洪♂→普


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SS 
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洪♂→普:学パロ。独←普前提。

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 学パロ。洪♂→普。

『追いかけっこ』













「はぁ〜、マジせつねぇ」




盛大なため息とともに吐き出された言葉。

普段のこいつには不似合いな。



「は?何が」



横目でちらっと見ながらコーヒー牛乳をすする。



「ルートだよ、ルート」



ギルベルトの口から出た名前に理解した。

これからの話の展開を。



「俺にとっての1番はルートなのに」



吹き抜けの廊下にもたれて、向かい側の教室を眺めながら、再びため息。

俺の見ている背中が少し丸くなった。



「ルートの1番は俺じゃねぇ」




うなだれた頭。



ぽつりと呟かれる言葉はもはや独り言でしかない。

反応に困るとはまさにこのことだ。




「お前さぁ、俺にどんな言葉求めてんの?」



少し、イライラした。




こいつがルートヴィッヒのことでぐずぐずしだすと、きまって俺の胸はむかむか。

こいつはなんにもわかってないんだ。

お前からお前の気持ちを聞かされる俺の気持ちなんて。



「っせーな!やりきれなくてちょっと言ってみただけだよ!」



くるっと振り返ると、ギルの髪がふわりと揺れる。

再び顔を俯けて眉間に皺を作る。




「ルートはフェリちゃんが1番なんだ」



寂しそうに。

もどかしそうに。




そんな顔するな。

なんだって俺にそんな顔見せるんだ。



ギルを抱き締めたかった。

けれど俺の冷静な部分はその感情を押し留める。






「誰かを追い掛けてる奴は自分を追い求めてる奴になんて気づかねんだよな」








衝撃。






一瞬頭の中が真っ白になる。



その言葉を、言うのか。

お前が。



俺の前で。




「っはは、」


「なんだよ!笑うなよっ」




滑稽だった。

ギルベルトの言葉があまりに的を得ていて。

そう。気づかないものだよな。



お前も。




「っいや、本当、気づかないものだよなって思って」



俺に笑われたと思ってむくれているギルを見つめる。

笑ったのは俺にたいしてだよ。





「だって俺お前のこと好きだし」





意味を把握しきれずに愕然としているギルの顔を見て、俺は後悔よりもどこか満足を感じていた。











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洪♂普。
独←普前提洪♂→普。
友人Tに捧ぐ。


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