作者:前スレの321さん 198-199、202-203>@二冊目
夕餉も済み、いつもならば2人だけでゆっくりと過ごす時間。
陽子が考え込んだままでいるので声をかけるにかけれずに景麒は待っていた。
しばらくして陽子が顔をあげて景麒を見る。
「景麒はなぜ麒麟の姿にならないんだ?」
なぜですか、と主に問うと、不満そうに答える。
「六・・・延台輔は遊びに来る時にけっこう麒麟の姿で来るじゃないか? なんで景麒は麒麟の姿にならないんだ?したくないのか?大変なのか?」
どうやら純粋に麒麟としての姿を見たかっただけと気付き、安堵する。
「主上。主上が見たいと仰ればいつでも転変しますが。」
「なら、今見たい!今麒麟になって、今はムリ?疲れてると出来ない?」
嬉しそうに言う主に苦笑しながら景麒は衝立の後ろに行き、姿を変える。
戻ってきた景麒を見て、陽子は溜め息をつく。
前に見た時は戦いの後であったせいか、その美しさに気付かなかったのである。
思わず手を伸ばし、首筋に抱きつく。
景麒が身を固くするのも気付かず、その柔らかな毛並みを撫でる。
「やわらかい・・・・気持ちいいんだな、麒麟の毛って」
くすくすと笑う主に対し、景麒は冷や汗をかく思いである。
いくら麒麟本来の獣型になったとはいえ、性感帯は変わらないのである。
これ以上、敏感な部分をさわられたりしたらどうなるか分かったものではない。
「主上、もうよろしいか?人の姿にもどらせて頂けないでしょうか。」
うっとりと自分の首をなでている主に恐る恐る告げてみると
「だめー!今日は寝るまでこのままでいて、あ、そうだ、一緒に寝よう! 景麒このままで抱き枕にしたら気持ち良く寝れそうだし!」
さぞ名案を思いついたといった感じに笑顔で返されてしまった。
逆らいたくとも相手は自分の主。
仕方なく人型としてならば何度も入った主の布団に恐々入る。
「やはりこのままでは無理が。主上、やはり人型にもど」
「却下!今日は景麒を抱き枕にするんだから。たまには我侭言わせてよ」
この際、諦めて前脚に主上の頭を乗せたまま彼女が寝るのを待とうと思う。
が。
陽子の手は落ち着かずにあちこちをまさぐるように動き回る。
「しゅ・・・主上・・・・落ち着いていただけない・・・・か・・・」
自分の分身が首をもたげ始めているのを感じて慌てて止めに入る。
「だって、どの辺持てば寝やすいかわかんなくって」
答える陽子の手が更に下腹部の辺りを動き出す。
「主上、そんな下を持たれなくともよろしいのでは」
更に焦るものの、焦ったところで収まるものでもない。
「ぁ」
陽子の手が先にふれた刺激で思わず声を出してしまった。
「”ぁ”?あれ、景麒勃っちゃったの?ゴメンね、辛かったでしょ」
やっと自分のせいで大変な事になっているのに気付く陽子。
ごめんごめん、と起き上がる陽子の胸元がはだけているのに気付く。
「今まで気付かなかったお返しをしてさしあげます」
言うと、そのまま器用に前脚で陽子を仰向けにすると、その長い舌を胸元へ這わせる。
「やんっ!ちょ・ちょっと景麒っ!そのまんまでするワケ!?」
「このままで今夜はいろと仰ったのは主上ですが。」
言いながら鬣を使って肌をくすぐる。
「ぁ・・・やぁ・・・ゴメ・・ンってばぁ・・・ぁ・・・・ふ・・・・・・」
いつもとは違う刺激に抵抗も出来ずに顔を赤らめ、息を上げる陽子。
景麒の尾が股の間をそっとなぜるとぴちゃ・という淫らな水音がする。
「いやだいやだと仰いながら、もうこんなになっている。 主上は本当は淫らなお方だとそろそろ自覚なさらなければ。」
耳元でわざと囁いて更に刺激をする。
その囁く吐息でまた燃え上がるのを知っての事ではあるが。
「やぁ・・・ん・・・・・・景麒の・・バカァ・・・・・・」
うっすらと涙を浮かべ、自分を見上げる主を見ていると我慢が出来なくなってくる。
「主上、うつぶせになっていただけますか。」
「うつぶせ?ぅん・・・・」
のろのろと背を上にした陽子の股の間に鼻を突っ込む。
「きゃっ!」
驚いて腰を上にあげる陽子。
そのタイミングを見計らい、彼女の背中に前脚を乗せ、足の間に体を入れる。
「え・ちょ・ちょっと景麒、こんな体勢でホントにや・・やぁん・・・」
「少しお辛いでしょうがこの体勢もきっと主上ならば大丈夫かと。」
何が大丈夫なのかと自分に言いつつそのまま腰を進める。
この姿でするのは初めてであったが、すんなりと入れる事ができた。
『っ!ぁ・・・・・キツイ・・・・・』
後背位という体勢のせいで締まるそこと、獣型のせいで普段より大きいそれと。
お互い普段と違う感覚にしばらく耐えていた。
「うごき・・・ますよ」
「ゥン・・・」
ゆっくりと腰を動かす。
初めての時のような感触、でも陽子はその時とは違い快感を得る事を知っている。
最初は苦しげな声もすぐに甘い声に変わってくる。
「ぁ・・・んっ! あっ。ぁ・ぁ!けぃきぃ・・・ぁぁん!ゃあ、あぁぁ!」
声でもうすぐというのを感じると声をかける事も無くいっそう動かす。
「あ!あ!ダメ・景麒、やっだめ、だ・・・あぁっ!」
一瞬、陽子の中がきつくなったと同時に景麒は自分の欲をその中にはきだした。
人型に戻り、腕枕をしていた景麒に陽子が顔を赤らめてつぶやく。
「ねぇ景麒・・・・・・・・・」
「なんですか。」
「たまには麒麟の姿・・・っていうのもいいかもね」
その一言に思わず絶句した景麒であったとな。 ━ 了 ━
back