレってこっちのポケモンですか?大きい亀?草だけど亀?」
「うん。さんは初めて見るよね。ドタイトス・・・ナエトルっていうポケモンの最終進化系」
ジョウト出身のはシンオウ地方の珍しいポケモンをあまり知らない。
それをヒョウタに尋ねると、彼は自分の持っているポケモン図鑑を開いてデータを見せた。
「コレが・・・」
「コイツがナエトル・・・それの間が、ハヤシガメ。そしてドタイトス。草ポケモンの中じゃ破壊力は相当だ。
地面タイプも掛け合わせてあるから、”じしん“とか草タイプの技だけじゃなくて地面タイプの技も使いこなせる。
便利ではあるが、基本が草タイプだから炎はからっきしダメだ」
「デンジさん。・・・じゃあ、私のバクフーンじゃすぐこのポケモン、やられちゃいますね」
「そうだな。まぁお前は元が強いからな・・・俺が認めたヤツだし。あんなデカガメ、お前の炎ポケモンなら速攻だ」
「デンジさん・・・ちゃっかり僕のポジション取らないでください。説明するのは僕の役目なのに」
「悪いな。何となく口を挟みたくなった」
ヒョウタが説明をするはずだったのに
そのポジションをデンジがいきなり奪い、彼女の印象を上げた。
ここでも火花が散っています。
「あの、それで・・・そのドタイトス、何するんですか?」
「ん?そ・れ・は」
「それは」
の言葉に、ナタネがニヤリと笑みを浮かべる。
すると突然ドタイトスが踏ん張り始める。
「え?」
「フフフ・・・いっくわよ〜。”タネマシンガン“ならぬ”マメマシンガン“!!くっらぇぇえええ!!!」
『ちょっ!!!???』
――ズガガガガガ・・・!!!!
突然、マシンガンのごとく何かが速さでその場に放たれた。
「いっ・・・痛い、痛い痛い〜。種ってこんなに痛かったけ!?」
「え?何コレ・・・豆ぇ!?」
地面に零れるのは、種・・・ではなく、なぜか豆。
「豆まきなんだから”マメマシンガン“よ!皆の厄をこのナタネちゃんが払ってあげる!!」
ドタイトスの背中に乗り、両手を腰に当て
威張っているナタネはそう言いながら、”タネマシンガン“ならぬ”マメマシンガン“の手を休めない。
「これじゃあ埒が明かない!ていうか、痛い〜〜」
「スズナちゃんは私が守ります!」
「スモモちゃん」
すると、スズナに向かってくる豆の弾をスモモはすべて
蹴りで弾き飛ばす。
「ちくしょう・・・ったく、厄介なヤツ連れてきやがってナタネのやつ。来い、ライチュウ!」
デンジはライチュウの入ったボールを投げ
その場にライチュウが現れる。
「ライチュウ・・・ひかりのかべ!」
「ラ〜〜イ!」
すると、光り輝く眩しい壁がデンジとライチュウの前に何重と現れた。
しかし相手の”タネマシンガン“は物理攻撃。
特殊攻撃を緩和させる”ひかりのかべ“では長くは持たない。
「一時凌ぎにはなるだろ。・・・おい、こっちに」
「さん、大丈夫?怪我はない?」
「はい。ありがとうございます、ヒョウタさん・・・助かりました」
「い、いや。とんでもないよ。女の子を助けるのは男の義務だからね」
デンジがを助けようとするも
は既にヒョウタの手によって助けられていた。
しかもヒョウタとを守っているのは
ヒョウタが出したポケモン・ダイノーズの手によって作られた地面の壁。
地面を持ち上げ、そのままそれを壁として作ったものだった。
「(このクソガキ・・・俺のポジション取りやがって)」
やられたら、やりかえす。
まさにこの二人の関係、この文字にぴったりだ。
「いやぁ〜デンジ、助かったよ。でも”ひかりのかべ“じゃ長持ちしないでしょ。エスパーの
”リフレクター“だったらよかったのになぁ」
「って、何でいきなり現れてんだアフロ」
「四天王のオーバ!」
「オーバさん、どうして此処に?」
すると、デンジの背後に
シンオウポケモンリーグ四天王・炎のオーバがなぜか現れた。
相変わらず赤いアフロが目立つ。
「いやぁ〜デンジがちゃんと一緒に面白いことしてるってナギサの人に聞いてさぁ」
「お生憎と、この状況見て面白いと思えるか?」
「充分に面白いと思うけど」
「そのアフロもう少し大きくしてやろうか」
「冗談、冗談」と言いながらオーバはデンジに謝る。
しかし、この”マメマシンガン“では一方的に豆を当てられ
全員大怪我してしまう。
デンジとオーバを守っている”ひかりのかべ“が徐々に豆の威力で破られていく。
「デンジさん!」
「クソッ、何か方法ないのか」
「よし!ここはこの炎のオーバ様が」
「そうか、オーバなら炎ポケモンでドタイトスを倒せる!」
「フレイムクィーンのちゃんとともにドタイトスを倒してあげましょう!」
「え?私ですか?」
「テメェ一人でやれよ。四天王の名前が泣くぞ、んでもってをいちいち前に出すな」
デンジはオーバの言葉に思わず蹴りをかまし
そのまま胸倉を掴んだ。
「テメェ一人でやれ」
「だって、あんな草巨ガメ俺一人で倒せるわけないじゃん!此処はフレイムクィーンの力も借りて」
「四天王がグダグダ言うんじゃねぇよ。シロナにチクッて、剥奪すっぞ」
「いやぁ〜さすがにそれは勘弁してくれよぉ〜」
「私なら構いませんよ。やりましょう、オーバさん!」
「!?」
「え?マジで!!」
すると、があっさりとそれを承諾。
デンジの手を振り解き、オーバがの近くに行く。
「おい、」
「さん、無理しちゃ」
「大丈夫です!私だってトレーナーです!やるときはやります。オーバさん、行きましょう!」
「よし来た!」
はデンジやヒョウタの声を振り切り
モンスターボールを構え、自らの炎ポケモン・・・バクフーンを出した。
オーバはボールからゴウカザルを出す。
「で、デカッ!」
「あ、ヒョウタさんは初めましてですよね。私のバクフーンです」
「グルルル!」
バクフーンの姿を初めて見たヒョウタは驚いた。
シンオウには居ないジョウトのポケモン。
ヒョウタは未知の体験をした気分になったに違いない。
「よっしゃ!なら、行くぜちゃん」
「はい!」
オーバの掛け声とともに、ゴウカザルはオーバの元を離れ
そしてバクフーンもの元を離れ
”マメマシンガン“を放つドタイトス向けて走っていった。
「来たわね〜・・・ドタイトス、”マメマシンガン“!!!」
ゴウカザルとバクフーンが飛び出して来た瞬間
ナタネのドタイトス、標的をロックオン。
瞬間二匹に向けて、無数の種ならぬ豆が撃たれた。
「オーバ様のゴウカザル舐めんなよぉ。・・・ゴウカザル、”マッハパンチ“!!」
「キィイ!!」
「バクフーン、”かえんぐるま“!!」
「グルルル!!」
放たれたマメをゴウカザルは目にも止まらぬ速さで打ち砕く。
一方のバクフーンも炎を全身に纏い、回転を加え飛び込んでくるマメを炙り、地面に落とす。
「ちょっ!?何それ、ありぃ!?」
「ありだっつーの!行くぜ!!」
「はい!」
「ゴウカザル・・・」
「バクフーン・・・」
二匹の炎ポケモンが力を一気に溜め込み――――。
「フレアドライブ!」
「ブラストバーン!」
主人の掛け声とともに、ドタイトスめがけ打ち落とした。
「ナタネさん、やりすぎです。わざわざドタイトスまで呼ぶなんて」
「ごめんなさい」
とオーバの2大炎ポケモンでドタイトス戦闘不能。
蹴りや手で豆攻撃を防いでいたスモモの手足は少々赤く腫れ
とスズナはスモモに包帯を巻きながらナタネを叱る。
ナタネは反省したのか、その場に正座をして謝る。
「スモモもゴメンね・・・痛かったでしょ?」
「いいえ。いい特訓になりました!また、今度は”タネマシンガン“でお願いします!」
「スモモォオオ!!!アンタ、いい子だよぉお」
「ナタネさん、ナタネさん苦しいですよぉ〜」
「スモモ、ありがとう〜私を助けてくれてぇええ〜」
「スズナさんまで・・・エヘヘヘ」
二人に抱きつかれ、スモモは照れながら笑う。
はそんな3人の姿を見て笑みを浮かべた。
「大丈夫か、」
「デンジさん」
笑みを浮かべるの背後からデンジが声を掛ける。
「私は大丈夫ですよ。それよりも、デンジさん・・・頬、怪我してます」
「あ?あぁ・・・ちょっと逃げるときに豆掠ったんだ。どうってことない」
「でも、ばい菌入ったら」
は心配そうな面持ちで
バックからハンカチを出して、デンジの頬に触れる。
「痛く、ないですか?」
「大丈夫だって言ってるだろ。それよりも―――」
「えっ?・・・きゃっ?!」
デンジはの手を引き寄せ、腰をガッチリ掴んで抱きしめ
の顎を上げる。
「ったく、アフロの言葉で無茶しやがって。・・・怪我したらどうするんだ」
「わ、私は大丈夫です!怪我なんて、ジョウトに居たときいっぱいしました」
「昔のことは聞いてねぇし。俺は今のお前を心配してるんだ・・・お前には元気でいてほしいんだ」
「デンジさん」
「俺は、お前が――――」
―――――PRRRRRR・・・!!!
「あっ、ポケギアが鳴ってる!」
「って、おい!」
すると突然バッグにしまっていたのポケギアが鳴る。
はそれを取りに行くために、デンジに抱きしめられていた体を
ものすごい力で剥ぎ、ポケギアを取る。
「デンジ君・・・お気の毒に」
「自分優先に出来ないとするとまだまだな感じですね、デンジさん」
「うるせぇ!!」
デンジの後ろからオーバとヒョウタがニヤニヤと笑みを浮かべ見ていた。
まさにその表情は「いい気味だ」という
いかにも馬鹿にした表情だった。
「もしもし?」
『やぁ、。元気にしてる?』
「マツバさん!」
電話の主はジョウト・エンジュシティジムリーダーマツバだった。
彼の声にはすぐさま明るい声を出した。
『今日、何の日か覚えてる?』
「はい。節分ですよね」
『お、優秀優秀。よく覚えてたね・・・そうそう、節分のことを調べてて一つ見つけたんだけど』
「何ですか?」
すると、電話先から紙を数枚めくる音がした。
『鬼を払うときに使った豆、あれを自分の歳数分食べると良いらしいんだ』
「そうなんですかぁ」
『っていうのを伝えたかっただけ』
「え?それだけ・・・ですか?」
マツバの電話には嬉しかったが
節分のことを付け加えるために電話してきたと思うと
はちょっぴり寂しかった。
『それと』
「え?」
『の声が聞きたくなった。毎日ミナキにブーブー言われて、もう疲れてさ。
の声聞きたくなったんだ・・・いつもミナキに何言われても平気だったのは、が近くに居てくれたからね。
すっごくの声聞きたくなっちゃった・・・こっちが本当の目的、節分は仮の目的。これで満足かい?』
「・・・はい。わ、私も・・・マツバさんの声、聞きたかったです」
『ホント?僕もの声聞けて嬉しいなぁ、もっと聞きたいな・・・このまま繋いでてよ』
「え?でもっ」
『僕は君に逢えなくて寂しいんだよ。寂しいんだから繋いでてよ・・・ね、・・・このまま―――』
「はい、ぼっしゅー」
「あっ、デンジさんっ!?」
すると、のポケギアをデンジが突然取り上げ――――。
――――Pi!
「あぁぁぁああぁああああああ!!!」
電話を突然切断した。思わずは絶叫。
「デ、デンジさんっ・・・酷いです、返して下さい!」
「やだ」
「返して下さい!!」
「やーだー。返さん」
「返してください!それは大事なんです!!」
「そうだな、俺の気が向いたら返してやる。ったく、またマツバとか言う男と喋りやがって」
「いいじゃないですかぁ!返してください、マツバさんに誤解されちゃいますから!!」
「返さん。そのまま誤解されとけ」
「酷いです、デンジさぁあん」
「デンジ、やることが低レベル」
「僕、ああいう男にだけはなりたくないです・・・さすがに」
今年は、たくさん豆をまいた。
シンオウ地方はきっとこの年、誰もが無病息災になれるはず。
マメマシンガンで鬼払い!
(シンオウ地方、今年は皆無病息災でいれるでしょう)