「発情期六太×天然陽子」
作者101さん

雁国玄英宮。そこには一匹の獣が住んでいるという・・・・・・。

「台輔、先日お渡しした書類にお目を通していただけたでしょうか?」
朱衡は珍しく自国にいる麒麟に大量の文書を渡したのは今朝の事だった。
「わりぃ、全然やってない」
何かを押し殺すような、機嫌の悪い声が部屋の隅から聞こえる。
六太は窓枠に顎をのせ、ぼんやりと夕焼けを眺めていた。
渡された文章の大半は他愛のない内容で、わざわざ台輔が処理するような内容ではない。
しかし、それにすら手に着かないほど、延麒は追いつめられていた。
「なんと嘆かわしい・・・・・・・」
延麒は数日程前から発情期に入っていた。
麒麟の発情期は毎年くると言う物ではないが、それでも様々な弊害が生じる。
「まじ、ごめん。」
六太にとっての最大の弊害は外に出られなくなる事だ。
どうにもこうにも押さえきれない感情の対象を民に向けるわけにはいかない。
しかし、その事でむしろ欲望が膨らんでしまったのも事実だ。
気を紛らわすために朱衡に持ってこさせた何でも無い書類にすら頭に全く入ってこない。
「いいえ、しょうがない事ですから・・・・・」
さらに言うなら、今の玄英宮には女官が居ない。
この時期の延麒の奔放な肉欲を恐れるように、皆、休暇を取っている。
くぅ、と六太は唇を噛み、腹の底から切なげな声を出す。
「女のにおいが嗅ぎたい・・・・・・・・」
朱衡はそれを聞いて頬をヒクつかせて笑った。
「においを嗅いだらそれでは済まないのが貴方でしょう?」
しかし、六太はその問いには答えず、はたと面差しを上げ、目だけを動かしてきょろきょろと何者かを探す。
「如何なされました?台輔」
突然の反応に朱衡は嫌な予感を感じた。
「陽子のにおいがする!!」
言うなやいな六太は思いっきり飛び上がり、一目散に駆け出した。
それを見た朱衡の溜息の深さは他に類を見ないと言う。

内殿に二人の人影が見える。
一人は玄英宮の主である尚隆、もう一人は紅の髪が美しい若い娘。
陽子は政務の相談を、と言う名目で気晴らしに来たのだった。
二人は仲良く談笑している。
それをこっそりと扉の影から見つめている二つの目があった。
六太だ。
もっと陽子に近寄りたくてたまらないのだが、どうも抑えが効かなくなりそうで恐いのだ。
しかし、いつまでも隠れている事はできなかった。
翡翠に輝く瞳は瞬く間に六太を見つけた。
「六太くん!何しているの?」
陽子は優しく微笑んで手招きをする。
「おいでよ、お土産のお饅頭あるよっ」
そんなに優しくされたら・・・・・・・・・・
六太はしばし躊躇してから陽子をにらみ付けた。
「・・・・・・っ、俺はお前らと遊んでいるほど暇じゃないんだ」
くるりと踵を返すと、肩を怒らせてその場から走り去ってしまった。
陽子はきょとんとして六太が消えた方を眺めていた。
「どうしたんだろう・・・・・・・・?」
ちらりと延王の方を振り返ると、何やら微妙な笑みを浮かべている。
「なにか・・・・・・・・・・?」
いいやと尚隆は首を振った。
何かおかしい、なにか・・・・・・・・・・・・
その何かは陽子には全く見当も付かなかった。
呼べばいつだって、楽しげに駆けてくる小さな麒麟。
一体どうしてしまったのか・・・・・・。


「よし誰も居ないな」
陽子はきょろきょろと周囲の廊下を伺っている。
昼間の六太の様子が気に掛かって、本来の客間である掌客殿を抜け出して来てしまったのだ。
目的地は無論、六太のいる仁重殿。
足音なく羽根が滑るように、陽子は駆ける。
仁重殿は広い。
だが、陽子は以前、六太の臥室に入った事があったので、大体の位置の見当は付いた。
その部屋の側までくると、一つだけ明かりを漏らす扉があった。
ここだ・・・・・・・・・・・
陽子はしばし中の様子をうかがってみた。
どうやら住人は未だ起きて何やら作業をしているようだ。
紙の擦れる音がする。
陽子は手に先ほど渡しそびれた饅頭を握りしめて部屋にそっと入った。
「六太くん。未だ起きてる?」
六太は書類の山に埋もれていた。
突然の女人の来訪に驚き慌てた為、横にあった束を袖に引っ掻け、書類を床にぶちまけてしまった。
「うわぁぁ――――っ!」
慌てた六太は即座にしゃがみ、書類を拾いはじめた。
「あっ!すまない」
陽子が側に駆け寄ろうとすると、六太は大慌てで使令を呼び陽子を制止した。
「ど・・・・・どうしたの?なんで・・・・・・こんな事を?」
あまりの六太の行動に陽子が狼狽していると、六太は急いで床に落ちた書類を拾い集めてまとめて窓の外の雲海に放り込んだ。
肩で息をする六太を呆然と見つめて、陽子は改めて六太に問いかけた。
「六太くん、どうしたの?」
六太の顔に朱が昇る。
「陽子こそ、こんな時間にどうした?」
吐き捨てるように言葉を放った六太は、どかっと先ほどまで座っていた椅子に腰掛けると、くるりと陽子に背を向けた。
明らかに陽子を歓迎していない。
それでも鈍な陽子は粘った。
「昼間、お饅頭を渡しそびれたから、持って来たんだ。」
そう言うと陽子は六太の座る椅子の本来の背持たれ側、六太の正面に位置する寝台にそっと腰掛けた。
「一緒に食べよう」
陽子はにこやかに笑ってぽんぽんと布団を叩く。
こっちに来いと言う意味だ。
陽子が六太に対してこのような振る舞いをするのはいつもの事だ。
彼女は彼の事を弟のように思っているのかもしれない。
しかし、今の六太は発情期。
メスに布団の方へ来いと手招きされれば、当然、欲に煽られる。
陽子と饅頭の甘い誘惑に負け、六太はそろそろと陽子の側に寄り、寝床に腰掛けた。
「はい、甘くておいしいよ」
陽子はにこやかに六太に饅頭を手渡す。
六太は黙って饅頭を受け取りはむはむと食らい付いた。
「ごめんね。」
陽子が六太をじっと見つめて静かに語りかけた。
六太はそれに答えるようにちらりと視線を遣る。
「私、何か六太くんが気を悪くするような事しちゃったんだよね?
私は案外、そそっかしい所があるから、他人を傷つけていないつもりで傷つけているときがあるんだ。王になって一生懸命がんばったら治るかと思っていたんだけど、やっぱりこう言うとこってなかなか抜けないな。」
饅頭を頬張った六太はうむと頷いた。現に今やっている事がそうなのだ。
あまりにもハッキリとした返答に陽子は済まなそうに肩を落とし、そっと六太の頬にふれた。
「ごめん・・・・・・・」
六太も陽子をじっと見つめる。
輝く翡翠の目にさらさらとした赤い毛並み。
頬に振れた手がしっとりと柔らかく心地よい。
褐色の健康的な肌はその胸元に女性特有の柔和な影を落として・・・・・・・!?
・・・・・・・・・・・・・陽子の乳が!見えてる・・・・・・・!
先ほど動いたせいで少し胸元がはだけてしまったらしい。
陽子自身は無頓着なのか気付いていないのか。
ちょっとだけ・・・・・・・・・
六太は陽子の腰に食い込むように指を広げて抱きしめ、ぐいと胸元に顔を埋めた。
「六太くん!」
良かった、許してくれたようだ・・・・・・
この麒麟は本当にかわいい・・・・・・・・・・
自国の麒麟と比べた陽子は、自分に素直に抱きついてくる少年をぎゅっと抱きしめ頬擦りした。
陽子自身の予想では、この後十分ほど仲良く談笑し、それぞれの部屋に戻っておやすみなさいと言う構図だった。
しかし、その時延麒はもう、そんな終わらせ方ができない所まで来てしまっていたのだった。
陽子が俺を抱きしめてくれている・・・・・・・・
頭に胸に、背中に、そのぬくもりは伝わってくる。
でも・・・・・・欲しいのはソコじゃない。
六太は全身の力を込めて陽子を布団の上へと押しつけ、その反動で少し開いた足の間に滑り込む。
「きゃっ!?」
突然、内股に施された刺激に陽子は声を上げた。
六太ははだけた寝間着の襟をぐいと開き、その膨らみを見つめる。
「・・・・・こっちの饅頭の方がうまそう・・・・・・・」
えっ?と陽子が聞き返す前に六太は女の乳房に貪りついた。
「ひゃあん、ああっ!」
熱くねっとりとした刺激に翻弄され、陽子は抵抗する事をすっかり忘れてしまって声を上げる。
それに気付いた六太は素早く、さらに愛撫をしはじめる。
乳首を口に含み舌で転がし、自身を陽子の割れ目に擦り付ける。
服の上からではあったが、次第にそれは硬く膨らんでいく事が陽子にはハッキリと分かった。
「ああああっ、 いやっ、あん  」
六太が舌で刺激すると律儀に反応を示し、もがいて六太の頭をつかむ。
どうやらようやく抵抗する事を思い出したようだ。
だが、その程度では全く効果がないばかりか、煽情を買うだけだ。
陽子から立ち上るメスの芳香に六太はふとその端正な面差しを上げ陽子を見つめる。
その口元にふと、えも知れぬ笑いが浮かぶ。
それはどこから見ても発情した獣の顔であった。
「ろ・・・六太くん、もう・・・・・やめっ・・・・」
これら始まるであろう事に怯え、震える声で陽子は哀願をする。
そう言ってもがく陽子に六太の笑みは消え去り、感情の無い目で陽子を見据える。

・・・・・・俺は何度も警告した。
こうなったのは・・・・・・・・・・・・・お前の落ち度だ ・・・・

陽子の寝間着をかろうじてその身に引き止めていた帯を力任せに引き裂き、六太は全てが露となったメスを見つめる。
「やだやだあっ」
陽子は体を揺さぶって六太の拘束を解こうとするが、がっしりと腰を固定され、それは叶わなかった。
六太は陽子がはげしく抵抗するのを尻目にその秘部に顔を寄せる。
「・・いや・・・・・見ないでぇ・・・・・・」
桃色の花からは、しとけなく透明の蜜があふれだしている。
だが、未だ十分とは言えない。
六太は片手で陽子を押さえつけ、もう一方を陽子の秘部に差し込み、その蜜の滴る肉壁をかき回しはじめた。
「ひいいいっ やっ あっ・・・・・あああああああん!!」
体の中で最も敏感な場所を蹂躙され、陽子はひときわ大きな嬌声をあげる。
体を仰け反らせ、びくんびくんと痙攣すると、解けるようにぐったりと褥に崩れ落ちた。
それを見た六太は、つと陽子の内から指を引き抜いた。
その手はぐっしょりと濡れそぼっている。
大人しくなった陽子から押さえつけていた手を離し、自分の服を脱ぎはじめた。
陽子はその少年自身を見止めて愕然とした。
自分が想像していた物とは全然違う。
生々しく先端から白い液を滴らせる成人男性のモノがそこに付いていた。
「や、 あ・・・・・・・・・」
抵抗しようと動くと、先ほどの残り火が疼き陽子の抵抗を押しとどめる。
六太は何も言わずに陽子に覆いかぶさり、その胎内に侵入を始めた。
陽子に破瓜の傷みが襲いかかる。
全身を包み込むほどの強烈な傷みに陽子は声なき声を上げ、六太の背中に爪を突き立てる。
しかし、六太はそんな事にはいっこうに構わずに、己の欲望を満たすためだけにぐいぐいと陽子を犯し続ける。
「ひゃあん、あん、 ああうっ」
陽子はぽろぽろと涙をこぼしながら、六太の動きに合わせて嬌声を放つ。
六太の侵入を阻むように陽子の胎内は断続的に六太を絞めつけてくる。
その不規則な周期は次第に短くなってゆき、それに合わせるかのように六太の動きも速く激しくなってゆく。 
「・・・・・・・・・・・うっ」
六太の体が戦慄き大量の欲望を陽子の中に吐き出した。
終わった・・・・・・・・・・・・・?
だが、混濁とした陽子の頭に浮かんで来た言葉は、息をつく間もなく掻き消された。
器用に陽子の体をくるりと反転させ、再び突き入れてくる。
六太が精を放つ度、陽子の傷みは快楽に変わる。
陽子の意識は次第に虚海のように黒く深い闇の中に溶け込んでいった。


ふと陽子が気が付くと、窓の外が明るい。
確かに六太の部屋なのだが陽子の他には誰もおらず、寝間着はちゃんと来ている。
夢だったのだろうか・・・・・・・・・・・・。
しかし、その寝間着は陽子には小さい上、合わせ方は左右反対。
おそらく六太が着せたのだろう。
「これじゃ、死人じゃないか・・・・・・・・・」
陽子はくすりと笑ってつぶやいた。
耳を澄ますと、窓の外で波が打ち寄せる音の他にばしゃばしゃと音が聞こえる。
六太は破瓜の印が付いた陽子の寝間着を洗っていた。
「六太くん!」
窓から身を乗り出して、雲海の中にしゃがみ込んで洗い物をしている男に声をかける。
陽子の呼びかけにぎくりと身を竦ませ、六太はおそるおそる振り返った。
「おはよう。陽子・・・・・・・・・昨日ごめんな・・・」
その瞳は昨夜の物とは違う・・・いつもの落ち着いた光を放っていた。
「ん、いいよ別に。悪いのはあんな時間に部屋に行った私だし・・・・・・・・それに、ちょっと気持ち良かったしね。」
その言葉に六太は目を見張って陽子を見る。
陽子はにこにことその目を見つめ返し、言葉に詰まる六太の頭を愛おしげになでる。
六太は次に言うべき言葉を探して、ふいと視線を宙に逸らす。
そして、見つけた言葉をぶつぶつとしゃべり始めた。
「・・・・だいたいお前は小さかったりふわふわだったりすると、途端に甘くなる。
俺だって一応成獣だ。子供じゃないんだぞ?もうちょっと考えてから行動しろよ」
そうはいっても六太は陽子の手を振りほどこうとはしなかった。
「ほれ、奇麗になったぞ!」
六太はきっちり摘み洗いをした陽子の寝間着を差し出した。
「みんなが起きて来ない内にそれを来て早く掌客殿に戻れ」
それにもっと一緒にいたいと陽子はブーイングを出す。
一瞬、六太の理性が揺らいだが即座に欲望を押さえ込み、陽子を言いくるめてなんとか掌客殿に帰した。
一人っきりになった自室の床に六太はぺたりと座り込んだ。
瞼を閉じて、ほんわりと昨夜の行為と陽子の言葉を反芻する。
ふと、自分の主の顔が思い浮かんだ。
尚隆が知ったら、冷やかしにくるに違いない。
六太はばれぬようにと、ただひたすら祈った。


おまけ。

尚隆は朝早くから海岸を散歩していた。
ぼんやりと歩いていると、砂浜の上に紙が落ちている。
「なんだこれは・・・・・・」
それは六太が夜中に窓から捨てた物だった。
書かれている物は文章ではなくいくつかの女人の絵だった。
「ほほう・・・・・・・・・・・・」
尚隆は面白い物を見つけたとにんまりと笑い、仁重殿の方に目を向けた。
あちらの方も何やら朝早くから散歩でもしているのか、雲海の中にいる。
しかし、次の瞬間その窓から現れた物を見て尚隆はぎょっとした。
赤い髪のその人物・・・・・・・・・・・陽子だ。
尚隆は額にしわを寄せると、手に持っている紙を懐にしまい込んだ。
「あのケダモノめが・・・・・・・・・・」
そうつぶやくと、仁重殿の方へと歩いていった。

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