アニメの楓カワイソスってことで(稟×楓)

605 名前:アニメの楓カワイソスってことで :2005/12/11(日) 20:41:29 ID:x3rTb5OS
 シャワーから降り注ぐお湯を頭から浴びたその瞬間、芙蓉楓は唐突に思い出した。
『ねえ、楓。ファーストキスってどんな味だった?』
 それは降って湧いたような話題だった。
 昼間、学校で麻弓に尋ねられた楓は願望を胸に仕舞い込んで首を傾げるしかなかった。
(でも、許されるのなら……望んでくれるのなら……稟くんに――)
 そう思った楓の目の前で、それはあっさりと打ち砕かれてしまった。
『八年前、この街で……稟くんと』
 リシアンサスのその言葉は、誰が想像するよりも深く楓の胸に突き刺さった。
 幼い頃の出来事。綺麗な思い出。たとえ無理矢理にでもそう言って納得できればどれだ
け気が楽だろう。でも結局どう表現したところで事実は何も変わってくれない。
(稟くんは……シアちゃんと、キス……してる……)
 ずきん、と心が痛む。
 しかしその痛みを認めてしまうわけにはいかなかった。八年前のこととなれば尚更だ。
 楓には嫉妬も羨望もする資格はない。彼への想いは一方的でなければならない。何一つ
として見返りを求めてはならない。ただ与え続けるだけの無償の愛でなければならない。
それが幼い自分が犯してしまった罪の贖いなのだから。
「そう、だから……私は笑ってないといけないんですよね……稟くんが誰と何をしようと、
私には、何も言う権利なんて……」
 蛇口を捻り、お湯を止める。シャワーから溢れた水滴がタイルに落ちて虚ろな音を浴室
に響かせた。何回も。何十回も。
 どれだけの時間が過ぎただろう。時を刻むかのような水音はいつしか止まり、静寂が訪
れていた。
「――ッ!」
 ふと、楓は細く息を呑んだ。すっかり冷え切った自らの身体を、その細い腕で強く掻き
抱く。指先が白い肌に食い込み、華奢な肩が小刻みに震えた。
「稟、くんっ……」
 吐息混じりに絞り出すような声が漏れる。
「嫌です……やっぱり嫌ですっ……私は、私には、稟くんだけなのに……っ」
 そしてその後に続いたのは、哀しいほど悲痛な愁訴。誰も聞いてくれない、誰も頷いて
くれない、そうと分かっていても吐露せずにはいられない想い。
「好きです……世界中の誰よりも、稟くんを愛しています……稟くんを……稟くん……稟
くん……っ」
 楓は縋るように愛する人の名を呟きながら、頭の中に土見稟その人の姿を思い描く。こ
の稟にだけは何の屈託もなく自分の好意をぶつけられる。一時の激情に駆られた行為がそ
の後に今まで以上の罪悪感を残していくだけだとしても、楓はそれを止めることができな
い。
「ああ……稟くん……」
 自分にしか見えない彼がすぐ近くに居る。ただそれだけで楓は身体の芯が熱く潤うのを
実感できた。
 甘く疼き出した乳房をそっと掌で包む。それは楓の手にはやや余るほどの量感があり、
しかもしっかりと指を押し返すほどの張りもある。自賛する積もりはないけれど、触り心
地はとても素晴らしい。
「ん、ふあぁっ……稟くん……気持ちい、です」
 手の蠢きに合わせて膨らみは淫らに歪み、じわじわと熱を孕んでくる。全身に染み渡る
淡い快感に陶然としながらも、ふと楓はその手を鈍らせた。
(でも……でも、こんなの――こんなこと、稟くんへの侮辱も同然なのに……)
 霞がかったような頭の片隅で非難の声があがった。しかし、それも半ば無意識的に動い
た指が胸の先端を緩く捻った瞬間に呆気無く霧散してしまう。そしてもう片方の乳首を掌
で転がし始めると、その倒錯感さえ何とも言えない悦楽に転じるのが分かった。
 最早、熱に浮かされたかの如く理性的な思考がおぼつかない。楓はただ快楽を求めて胸
を揉みしだいた。
「あ、はあぁ……あぅ、んん……っ」
 鼻に掛かった声が抑えようも無く漏れてしまう。実際にはそれほど大きな音量ではない
のかもしれないけれど、狭い浴室に響いて耳に入ってくると大声で喘いでいるみたいにも
思える。
 ――もし稟くんに聞かれてしまったら……
 楓の脳裏にそんな不安とも期待ともつかない考えが過ぎった。
 もしそんなことになったら、一体彼はどのような反応を示すのだろう。ただ驚くだけか
もしれない。或いは、はしたないと軽蔑してしまうかもしれない。或いは……或いは、こ
んな自分の姿に欲情してくれるかもしれない。

606 名前:アニメの楓カワイソスってことで :2005/12/11(日) 20:42:27 ID:x3rTb5OS
 そう思った途端、一気に身体中が熱く火照った。
「んんっ、んあぁ! 稟、くんっ……そ、んなっ……ふあぁっ!」
 脳裏に描いた稟が、情欲を灯した瞳で楓を見つめる。
 いつの間にか擦り合わせていた太腿の付け根に楓は手を伸ばした。
「ん、やあぁっ、稟くん、だめっ、ですぅ!」
 既に熱を帯びてしっとりと濡れているそこにただ触れただけで、身体が震えるくらいの
快感を得られた。開きかけた陰唇の回りをなぞれば指先に淫液が絡む。もうそれだけ濡れ
ているという事実は、羞恥よりもむしろ情欲の方を煽った。
 楓は胸をその先端ごと捏ね繰り回しながら陰唇の中に人差し指を差し入れた。粘膜の敏
感な場所を探り当て、じっくりと快感を引き出すようにして擦る。
(だめ……足りない。もっと、もっと、たくさん……)
 その刺激に慣れると、一旦指を抜いてもう一本増やしストロークを再開する。人差し指
と中指を揃えると男性のペニスには劣るにせよそれなりの太さになるというのに、楓の膣
は難なくそれを飲み込んできつく締めつける。
「ふああっ! あぁっ、いいっ、ああんっ!」
 少しずつ意識が離れていくみたいな浮遊感が全身を包む。
 近づきつつある限界を予感して、楓は両手の動きを加速する。
「んあぁっ! 稟くんっ、稟くぅん! 好きっ、好き、ですぅ、んんっ!」
 乳房から手を離し、硬く尖ったクリトリスを指で挟んで絞り上げる。目が眩みそうにな
るほどの快感が弾け、がくがくと腰が震えた。
 頭が真っ白に染まり、もう自分が何を口走っているのかさえ分からなくなる。
「あっ、んあっ、稟、くんっ! りんくんっ、んん、わたし、もうっ――!」
 圧倒的な性感の奔流に押し流されながら、楓は稟の名前と嬌声と淫猥な水音を浴室に木
霊させた。
「ふああああぁぁ――ッ!」
 びくびくと身体が痙攣した直後、尿意に似た感覚がして、股間から透明な液体が迸った。
 やがて息を整えると、濡れた両手を眼前に掲げて、楓は自分が絶頂に達したことをぼん
やりと悟った。



 いつもならそこで終わる筈だった。
 稟を自分の妄想で冒涜し穢してしまったという罪悪感と、夢想でしか叶わない願いなの
だという絶望感とで涙を流して、それだけで終わらせてしまう筈だった。なのに、今日は
違った。
 オルガズムを迎えても体の疼きも心の疼きもまるで治まってくれない。それどころか、
自慰の後の空虚感が楓の不安を強く掻き立てた。
 こうして稟のことを夢想に求めるしかない楓と違って、彼の周りには現実に魅力的な女
の子達が居る。ネリネやリシアンサスやプリムラ、そして時雨亜沙。彼女達は真っ直ぐに、
何の負い目もなく稟に「好き」と言える。それは楓には出来ないことだ。
 だから狂おしいほどに怖い。稟は楓の恋人などではない以上、彼女達の好意を受け入れ、
自分の元から離れていってしまうかもしれない。それを「嫌だ」と言うことすら出来ない。
 その懊悩が、あらゆる理性を抑え込んで楓を突き動かしていた。
 濡れた髪もそのままに、タオルを体に巻いただけの格好で、ふらふらと稟の部屋の扉に
向かう。ノックをせずにノブを回す。
 稟の姿はベッドの上にあった。仰向けに寝転んで何かの雑誌を読んでいた。
「ん、誰だ? プリムラか?」
 雑誌から目を離さぬまま稟が誰何する。
 楓はそれには答えず部屋の中に入り、後ろ手にドアを閉めた。
「何だ……」
 いつまでも無言でいるのを不審に思ったのか、稟は訝しげな声を上げてこちらに視線を
向けた。楓の姿を捉えた瞬間、その目が大きく見開かれる。
「か、楓? ど、どうしたんだ、そんな格好で」
 そう言って稟は慌てたように体を起こした。
 その質問には答えずに、楓は彼を見据えたままタオルの結び目を解いた。体を覆ってい
たそれは軽い音を立てて床に落ち、稟の目に生まれたままの楓の姿が晒される。
「な――!?」
 稟が言葉にならない声を発して顔を背けた。しかし、その瞳が確かに自分の裸身を映し
ていたのを見て、楓の胸におかしくなりそうなくらいの喜びが湧き上がった。
 ゆっくりと、一歩ずつ、彼の方へと近づいていく。

607 名前:アニメの楓カワイソスってことで :2005/12/11(日) 20:43:25 ID:x3rTb5OS
「ま、待て、楓っ! どうしたんだよ! こ、こんなこと――!」
 それほど広い部屋ではない。稟の言葉が終わるよりも早く、楓はベッドの前にまで歩み
寄っていた。
 稟の頬にそっと手を添えてこちらを向かせる。抵抗は無かった。整ったその顔には、欲
望よりも困惑の色合いが強く出ている。
「稟、くん……」
 呟くと同時に、楓は稟の唇に自分の唇を重ねた。
 優しく、柔らかい、感触。ずっとずっと、焦がれていた感触。
 それは夢想に描いていたよりも遥かに心地良くて、切なくて、甘かった。
 長い長い空白を挟んで、ゆっくりと楓は顔を離した。
「かえ、で……?」
 呆然とした面持ちで稟が呟く。「何故?」と彼の目が問いかけていた。
「稟くん……私は、怖いんです……」
「怖い?」
 尋ね返す稟に、楓は小さく頷く。
「シアちゃんが、リンちゃんが、リムちゃんが、亜沙先輩が……稟くんを、私の知らない
遠くへ連れて行ってしまいそうで……怖いんです……」
「……」
「私は……私、にはっ……稟くんだけなんです……っ! 稟くんの傍に居れない私には、
これっぽちの価値だってないんです!」
 じわっ、と視界が滲む。稟の哀しげな顔が膜を通したように遠くなった気がした。
「私は稟くんに助けてもらったのに、稟くんをいっぱい傷つけてしまったから……っ!
だからっ……私は稟くんに恩を返さ、ないと……っ!」
「楓――」
「でも、稟くんのことが好きで……この想いをそのための道具みたいにしたくなくて……
だから、稟くんには愛してもらう訳にはいかないんだって……稟くんが誰を好きになって
も、私には何も言えないんだって……っ!」
 楓の大きな瞳から、堰を切ったように涙が零れた。頬を伝ってぽろぽろと落ちては湧き、
また落ちては湧く。何年ものあいだ心の奥底に押し込んで凍らせていた本音が、涙と一緒
に溶け出していた。
「やっぱりそんなのは嫌です……っ! 私は稟くんのことを愛しています! 誰よりも、
誰よりも……っ」
 楓は震える手で稟に縋りついた。
「どこにも、行かないでください……ずっと、一緒に……居て、ください……っ」
 手の震えは肩に伝わり、やがて全身にまで至った。
 ふと――心細いほどに冷えていた体が、温かい何かに包まれる。それが稟の腕だという
ことに、楓はしばらく経ってから気づいた。
「なあ、楓……子供の頃にした約束、覚えてるか?」
 耳元で稟が穏やかに囁く。
「丁度、今くらいの季節だったっけ。花火をやりながら、『ずっと一緒に居よう』って約
束したよな」
「稟くん、覚えて……?」
 それは、楓が赦されがたい罪を犯してしまうよりも昔のこと。とうに稟は忘れてしまっ
ていたとばかり思っていた、楓が彼の傍に居られる理由。
「俺はその約束を守って楓と一緒に居る。それはどうしてだと思う?」
「どうして、ですか……?」
「こう言えば分かりそうなもんだけどな、普通」
 呆れたように嘆息して、稟は言う。
「楓のことが好きだからに決まってるだろ。どこの世界に嫌いなやつと一緒に居る人間が
いるんだよ」
「あ……稟、くん……」
「俺もお前が好きだよ。色々あったとはいえ、あやふやな態度が楓を追い込んでしまって
いたのなら、それは本当に悪かったと思う。ごめんな、楓」
「り、稟くんが謝ることなんてありませんっ! 私が……私が勝手に取り乱してしまった
だけですから!」
 こんな時でさえ自分を傷つけまいと謝ってくれるその優しさに、自分が思うよりもっと
ずっと稟が近くに居てくれたその事実に、楓を支配してた狂気的な感情の渦が霧散する。
わだかまかりが消えてなくなると、今度は胸に穴が開いたような脱力感が訪れて、楓はそ
の場にへたり込んでしまった。
「ところで、楓」

608 名前:アニメの楓カワイソスってことで :2005/12/11(日) 20:44:36 ID:x3rTb5OS
「はい?」
「ほら、これ」
 と稟がタオルケットを差し出してくる。
「えっと……何て言うか、目のやり場に困ってるんだ、さっきから」
 稟らしいといえば稟らしい言葉。ただ、今の楓はそう思うよりも、どういう訳か仄かな
苛立ちを覚えた。
「あの……稟くん。魅力、ありませんか、私」
 そんな台詞が口をついて出たのは、まだ多少とも気が昂っているせいだろうか。
「いや、魅力とかそういう問題じゃなくてだな、その……えっと……」
「私は、稟くんに、ずっと……抱かれたいって、思ってました……」
 『抱かれたい』という直接的な表現に、稟の顔に赤みが差す。勿論、楓の心中にも羞恥
はあったが、それよりも今でなければせっかく芽生えた勇気が萎えてしまうかもしれない
という焦燥に似た感情が強い原動力となっていた。
「稟くんはどうですか? 私を好きでいてくれたのなら……私のことをそうしたいとは思
いませんでしたか?」
「いや……でも、だな……」
 煮え切らない態度を取る稟の手を楓はおもむろに掴み――そして、自分の胸へと導いた。
 声を呑んだ稟に、艶然と問う。
「稟くん。私を、抱いてくれませんか?」



『りんなんて、死んじゃえばいいんだ!』
 ふと、八年前の光景が脳裏を過ぎる。
 あの時は何も知ろうとせず、短絡的な憎悪で稟を傷つけてしまった。いま考えれば悪魔
に唆されたとしか思えないことだが、その罪は消しがたい事実として楓を苛んでいた。
 やがて真実を知り、泣きながら稟に謝罪したとき、彼を憎むことから愛することへと生
きる目的が変わった。自分の何もかもを差し置いてでも稟に全てを捧げるほど、それが苦
痛だとは微塵も思わぬほど、彼を愛した。そして愛せば愛すほどに苦悩した。どれだけ稟
を愛したところで、それは結局のところ彼から赦しを得るためのものになりかねない。い
や――忘れえぬ罪を犯したしまった以上、そう受け取られても仕方が無い……
 だから、楓は稟を愛しながらも、稟から愛してもらうことを諦めようとした。
 だがそんなことが出来る筈はないのだと、楓自身が最初から理解していた。そうするに
は、楓はあまりにも稟のことを愛しすぎていたのだから。
「楓……」
 稟はまだいささか迷いの残る様子で、それでも優しく楓をベッドに横たえ、髪を梳いて
くれる。
 胸の内側がむず痒くなるような幸せに包まれながら、楓は稟に全てを委ねる積もりで緩
く瞼を閉じた。
「やっぱり、俺にはまだ楓のようにはっきりと言い切ることはできないかもしれない。で
も楓のことは好きだし、もっと触れたいと思う。だから……そんな俺とで良ければ、一緒
に先に進んでくれないか?」
 楓は無言で頷いた。
「ありがとう。まあ、万一のことがあったら、きちんと責任は取るよ」
 稟が近づいてくる気配して、ゆっくりと唇が重ねられた。
 歯列を割って入ってきた舌が、控えめに楓の舌に絡む。そうして粘膜を擦られる度に、
頭の中が蕩けるような熱を帯びてくる。焦らされているのではと思ってしまうほどじっく
りと口腔を吸われた頃には、もう楓の頬はすっかり赤らんで、体も炙られたように火照っ
ていた。
「はあ、ぁ……稟くん……凄かったです」
 どちからともなく唇を離し、少しのあいだ見つめ合った後、楓は陶然として言った。
「そう、だな。俺も、こんなに気持ちいいものだとは思わなかった」
「その……もう一回、して、くれますか」
「何回でも気が済むまでしてやるよ」
 言うや否や、濃厚なキスを再開する。
 今度は導かれるまま稟の唇を吸い、その口内を辿り、舌を絡め合う。
 やがて稟は顔を離すと、口づけの余韻が覚めやらぬ間に楓の首に舌を這わせ、乳房を手
で包んだ。
「ん……んんっ……」
 膨らみを揉まれてつい漏れそうになった声を楓は慌てて押し殺した。

681 名前:605の続き :2005/12/24(土) 09:54:45 ID:F55eJ4AU
 何せ楓の唇のすぐ先に稟の耳があるのだ。こんな声を間近で聞かれるのは流石に恥ずか
しい。
 が――
「あっ、んああっ……やあぁ、稟、くんっ」
 不意を衝くように乳首を摘まれ、堪らずに喘いでしまう。
「声、んんっ……で、出ちゃい、ますぅ……ふああっ」
「出せばいいだろ。どうせ俺以外には誰も聞いてないよ」
「やっ、恥ずかしい、です……ああんっ、んんっ」
 刺激されて硬く立ち上がった突起が稟の掌の下で転がる。
 時には痛いほど強く、時にはもどかしいほど弱く……そんな自らの意思の与り知らない
愛撫に楓はただただ翻弄され、よがってしまう。
 自慰などよりもずっと気持ちいいのは確かなのだけれど、同時に身体の虚も切ないほど
に疼いた。
「ん、はあっ、あぁ……稟くんん……っ」
 早く触れてほしい。足りない部分を埋めてほしい。
 そんな思いが届いたのかどうかは定かでないが――稟の手が、僅かに茂った陰毛を掻き
分けて、楓のそこに触れた。
「……楓、凄く濡れてる」
 驚いたように稟が言った。
 実際、そこは楓が普段自分で慰める時よりも多くの蜜で潤い、愛する人を待ちかねるよ
うに開きかけている。勿論、楓はそれを自覚していたし、自覚していたからこそ何も答え
られなかった。ただ今まで以上に赤く染まった顔を逸らし、少しでも稟の視線から逃れる
ために身体を捩じらせることしかできない。
 だが、楓のそんなささやかな抵抗を稟は片手で腰を押さえ込んで止めてしまう。
「稟くん、私……稟くんだから、こんな……」
「ああ、分かってる」
 稟は穏やかに笑んで、楓の額に唇を触れた。
 大丈夫、彼はきちんと理解してくれている。全てを任せられる。受け入れてくれる。改
めてそう思うと、楓の身体を強張らせていたものが、すうっと抜けていった。
 ゆっくりと稟の指が入り込んでくる。自分の指以外のものを知らないそこは、彼と繋が
るにはまだ少しだけ硬い。
「んっ、ああ、稟くん……あんんっ」
 敏感な粘膜が丁寧に擦り回される。されていることは自慰とさして違わないのに、それ
以上に湧き起こる快感に楓は甘く喘いだ。
 不意に、稟が楓の中に入れたままの指を捻った。
「あうっ、ん、ああぁ!」
 まるで身体中の神経を捩られるかのような性感が楓を襲った。陰部のあらゆる所が刺激
され、その上、肉襞を掻き回されてしまったのだ。まだ多くを知らない楓にとって、その
刺激はいささか強過ぎる。
 更に、それに加えて稟は親指の先ですっかり膨張した楓のクリトリスを突っついた。指
がストロークする度に、クリトリスまでも押し潰されてしまう。
「あんっ、ん、稟くん、だめっ、だめです!」
 意識が遠退くような感覚がした。楓は必死に頭を振ったが、近づく絶頂を押しやること
など到底かなわない。
 今や部屋中に響くほどの水音も、勝手に痙攣して止まない腰も、もう自分のものではな
いみたいにも思えてくる。ただ一つ、確かに身体を包み込むのは、甘く心地良い浮遊感。
それが行き着くところにまで達した瞬間、楓はきつく唇を噛み締めた。
「んんっ、んんんん――――ッ!」
 びくん、と二度三度大きく身体が跳ねる。
 少しのあいだ緊張したままでいた肢体が弛むと、楓は糸が切れた操り人形のようにぐっ
たりとして熱く荒い息をついた。
「楓」
 乱れた呼吸が落ち着いた頃、稟がそっと楓の頬を撫でた。
 その手に自分の手を重ね、楓は微笑んだ。
「稟くん……私、今とっても幸せです……もし、このまま死んでしまっても、それでも構
わないくらい幸せです……」
「それは俺も嬉しいんだが、喩えでも死ぬなんて縁起でもないことは口にしないでくれ。
八年前、一度は本当に楓のことを失いかけてるんだから、あまり良い気分がしない」
「あ……ごめんなさい。でも、本当にそれくらい、幸せなんです」
「ああ。俺も幸せだよ。こうしていると、はっきりと分かる気がする。楓のことが好きな

682 名前:楓っつーかネリネもシアも空気みたいでカワイソス :2005/12/24(土) 09:56:06 ID:F55eJ4AU
んだって」
 そう言って、稟は楓と唇を触れ合わせた。舌を絡ませたりもしない、ただそれだけのキ
ス。けれど、その感触はどんな言葉よりも雄弁に楓への愛情を語っているようだった。
 稟は顔を離すと手早く服を脱いだ。直視するのは憚ったが、それでもちらりと視界の端
に勃起した彼の性器を捉えて、楓の胸は高鳴った。自分の姿に反応を示しているというこ
とが純粋に嬉しかった。
「じゃあ、楓……いいか?」
「はい、稟くん」
 確かめるように稟が楓の陰部に指を差し入れる。十分に濡れてはいるが、とても窮屈だ。
 稟のペニスの先端がそこにあてがわれると、楓は瞼を下ろして身体の力を抜いた。ゆっ
くりと彼が入ってくる。途中までは意外と滑らかに進んだものの、やはり避けられない部
分に至ると動きが止まった。
「楓、大丈夫か?」
「私は大丈夫です。ですから、何も気にしないで稟くんのしたいようにしてください」
「……頼むから、痛かったり無理そうだったらちゃんと言ってくれよ」
 心配そうな顔を見せる稟に、楓は無言で微笑んだ。
 稟は小さく溜息をついてから再び奥へと進みだす。下腹の中で走った鋭い痛みに楓は思
わず声を漏らしかけたが、反射的に奥歯を噛んで堪えた。ずっとこれが続くのだろうかと
考えて流石に怯みかけたが、その後は特に抵抗も無く完全に繋がることができた。
「どうだ、痛くないか?」
「痛みは、それほどでもない、です……けど、少し、苦しい感じが、します……」
「そうか」
「ごめん、なさい……今は、もう少し、このままで……」
 楓が呼吸を整えていると、稟が手を伸ばしてそっと髪を撫でてくれた。何度も何度も、
優しく励ますように。
「あの、稟くん」
「ん?」
「そろそろ、大丈夫だと思います。動いてみてください」
「分かった。辛かったら言うんだぞ」
U#@い」
 稟がゆるゆると腰を引く。そしてまたゆっくりと時間をかけて突き入れる。それはたゆ
たうような心地良い律動だった。段々と痛みが薄れて、代わりにじわじわと身体の内側が
熱くなってくる。
「ふぁ……んん、あっ……」
「楓……?」
「あっ、稟くん、んああ……気持ちいい、です……もう少し、動いても、いいですよ……」
 初体験はひどく痛くて女にとってはただ苦しいだけ。雑誌などの知識でそういうものな
のだろうと想像していたけれど、もう既に粘膜を擦られるこの感触に楓は酔っていた。
 楓の場合は多数意見が当てはまらないということなのか、それとも実際はこういうもの
なのか。いや、或いは――
(稟くんと……している、から……?)
 ぼんやりと稟の顔を見上げる。彼は楓が今まで見たことのない切なげな表情をしていた。
 ぞくっ、と楓の身体が震えた。 
「稟くんは、気持ちいい、ですか?」
「ああ……凄くいいよ、楓の中」
 吐息混じりに掠れた声音で稟が言う。
 いま確かに、愛する人がこの身体で快楽を得ている。そう思うと、楓は何とも言えない
悦びを感じた。
「私も、気持ちいいです……稟くんが居るのが、分かって……」
 動きが激しくなったからか、肌を打ち合う生々しい音がする。だがそれも、恥ずかしい
と思うよりも、ただお互いを高める要素でしかない。
 ふと、稟が手を伸ばして楓の乳房を揉みしだいた。
「楓……楓……っ」
「稟くん、ん……もっと、もっと、稟くんを、ください……ふあぁっ」
 楓も稟に合わせて体を揺り動かす。巨大な快感が体の中で渦巻いていた。無意識的に膣
内を締め付けると、稟が小さく呻いた。
「くっ……か、楓」
「稟くん、稟くんんっ!」
「っ、もう……っ」
 稟が腰を引こうとした……その瞬間、楓は咄嗟に彼の背に足を回した。

683 名前:楓っつーかネリネもシアも空気みたいでカワイソス :2005/12/24(土) 09:56:41 ID:F55eJ4AU
「なっ、楓――!」
 稟が焦ったような声を上げる。
 それでも楓は足を離さず、むしろより強くその体を絡め取った。
 楓の中で、何か熱いものが弾けた――そんな気がしたのは、或いはただの錯覚だろうか。
だが確信があった。彼の子種を受け止めたのだ、と。本能的な部分でそう悟った。
 しばらくして、楓は足を離した。
 稟は小さく溜息を漏らすと楓の中からペニスを抜いた。傍の机からティッシュペーパー
を取り出して自分のペニスを拭き、そして楓の陰部を拭った。後始末を終えると、楓の髪
を撫でながらその隣で横になった。
「責任取るとは言ったけどな……俺達まだ高校生なんだからさ、あんまり無茶はしてくれ
るなよ」
 穏やかな口調で稟は嗜めた。
「すみません。でも――」
 楓は微笑みながら言う。
「幸せです……私、本当に幸せですよ、稟くん」
「……俺も、幸せだ」
「そして、不安でもあります」
「不安?」
 稟が小さく眉をひそめる。
「あまりにも幸せすぎて、不安なんです。これでいいのかな、本当にこんなに幸せでいい
のかな、何か――何か落とし穴があるんじゃないのかな……そう思ってしまうんです」
「……」
「幸せな夢みたいで。目が覚めたら、どうしようもない現実が待っているような気がして……」
 楓は強く稟を抱きしめた。
「稟くん、ずっと一緒に居てくださいね。これが夢なら、覚めてなんかしまわないように。
これが現実なら、二度と泣かなくても済むように」
「当たり前だ。離れたりなんてしないさ。今まだってそうだったろ。これからだって、ず
っとそうだ」
 はっきりとそう言って稟は楓を抱き返した。
 その力強い感触に、楓は口元を綻ばせて、大きく頷いた。

684 名前:蛇足というか、オチというか・・・ :2005/12/24(土) 09:57:26 ID:F55eJ4AU
「稟くん、朝ですよ。起きてください」
 聞き慣れた声に目を開ける。
 窓から差し込む明るい陽光を受けて、楓が花のように微笑んでいた。
「おはようございます、稟くん。今日はとても気持ちのいい朝ですよ」
「ん……あ、ああ……そう、みたいだな」
 楓の顔を見た途端、一瞬にして稟の脳裏に昨夜の出来事が蘇った。いま考えてみると、
おそろしいくらいクサい台詞の叩き売りをしていた気がする。それに、自分も楓も殆ど狂
ったみたいに乱れていた。
 凄まじい気恥ずかしさに、頬が赤く染まる。稟はちらりと楓に視線を向けてみるが、彼
女はニコニコと微笑んでいるばかりだ。
 まさか昨日のアレは夢だったんじゃないだろうな――そんなことをふと思った瞬間、
「あの――昨日は、とても素敵でしたよ。稟くん」
 呟くように小さな声で楓が言った。
 見れば、その顔は仄かに赤く色づいている。
「さあ稟くん、起きてください」
 ついそんな楓の表情に見とれていると、慌てたように引っ張り起こされてしまった。や
はり照れているのだろうか。
「楓」
「はい?」
 ちょこんと首を傾げた楓に、稟は素早く唇を重ねた。
「ずっと、一緒に居るからな」
 顔を離してそう言うと、楓も「はい」と小さく頷いた。
 一階に下りてダイニングの扉を開けると、テーブルの上には湯気の立つ味噌汁とご飯が
並んでいた。
「……おはよう」
 椅子の一つに座ったプリムラが、ぼそっと挨拶を投げてよこす。その目の下にはくっき
りと隈ができていた。
「り、リムちゃん。も、もう起きてたんですか? それに、朝ごはんも……」
 驚いたように楓が言った。
「私が作った……それと、起きたんじゃない……眠れなかった……」
 あくまでも淡々と無表情でプリムラは言う。
「稟も……楓も……私が居ること、忘れてたみたいだし……」
 楓の頬が一気に赤く染まった。呆れるでも咎めるでもないただひたすらに無感動なその
口調は、いかにも客観的に事実を述べているのだという風で、聞かされる側としてはかな
り恥ずかしい。
「とにかく……二人とも……色々と考えた方がいい……」
「あ、ああ。そ、そうだな……」
 稟も震える声で頷くことしかできない。ずずっ、と覚めた様子で味噌汁を啜るプリムラ
を眺めて、前途はあまり楽なものでもないかもしれない――と漠然と思うのだった。


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