学校に行こうと思ったのは、単なる気まぐれにすぎない。親は最後ぐらい家にいろ、とうるさかったが、最後ぐらい夫婦水入らずでいろよ、と言い返したら二人とも黙り込んでしまった。微妙に互いを見る両親の目が熱っぽかったが……まぁ、どうせ最後だ。見なかったことにしよう。
俺はTシャツにスウェットパンツという格好のまま、サンダルを履いて、町を歩いた。
町は静かだった。
平日の朝だというのに、自動車一台、走っていなかった。
たまに開いている店もあったが、ほとんどの店が閉まっていた。
大通りを抜けた俺は、坂道をのぼり、学校に向かった。
これまた平日の朝というのに、学校は不気味なくらい静まりかえっていった。というより、校門が閉じたままだ。そのくせ、脇の通用門は開けっ放しなのだから、不用心なこと、このうえない。
不意に、遠くから爆音のようなものが響いてきた。振り返ると、大通りの一角から黒煙が立ちのぼっていた。自動車事故だろうか。それとも暴動でも始まったのだろうか。
まぁ、どうでもいい。
俺はサンダルのまま校舎に入り、教室に向かった。
ガラッとドアを開けると、先客が振り返ってきた。
「あっ、相沢くん」
声をあげたのはクラス委員の嘉島弥生(かしま やよい)だった。三つ編みお下げの黒縁眼鏡、見るからに優等生といった風貌の小柄で華奢な女の子だ。春夏用の半袖セーラー服がこれほど似合っている女子も、そういないだろう。
「おっす」
俺は軽く手をあげながら教室に入り、
「それにしても、最後の最後まで登校なんて、真面目だな、嘉島は」
「そういう相沢くん」と嘉島は笑った。
「俺は違うって。親孝行のついでみたいなもんだし」
「親孝行?」
「夫婦水入らず。息子がいたら、いちゃつこうにもいちゃつけないだろ」
「へぇ……相沢くんのご両親って、仲、いいんだね」
「さぁ、どうだか。それより、嘉島はなんでもまた学校に?」
「あっ……うん…………」
嘉島は急に黙り込むと、顔を赤らめながら、顔を伏せてしまった。
予想外の反応だ。
「えっと……嘉島?」
「あの!」
急に嘉島が、勢い込んで立ち上がった。
「あの……相沢くんって……好きな人……いる…………?」
「……いや、いない」
「だったら……」
嘉島はおでこまで真っ赤にしながら、とんでもないことを口にしてきた。
「……わたしの……初体験の相手……して……くれないかな?」
♥ ♥ ♥
保健室には誰もいなかった。当たり前のことだが。
で。
「…………」
「…………」
俺と嘉島は気まずい空気のただ中にいた。
まぁ、どうせ何もかも終わるのだから、なにがどうなろうとかまわないって話もあるのだが、そんな思い切りができるぐらいなら、政府が真実を発表した日に、そういう行動を起こしていたはずだ。つまり、俺はどこまでいってもヘタレ野郎にすぎないってことだ。
「あ、相沢……くん…………」
保健室のど真ん中に立つ嘉島は、俺に背を向けたまま、消え入りそうな声で語りかけてきた。
「……どうした?」
「あの……ね…………」
嘉島は下腹部のあたりをさすりながら、顔を伏せていた。
だが、それ以上、なにも言い出さなかった。
俺は待つことにした。というより、待つ以外のことができなかった。
「……相沢……くん…………」
ようやく嘉島が口を開いた。
「あの……ね……」
「あぁ」
「わたし……ね……」
「あぁ」
「その……処女だけど……その……処女じゃ……なくて…………」
「……んっ?」
言葉の意味が理解できない。処女だけど、処女ではない???
「相沢くんのこと……思って……思いながら……オナニー……してたら……激しくて……激しく……なっちゃって……自分で……その……指で……破いちゃって…………」
ようやく理解できた。つまり、処女だけど処女膜は破れている、と言いたいのだ。
「自分で……破い……ちゃって…………ぐすっ」
嘉島は静かに泣きだした。
「ごめん……相沢くんに……あげようって……思ってたのに…………」
「嘉島……」
胸がしめつけられる思い――というのは、このことなんだろう。
俺は嘉島に近づき、思いきって、背中から彼女の体を抱きしめてみた。
一瞬、嘉島は体を強ばらせたが、ぐすぐすと鼻をすすりながら、体に回された俺の手に、自分の手を重ねてきた。細くて、小さくて、柔らかくて、ひんやりとした嘉島の手の感触は、ものすごく心地よかった。
俺は嘉島の体を俺のほうに向かせた。
嘉島は目を閉ざし、顎を少しだけあげた。
キス。
唇が触れ合うだけのキスだったが、だんだん、溜まらなくなってきて、俺は嘉島の体を強く抱きしめた。嘉島の腕も、俺を抱きしめた。唇が離れたあとも、嘉島は俺の胸に額をおしあて、俺は嘉島の髪に鼻を差し込んだ。
いいニオイがする。
すぐ折れてしまいそうで、それでいながら柔らかい体が、愛おしくて、愛おしくて……
「……嘉島」
「……んっ?」
「俺……今の、ファーストキスだったって言ったら、どう思う?」
「……嬉しい」
「嘉島は……?」
「わたしは2回目」嘉島はクスクスと笑った。「最初は由香なんだ、わたしの相手」
「佐々木?」
嘉島と仲のいい女子のことだ。
「うん。昨日、由香と、キスってどんな感じかなって話になって」
「なんか悔しいな、それ……よしっ。あとで絶対、佐々木のこと泣かしちゃる」
嘉島はクスクスと笑った。
「それだと喜んじゃうよ。わたしも由香も、マゾっ気、あるみたいだし」
「……マジ?」
「うん。だから……ね」
嘉島はこくっと唾を飲み込んだ。
「最初は……レイプするみたいに……して欲しい……かな…………あっ
♥」
俺は嘉島の唇を奪った。
なんだかたまらなくなって、無茶苦茶に舌を差し込み、嘉島の口を犯しまくった。
♥ ♥ ♥
嘉島の脚がカクカクと震えだしたところで、俺は唇を離し、嘉島を横抱きに抱え上げた。
そのまま俺は、保健室のベッドに嘉島を運んだ。
横たえるが早いか、俺は嘉島の両手首を掴み、バンザイをさせながら再び唇を貪った。
息が詰まるぐらい、嘉島の唇を犯した。
そのまま顎を舐め、首筋に舌を這わせた。
「あっ、ダメ、いや、やめて……」
嘉島は抵抗した。だが、本気でないことは確かめるまでもなかった。
俺は細い嘉島の両手首を、交差させつつ左手一本で押さえ込んだ。
空いた右手で、嘉島の胸を掴んだ。
小振りだが柔らかい胸の感触に、俺の興奮はさらに高まった。
「いや、痛い、相沢くん、だめ、そんな……」
乱暴に胸を揉みしごく。
ふと、ブラジャーの感触が無いことに俺は気が付いた。
「……ブラジャーはどうした?」
俺は彼女の耳元に囁きかけた。
嘉島はカーッと顔を赤らめながら応えた。
「……つけて……ません…………」
「いつからだ?」
「……教室で……ひとりでいる時…………」
「外したのか?」
「……うん」
「返事は『はい』だろ」
「……はい」
「興奮したか?」
「…………」
「答えろよ」俺は一瞬考えてから、「興奮したんだろ、弥生」
俺は嘉島の名を呼びながら、服のうえから、少しだけ固い嘉島の乳首を強めに摘んだ。
「ああっ!」
嘉島――いや、弥生は背をのけぞらせた。
「どうなんだ? 教室でノーブラになって、興奮したんだろ?」
「……はい」
弥生の吐息は熱を帯びていた。摘んだ乳首をコリコリと刺激すると、ビク、ビク、と面白いように弥生は反応した。
「ブラジャーだけじゃないな?」
俺は予感を覚えながら、弥生に尋ねた。
弥生はブルッと全身を震わせた。
「答えなくてもいい」俺はベロッと弥生の耳を舐めた。「これから確かめる……」
「いや、ダメ――」
察した弥生は、股をすりあわせつつ、俺の動きから逃れようとした。
だが、すでに弥生は全身に力を入れられない状態にあった。
乱暴にスカートをめくりあげた俺は、弥生の異様に柔らかい太股を撫でてから、おもむろに股間へと手を差し込んだ。必死に脚を閉じようとするが、指先は淡い股間の茂みをしっかりと捕らえていた。
どうやら間違いないらしい。
俺は弥生の脚の間に、自分の右足を割り込ませた。
スペースが生まれた。
右手をさらに差し込んだ。
やはりそうだ。
弥生はショーツを履いていない。ノーブラなだけでなく、ノーパンだったのだ。
そればかりか、弥生のアソコは異常なほど熱く――すでにベトベトに濡れていた。
「いや、ダメ、あっ、あぁあああ!」
ヌチュッと指を押し込むだけで、弥生は顎をのけぞらせ、小刻みに体を震わせた。
思いもしなかった激しい反応だった。
それ以上に、生まれて初めて触れるアソコの柔らかさとベトベトさに、俺の興奮は爆発寸前のレベルにまで高まっていた。
「悪い、弥生。もう、我慢するの、無理」
俺はトランクスごとスウェットパンツを引き下ろし、ぐったりとなった弥生の脚の間に体を割り込ませた。そのまま唇を弥生の首筋に押しつけ、弥生の右太股を左腕で抱え、今にも爆発しそうなペニスを、煮えたぎるような弥生のアソコに押しつける。
だが、なかなか入らない。
それでも、亀頭をアソコにすべらせるだけで、腰が痺れだした。
ヌチャッ、ヌチャッと亀頭に熱い柔肉がまとわりつくのだ。入っているわけではないが、亀頭の半分近くが包まれている感触さえある。
「……待って……少し……少しだけ…………」
弥生がか細い声をあげた。
だが、俺にはもう、弥生のことを思いやれる理性が残っていなかった。
その直後だった。
「ぐっ――!」「あっ――!」
ズニュッと、俺のモノが弥生の中に滑り込んでいった。
いや、飲み込まれた。
突き刺した、でもいい。
とんでもなく狭いくせに、ものすごかく柔らかく、ものすごく熱く、ものすごくヌルヌルした、それでいながらグネグネと動くモノの中に、俺のペニスが入り込んでいた。
弥生は口を大きく開けながら、顎をのけぞらせ、小刻みに震えていた。
「は、入ったぞ! 弥生、入ったぞ!」
俺はなんだかわからないことを口走りながら、もっと奥まで入り込もうと、弥生の両太股を抱えながら、腰を動かし出した。
最初はもどかしさを感じるぐらい、うまく動くことができなかった。
だが、腰と脚の使い方にコツがあるのだと気づくが早いか、俺は狂ったように、剛直したペニスを弥生の奥まで突き刺した。
膣壁とこすれる感覚が格別だった。
もっと深く、もっと深く――と思った俺は、つながったまま体を起こし、改めて弥生を見下ろした。
バンザイでもするように両手をあげた弥生は、目と口を半開きにしたまま、ぴくぴくと全身を震わせ続けていた。喘ぎ声どころか、小刻みに呼吸をするだけで精一杯らしい。
俺はセーラー服を押し上げ、弥生の可愛らしい胸を露出させた。
ほどよいふくらみの先端に、桜色の乳首がポチッと突き出ていた。
俺は乳首にむしゃぶりつきながら、さらに腰をふった。
ズニュッ、ズニュッと弥生の柔肉が裂けていく。
引き抜くたびにプチュッという音が聞こえ、突き刺すたびにペチャッという粘液質な音が聞こえた。
俺は弥生の胸を口の中で堪能しながら、何度も何度も弥生を貫いた。
目の奥でチカチカと星が瞬いた。
射精感がこみあげてくる。
だが、もったいない。もっと、この快感を貪りたい。
上半身を起こした俺は、ガンガンと腰を突き出しながら、声を張り上げた。
「だ、出すぞ、弥生! 出すからな、膣(なか)に、弥生の膣に出すからな!」
限界だった。
――ドプッ! ドプッ! ドプッ! ドプッ!
俺は弥生の膣に射精した。
中出しだ。
俺がドプッと吐き出すたびに、弥生はビクッと体を震わせた。
「あああ……」
生まれて初めて女の中に吐き出している――その感覚は、自慰では味わうことのできない、達成感と背徳感に満ちていた。
「う゛っ……う゛っ……う゛っ…………」
俺は完全に出し切るまで、弥生の奥の奥までペニスを押し込み続けた。
♥ ♥ ♥
息も絶え絶え。俺はつながったまま、弥生のうえに倒れ込み、荒い呼吸を続けていた。
しばらくすると、弥生が両膝をたて、両腕を俺の背に回してきた。
「……弥生」
俺は腕立て伏せの要領で体を少しだけ離し、弥生の顔を見た。
「悪い。大丈夫か?」
「……うん
♥」
弥生は心から嬉しそうに、とろけるような笑顔を浮かべていた。
「いきっぱなしで死んじゃうかと思った」
「あっ……そうだったのか?」
「うん。相沢くんに犯さるって思うだけでいきそうだったし……それに相沢くんが入ってきた時、ちょっとだけ痛かったの」
「えっ?」
「膜、残ってたみたい。でも……」
弥生は恥ずかしそうに視線を逸らしながら、
「痛いのが……本当に相沢くんのものになった気がして…………」
これは反則だ。
「……あっ」
弥生は小さくつぶやき、俺を見上げた。
「……また大きくなった?」
「なるだろ。そんなこと言われたら」
というより、まだ若いので一度や二度では満足できないだけという話もある。
俺はそのまま、弥生の上着を脱がせ似掛かった。すぐにそれと差した弥生も協力してくれたので、すぐ弥生は上半身が裸になった。さらに弥生は、スカートのジッパーを降ろし、下からではなく、上に向かってズリ上げ、これもまた、つながったまま脱いでしまった。
次は俺の番だ。Tシャツを脱ぎ、足を使ってトランクスとスウェットも放り投げる。
残る着衣は弥生のハイソックスのみ。
「弥生……」
「相沢くん……」
俺たちは文字通り、肌を重ね合わせ、そのまま唇を貪りあった。
「ここまできて相沢くんはないだろ、相沢くんは」
俺は軽く腰を動かしながら弥生に語りかけた。
「あっ……んっ……でも……相沢くんは……んっ……相沢くんだもん…………」
「だまれ、この雌犬」
俺はカプッと弥生の耳を甘噛みした。
弥生はくすぐったそうにクスクスと笑った。
「うん。わたし、相沢くんの雌犬です
♥」
「本当にマゾっ気、あるんだな」
「……そういうの、いや?」
「その反対。どうも俺って、サドっ気あるみたいだし」
「うん。さっきのすごかった。もみくちゃにされて……どうにかなっちゃったし」
「気持ちよかった?」
「うん。すごかった。わたしは?」
「気持ちよすぎ。少し激しく動いて、いいか?」
「うん、好きなだけ動いていいよ。わたし、相沢くんだけの雌犬だから……あんっ
♥」
上半身を起こした俺は、弥生の両足をおもっきり左右に開きながら、本能のおもむくまま腰を突き出した。
弥生は枕元のシーツを掴みながら、かわいらしく喘ぎだした。
弥生は体が小柄だ。当然、膣も子宮も小さい。さっき出した俺の精液は当たり前のようにあふれ出し、グジュグジュという音をさらに強めた。激しい出入りが続く結合部には、白い泡すら生まれている。
「弥生、そろそろ、出す、ぞ――!」
「んぁ、い、いいよ、出して、わたしの、子宮(なか)、相沢くんので、いっぱいにして!」
「う゛っ――!!」
俺は急激にこみ上げてきた射精感を、我慢することなく開放した。
――ビュッ! ドプッ! ビュッ! ビュッ!
弥生の子宮めがけて精液が注がれていく。
「あっ……
♥」
弥生はブルッと震えながら、うっとりした表情で結合部に目を向けていた。
「きてる……相沢くんの熱いの……いっぱい、染みこんで……
♥」
そんなことを言いながら、弥生は下腹部に両手を添えた。俺は射精の快感に酔いしれながら、うっとりと下腹部をおさえる弥生の姿に、言いしれぬ充実感を覚えた。
♥ ♥ ♥
日本時間で今日の夜10時頃、巨大隕石が地球に衝突する。パニックを恐れた各国政府は、万策尽きた1週間前の時点で、ようやく真実を公表した。
それでも俺は弥生を犯した。
弥生は犯され、危険日の子宮で精液を受け止めた。
俺と弥生は対面座位でつながったまま、子供の名前はどうしようか、なんてことを語り合った。三度目の膣内射精も、このうえなく気持ちよかった……
おわり