-------------------------------------------------------------------------------- SS -------------------------------------------------------------------------------- 露普:監禁。暴力あり。 -------------------------------------------------------------------------------- 露普。プーが可哀想。暴力無理な人は引き返すことを推奨。 彼の笑顔はひどく煽情的だと思う。 ひょ、と皮の鞭を振るうと風を切る音と肉体をはじく少し鈍い音がした。 「っ!」 キラキラと光を反射する柔らかなプラチナブロンドが宙で揺れた。 眉間に寄せられた眉。額を伝う汗。奥歯を噛み締めている顎のライン。 彼を構成するもの全てが、僕を興奮させた。 「ねぇ、だんだんよくなってきた?」 「…」 短く言葉をかけてもなんの返事もない。 かわりにその柘榴みたいな綺麗な紅が見つめてくる。 胸でぞくりとした感覚が騒ぎだす。 「まだ…、何も死んでいないんだね」 力強い眼は彼を此処へ招いたときから寸分変わらず。 戦うために生まれた。 彼のそういう感じが好きだった。 どこか孤独な感じと、何物にも囚われない感じが。 そんな彼が唯一弟にだけ向ける本当の笑顔が、最も、美しいと思った。 その笑顔が欲しかったわけじゃない。 僕に向けてと望んだことはない。 ただ、 「…てめぇなんかが俺に何か1つでも影響与えられるもんかよ」 くっ、と上がった口角。 色素の薄い彼は唇まで色が薄いと思っていたが、皮膚一枚を隔てて流れる血液が、綺麗なラインで透けていた。 びゅっ、と再び鞭を振り下ろす。彼の胸を打ち付けて少し苦しそうにむせた。 むせながらもしっかりと僕に向けられた瞳があまりに綺麗で、頭の中でアドレナリンの鳴る音が聞こえた。 白い顔をめがけて、ブーツを履いた足を蹴り出す。 「うっ…!」 俯いた彼の鼻から血液が滴った。 肌の白い彼に真っ赤な血は、この世の何よりも映えると思う。 痛みや屈辱で顔を歪める彼に、彼とは全然似ていない笑顔をむける。 彼の笑顔が欲しかったわけじゃない。 ただ、彼を。 汚してしまいたかった。 ************** 私の中で密やかに熱い露普。 ろたまのとこで監禁中。史実に関してはまったく知識がないので言及しない方向で。