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■ しょーとすとーりぃ

あやしいクスリ


 兄貴の部屋から拝借してきた小瓶には、こんな文句が書かれてあった。
――超強烈性補助液ウルトラズキューン! コラエキス・サソリ・ガラナを主成分にローマ帝国の秘薬として知られる様々な天然成分を配合することで、より強力で絶大な強精・催淫効果が即時・長時間にわたって得られます! 今までちょっと物足りないと感じていた方に是非お薦め! 悪用厳禁! 乱用禁物!
 あやしい。あからさまにあやしすぎる。
 ちなみに拝借といっても、盗みにはいったわけではない。たんに貸してたCDを取り返しにいっただけなんだが……こういうものを床に放り投げているあたり、うちの兄貴はどこか抜けていると思う。まぁ、あの部屋の散らかりようを思えば、もしかすると元から紛失したと思っている気もするが。
「おつかれー」
 放送室の分厚いドアが開いた。入ってきたのは同学年の田島箕美(たじま・みみ)だ。教室から直(ちょく)でこっちに来たらしく、鞄とスポーツバックを抱え込んでいた。
「おつかれー」
 放送装置の前に陣取っていた俺は、椅子をクルクルと回しながら挨拶を返した。
「ゴメン、ゴメン。授業、長引いちゃってさ」
 田島はミキサールームにある長机にバック類を置き、ヒョイッと俺の向こう側、防音硝子の向こう側にあるアナウンサールームを覗いていた。無論、そこには誰もいない。
「……他は?」
「サボリだろ?」
 俺は『ウルトラズキューン』という小瓶を目を細めて見つめたまま答えた。
「またぁ?」
 田島がゲンナリした顔になる。
 今日は放送部の定例会議だ。もっとも、まともに活動している部員は、副部長の田島を除くと平部員の俺だけだったりする。まぁ、昔から機械に興味があった俺としては、放送機材とやらをイジれるだけで楽しいわけで――そう考えると、真面目にやってるのは田島ただ一人ということになる。
 まぁ、学内でもそこそこ人気のある田島と一緒にいられるだけでラッキーといえばラッキーだ。もっとも、大学生の彼氏がいるとかいう話もあるから、ガキの俺に可能性があるわけもないが。
「――で、なに見てたの?」
 田島は机をグルリと巡り、もうひとつある放送装置前の椅子に座ろうとした。
「危ないもの」
「あ〜っ、まさか理科室から硫酸とかパクッてきたわけ?」
「そっちじゃなくて――」
 ふと、俺はあることを思いついた。
 田島が不思議そうに俺を見返し――ムッとした表情になる。
「チクんないわよ、その程度のこと」
 俺は無言で小瓶の蓋を開けた。案の定、小瓶の先端には香水の瓶と同じ吹き出し口がついていた。俺は深く考えもせず、スッと手を伸ばして――田島の顔に吹き付けた。
「キャッ! な、なに!?」
「ハハハ、そんなビビるなって。単なる媚薬なんだし」
「ビ――!?」
「兄貴の部屋にあってさ。馬鹿だよなぁ、うちの兄貴も。こういうのに万単位の金、平然とかけてんだぜ? ほら、前に話したことあるだろ。兄貴が買ったアダルトグッズ、おふくろが見つけて、もう家中がすっごいことになったって…………えっ?」
 俺は目をパチクリさせた。
 田島は両手で顔を押さえつつ、体を前倒しにしたまま動かないのだ。
 いや、よく見るとかすかに震えている。
「た……田島?」
「……ちょ、ちょっと待って」
 田島は左手を延ばし、数度、机を叩いてからバックをつかみ取った。それを足下に引きずり落とし、震える指先で何かを取り出そうとする。
 出てきたのはシステム手帳だ。
 パラパラと中を確かめた田島は「……うん」とつぶやき、再び手帳をバックにしまった。
 その間、俺は呆然と田島と小瓶を見比べてみた。
 まさか。
 いや、そんな都合のいい話なんてあるわけが。
「……三島くん」
「は、はい!」
 俺は背筋を伸ばし、裏返った声で答えた。
「冗談の……つもりだったんだよね?」
「も、もちろん!」
「だった……ら……三つ約束して」
 田島の呼吸がどんどん荒くなっているのがわかる。
「今回限り……秘密厳守……無かったことに……約束……でき、る?」
「で、できる!」
 もう、俺の股間はギンギンに張りつめていた。
 やばい。トランクスにこすれるだけで出ちまいそうだ。それに、なんか頭のクラクラしてきている。甘いというか、甘酸っぱいというか、とろけるような、奮い立つような、そんな匂いが漂ってきて……やばい。俺、どうにかなりそう。
「……キスも……ダメ」
 田島はゆっくり、体を起こした。
 スカートをつまみ上げながら。
 白い太股の奥を、俺にさらしながら。
「それでいいなら……挿れて……みる…………?」
 俺を見る田島の目はとろけていた。俺はコクコクとうなずき返しながら、小瓶ごと股間を押さえ、未知なる白いデルタゾーンに視線を縫いつけられていた。


♥ ♥ ♥


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ――」
 俺は呼吸を荒らげながら田島の前に膝をついた。
 すぐ目の前に、秘密の園がある。
 園を包む白い布には、すでにうっすらと縦に線が入っていた。
 濡れているのだ。
 俺は生唾を飲み込んでから手をソロリ、ソロリと延ばし、ショーツの端に手をかけた。
 引き下ろす。
 田島は抵抗しない。声もあげない。
 脱がしてしまうと、色白の田島にしては驚くほど濃い黒い茂みが目についた。
 その下、革張りの椅子のところにトロトロと透明な液が広がりだしている。
 俺が顔を近づけようとすると、田島の右手が、俺の頭を押し返した。
「……鍵」
「あっ……」
 俺は立ち上がり、焦りながら放送室のドアの鍵を閉めた。
 振り返ると田島の姿は無かった。代わりにアナウンサールームに通じる防音ドアが半分開いている。
 もう股間が破裂しそうになっている俺は、ズボンのベルトを外しながらアナウンサールームに入り、ドアを閉ざした。
 田島はアナウンサールームの長机の前に立ち、俺に背を向けていた。
「……三島くん」
「はい!?」
 後ろから抱きつこうとした俺は素っ頓狂な声をあげ、硬直してしまう。
「約束……追加して……いい?」
「いい! いい!」
「してる時……嘘でいいから……好きって…………」
 田島は自らを抱きしめつつ、震えながら、そう告げてきた。
 心臓が鷲づかみにされた。
「た……田島…………」
 俺はできるだけ自分を押さえ、震える両手で後ろから田島を抱きしめた。
 柔らかい。それに、温かい。いい香りもする。ミキサールームで感じた匂いとは、種類の違う匂いだ。香水だろうか? いや、違う気もする。だとすると汗の匂いだが、こんなにいい香りのする汗なんて想像したこともない。
「お、俺……初めてだから…………」
「ううん……わたし……初めてじゃないし…………」
 俺の体が自然と強ばった。
「……いい……の? 彼氏とか…………」
 途端、田島は顔を伏せた。
「いいの」
「でも……」
「いいから」
 田島は俺の手をふりほどいた。
「したいんでしょ、わたしと。早くしてよ」
 田島はスカートをたくしあげ、お尻を突き出すようにして長机に上半身を乗せた。
 白い小振りなお尻が丸見えになっている。
 わずかに色づいたアヌスも丸見えだ。
 その下には充血し、すでに口を開いている複雑怪奇な秘密の部位がある。
 くぼんだところからは、部位全体の蠢きに呼応するかのように透明な蜜がトプッ、トプッとあふれ出していた。それは内股も濡らし、膝まで雫を垂れ落とそうとしている……
――ゴクッ
 自分の生唾を飲み込む音が、やけに大きく聞こえた。
 もう、我慢できない。
 俺はトランクスごとズボンを降ろし、怒張した欲望を握りしめた。
「……わかる?」
 長机に顔を伏せたままの田島が尋ねてきた。
「た、多分……」
 と答えた直後、田島の右手が、俺の欲望を優しく包んだ。
「うっ……」
 快感が精悍をかけあがってくる――が、どうにか押さえ込む。
「……出ちゃった?」
「だ、大丈夫」
 そう答えると、彼女は俺の欲望を複雑怪奇な秘密の園のある場所へと導いた。
――ヌチュ
 先端が下の唇に押し当てられるだけで淫靡な音が聞こえてきた。
「そのまま……」
 田島のささやき。
 俺はゆっくり、腰を押し出していった。
「おっ……おっ……おっ……おっ……!」
 未知の感覚だ。
 ひんやりとしつつ、ねっとりと吸い付く肉の壁が、俺の欲望全体に包み込んでいく感覚。
 引っかかりなんてありはしない。
 さらに押し込むと、呆気ないほど簡単に、俺の欲望は彼女の肉に完全に包み込まれてしまった。
「ふぅ……ふぅ……ふぅ…………」
 これだけでもたまらない刺激だ。俺は田島にのしかかるようにして彼女の長い髪に鼻先をうずめた。
「メチャクチャ気持ちいい……」
「……わたしも……三島くんの……すごい固くて……熱くて…………」
 田島の声は夢見心地だった。
 再び射精感がわきあがる。歯を耐える。この程度で終わってどうする! 男だろ、俺!
「――あっ」
 俺はある事実に気が付いた。
「ナマだけど……」
「ピル……飲んでるから…………」
 もう、俺の理性は獣性を押さえきれなくなった。
「田島!」
「あっ!」
 腰が勝手に動き出す。
 奥まで入り込んだ陰茎をズルリと引き出し、再び肉を分けてズニュッと押し込む。
「あっ、んっ、あっ、すごい、そんな、あっ、すごい、すごいよ!」
 田島は両手をつき、背をのけぞらせた。
 俺の方は――声すらあげられない。
 いつもマスをかいて射精する時の快楽なんて、話にならないような刺激が続いている。
 出さずにいられるのが不思議なくらいだ。
 我慢できず、耐えるように、歯を食いしばりながら田島の体に腕を回す。
 勢いあまって、胸を鷲づかみにした。
 キュッと締め付けられた。
「いい! あっ! もっと! 強く! んっ! あっ! 強くして! 強く!」
 田島が自分でブラウスをたくしあげる。
 俺も中に手を入れ、ブラジャーを押し上げ、張りのある小振りな田島の胸をグニャグニャになるまでもみあげていった。
「あっ! ぁあん! んっ! いい! いいの! すごくいいの!」
「た、田島……」
 我慢の限界が近い。
 だが、俺の腰はさらに勝手に動き、強く強く田島のお尻に体を叩きつけていった。
 パンパンパンパンッという音が響く。
 ヌチュクチュプチュクチュという粘液をかき回す音も聞こえる。
 AVでしか聞いたことがないような田島があげるあえぎ声が遮音壁に吸い込まれていく。
 しかし――
「あっ――」「あっ――」
 勢いあまって、抜けてしまった。
 田島が身を捻り、振り返ってくる。
 汗だくだ。
 髪が頬や額に張り付いている。
 そして――赤らんだ頬と潤んだ瞳。
「ゴメン」
 俺は謝ってから、田島の唇を奪った。
 一瞬、田島は身を引こうとしたが、俺が舌を突き入れると、すぐに全身の力を抜き、俺の首に両腕を絡ませてきた。
 舌と舌kが絡み合う。お互いの唾液が練り合わされていく。
 気が付くと田島は体の向きをかえ、長机にお尻を乗せていた。
 彼女の膝の間に脚をいれると、田島は再びスカートをたくしあげ、両足を俺の腰にからみつけてくる。
 反り返る欲望を握りしめた俺は、適当に位置を定め……
――ニュルッ
 再びつながった。
 ディープキスを続けたまま、俺は少し揺るかに腰を動かし、田島の感触をめいっぱい楽しんだ。
「ふぅ……」
 顔を話すと、俺と田島の唇の間に唾液の糸が生まれた。
「ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ……」
 腰を突き出されるたびに田島は短く息を吐き出す。
 俺を見上げるその目は、とても優しく、穏やかで、満ち足りた感じがした。
「……好きだ」
 自然とその言葉が口から出た。
 田島の目が細まった。目尻から涙がツーッと垂れ落ちていく。
「……好きだ……好きだ……好きだ…………」
 壊れたレコードのように、俺は同じ言葉を繰り返した。
 田島が強く首に抱きついてくる。
 俺が抱き返すと、田島の上体を抱き起こす姿勢になった。
 でも、下はつながったままだ。
「田島……田島……」
「名前で……」
「箕美……好きだ……箕美……箕美…………」
「んっ……もっと……もっと言って……」
 俺は何度も何度も田島の耳元で「箕美」「好きだ」を繰り返した。
 少しずつ腰の動きが自然と早まる。
 再び田島を押し倒す姿勢になった。
 また、あの加速が始まった。
 もっと田島の膣壁に亀頭をこすりつけたい。ヌルヌルでベトベトでひんやりと包み込んでくる田島の中を、内臓がグチャグチャになるまでかきまわしたい……
「箕美! もぉ! 俺!――」
「ふわっ! ぁんっ! 出して! いっぱい! わたしに! 中に! あんっ! いっぱい! 出して!」
「くっ――!!」
 痺れるような快感と濁流が流れ出る感覚が全てを支配した。
「イク! あっ! イっちゃう! あっ! あっ! あっ! あぁああああああ!」
 田島の中も、キューッとしまった。
 一滴残らず絞りとるように、入口から奥に向かって肉の壁がザワザワとなびいた。
「!!!!!」
 目をギュッと閉じているのにまぶたの裏側で星が飛んでいる。
 俺はドクドクと田島の子宮に精液を注ぎ込みながら、強烈な快感の渦に翻弄され続けた。


♥ ♥ ♥


「うーむ……」
 放課後、放送室にやってきた俺は、昨日と同じように『ウルトラズキューン』の小瓶をジッと見つめていた。
 結局昨日は合計7回も中出ししてしまった。
 でも、息絶え絶えの俺を残し、田島は身だしなみを整え、なにも言わず、先に帰ってしまった。やはり「まずいことをした」と思っているのだろう。いくら媚薬のせいとはいえ、あそこまで乱れて平然としていられるわけもないし。
 ただ――これからどうすればいいんだ、俺?
 田島とはクラスが別だから今の今まで顔もあわさずに済んだけど……
 やっぱ、今日はサボった方が無難な気がする。
 確かに田島のことは嫌いじゃないが、好きといえるほど好きなのかといえば、自分でもよくわからないし。そもそも田島には大学生の彼氏がいるはずだ。俺なんか、媚薬無しで相手にされるはずも――
――ガチャッ
 ドアが開いた。
「うわっ!」
 驚いた俺は、小瓶を放り投げてしまい、あたふたとお手玉をしてどうにかつかみ取る。
 セーフ。
「おつかれー」
 入ってきたのは――田島だった。
 俺は挨拶を返せず、普通に入ってくる田島を呆然と見返す。
「他は?」
 昨日と同様、ミキサールームの長机に鞄とバックを置き、昨日とまったく同じ言葉を口にすつつ、ヒョイッとアナウンサールームの方を覗き込んだ。
「……サボリだろ」
 思わず俺も、ボソッと昨日と同じ言葉を口にしてしまった。
「またぁ? こんなんじゃ昼の放送、来年も許可されそうにないじゃない」
「……俺に言うなよ」
「わかってるわよ、それくらい」
 田島は机を回り、放送装置の前にあるもうひとつの椅子に腰掛けた。
「じゃ、昨日の確認」
「……はい?」
「今回限り。秘密厳守。無かったことにする」
「………………」
「追加で彼氏面しない、恋人面しない、普段はあくまで副部長と平部員。それでどう?」
「どうって……」
 戸惑う俺をよそに、田島はニヤッと笑った。
「今日は10回で勘弁してあげる」
 立ち上がった田島は放送室のドアの鍵をかけた。
 俺は改めて小瓶を説明を読むことにする。
――超強烈性補助液ウルトラズキューン! コラエキス・サソリ・ガラナを主成分にローマ帝国の秘薬として知られる様々な天然成分を配合することで、より強力で絶大な強精・催淫効果が即時・長時間にわたって得られます! 今までちょっと物足りないと感じていた方に是非お薦め! 悪用厳禁! 乱用禁物!
「……乱用禁物」
 そうつぶやきつつ、自分の顔に向かって吹きかけることにした。
 せめて強精効果とやらが発揮されることを期待して。

おわり
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