「主従」 作者:287さん >287-292
「ん…駄目だ…」
「何をおっしゃる、主上。ここはそうは言っておられぬようですが…」
くちゅりと卑猥な音を立てて、陽子のそれは景麒の指を飲み込んだ。
弓形に撓る背中が、丁度、一つも乱されていない服の胸の部分に皺を作る。
仰け反る褐色の首に、顎に、白い手が回される。
「聞こえますよ…それでも宜しいか…?」
「だ…駄目ぇ…っ…あぁっ」
差し込まれた人差し指が奥を突くたびに、水音は増し、嬌声が上がる。
「ふぁ…あぁ…あ………あん………」
表情の乏しい景麒の顔はいつも通りに見えるが、口元には薄っすらと笑みが零れていた。
「声を出さないようにしないと、気づかれますと注意をしましたが…」
「だ…って………け、景麒が……ぁ…んっ」
一段と奥を指で犯される。
「おや、私のせいにされるか…そんなに声を出されたくなければ、塞いで差し上げましょう」
喘いでいた陽子の唇を指の腹で撫で上げるや、口内に指を含ませた。
「噛んではいけませんよ、噛むとどうなるかは…ご存知かとこの体がよく知っておられるはず」
奥を突いていた指は二本に増やされ、狭い中を掻き混ぜ、壁を引っかく。
「んんんっ!」
舌を抑えられているため、声を出せぬ陽子。
「これで宜しい」
主上の仰るとおり声は出ぬ…と満足そうに云うと、熱く潤う中に、長い指先を埋めた。
「ん、んーーーんっ」
ぽたり、ぽたりと景麒の手を伝わり、床には水溜りができてゆく。
「何と淫乱な体なのか…倭に居られた時にお逢いした時には考えられぬ体になったものだ」
「んーっ…ん」
「可愛らしく抗議されるか?けれども、この指を見なさい」
景麒はすっと抜き、陽子の目の前で濡れそぼり、糸を引いているものを突きつける。
「御覧なさい」
にちゅり…ぬちゃ…ぬちゃと指を擦り、より糸を生み出す。
「顔を背けてはご覧になれませんね…あぁ、お口に召されたいのか?」
今まで入れていた指を口内から引き抜き、代わりに陽子のものがついた指を入れる。
「お舐めなさい」
強い口調に逆らうことを知らず、陽子は一本一本、丁寧に舐めてゆく。
「ご自分のお味はいかがですか?」
感想など、云える筈もない陽子に景麒は言葉を投げつける。
羞恥に奮える陽子を見ると、自分の中の猛獣がそそり立つのを感じた。
「主上…そう、指の付け根まで丹念に舐めるのです」
景麒の云うことを、頬を赤く染めながら大人しくきく。
「け、景麒…私…も、もう…」
「おや?指を舐めただけですよ?先ほどよりも床には大きなものが…」
「云わないでぇ」
聞きたくないと顔を振り、いやいやをする。
その陽子には朝議の時等に見られる、精悍な、凛とした風情はかけらも見当たらなかった。
欲情に満ち、淫靡に体をくねらせ、征服されるものを待つ、女にしかすぎない。
「私のこちらはどうされる?」
「お願いです…私に舐めらせてください」
景麒の許可も下りないうちに、陽子は景麒の服を分け入り、逸物を取り出し頬張る。
「おや…我慢すらできないのが、この国の王か…」
目の前に膝をつき、股間に顔を埋める人の赤い髪が揺れる。それに手を触れ、撫で上げるが、放つ言葉は厳しい。陽子はぴくりと動きを止め、迷う風を見せたが、景麒が喉の置くまで逸物を突き入れ
「舌が動いてませんよ」
と云うと、一心不乱に舐めあげ出した。
太い竿を持ち、下から上へと舐め、くびれた部分を念入りに唾液をまぶす。
鈴口をチロチロと突き舐め、喉の奥まで飲み込み、頬張る。
全部口に入りきることは出来ないほどの大きさ。
口の中で熱く脈打ち、怒張しているそれを、舌を絡めるように動かし、前後する。
宝玉をやわやわと揉みしだき、口から溢れ出す竿を手で扱く。
「その調子です。お上手になられました」
てらてらと陽子の唾液で光る自分のものと、それに服従する陽子を上から眺めた。
淫靡な姿…。
口には怒張するものが出し入れされ、涎で口の周りはテラ付き、景麒のものに添えられていない片手は自分を弄り、涎を垂らしている。
何と淫乱な姿。
女郎に連れて行っても直ぐに使えそうな程の技量。
一国の主が何と言う姿をしているのか。
「そろそろ良いでしょう。どちらにしてほしいか?このまま飲まれるか、顔にかけるか、それともご自分で慰めていらっしゃるところに突き入れて欲しいか?」
「あぁん………こっちに…こっちに欲しい」
陽子は蜜が滴る場所を指先で広げて、景麒を誘った。
「それが人に物を頼む台詞ですか?」
教えたでしょう?さぁ、と景麒は促す。
辱められていると言う実感が陽子を襲い、それがまた、自分の内の炎を激しくすることを陽子は知っていた。しかし、口にすることは恥ずかしく、想像するだけで顔が熱くなる。
けれども、それを言わないと、景麒は絶対に動こうとはしないことも知っている。
羞恥に染まる顔を背けて、小さな声で教えられた台詞を言葉にする。
「あぁ…っ…私の猥らな蜜壺に、熱くて太い肉棒を入れてくださいっ!」
云い終わらぬうちに景麒は陽子を後ろから突き上げた。
「入れましたよ?」
奥まで突き入れ、動こうとしない景麒に、陽子は焦れ、中は景麒をひくひく締め付ける。
「う…動いて…」
「動いて?」
「動いて、私の中をめちゃめちゃにしてっ」
「主上のお望みのままに…」
後ろから突き上げ、掻き混ぜ、陽子を狂わせる。高い嬌声が木霊す。
「あん…あぁ…あっ、あぁ…いいっ、奥を突いてぇ」
「お声が大きすぎます」
左手の指が陽子の口内にするりと入り込み、言葉を封じる。
「ん…んふぅ…んぁ………」
鼻にかかったような声がより淫靡さを醸しだす。
ぐちゅ
ぐちゅ
粘着質な水の音と喘ぎ声が混じり、静寂な室内に響く。
「あぁ…い、いいっ。いいのぉ…ふぁぁあっ、もっと、もっとぉ、あぁ…ん」
何度陽子の中を貫き犯したか、数え切れないが、いつも陽子の中は強く貪欲に景麒を締め付ける。
「こんな風に…くっ…貴女はどれだけの者を咥えこんだのか」
「ふぁぁっ」
ぴくりと一層締め上げる。
「こんな淫靡な姿を誰に見せたのです?」
景麒擦りあげていた花芽をきゅっと摘まみあげると、強い快楽が背中を走りあがった。
「やぁぁああん」
男の服装を好んで陽子はするために、胸元の膨らみは分からない。今、合わせからはふるふると振るえる形の良い乳房が景麒の眼にとまる。その乳房の中心にはぴんと、存在を主張するかのように乳首がそそり立っている。
喰らい付きたくなるような乳房に、景麒は迷わずにしゃぶりついた。
「ほら、おっしゃい」
「あぁ…んっあ」
「誰の者を咥えこんだのです?」
「ひゃぁ!」
花芽を指先で潰され、カリリと乳首を噛まれた陽子に返事が出来るはずもなく、出てくるのは漏れてくる声だけ。
「浩瀚?あの半獣の楽俊とやら?それとも延国王ですか?半月に一度、視察と称して里に下りられるのは女郎に参るのか?」
「あぁん…ち、ちがう…」
きゅっきゅと陽子の中が返事をするかのように動く。
それは諾と言っている様で、景麒は笑みをこぼす。
「少なくとも、前者の3名はここに淫らに咥え込み、御悦びになられたでしょう?」
「やぁ…そんなこと…いわないでぇ…」
「お忘れですか、主上。私は貴女の半身。お隠しになられた事も存じ上げておりますよ」
床は溢れ出した蜜が滴り落ち、肉と肉のぶつかる音が響き、それによってまた蜜が飛び跳ねる。
乱れる陽子を後ろから突き刺し、狭い中を自分の肉棒で激しく犯し、より一層高い嬌声をあげさせ、高貴で気高い王に痴態を演じさせる。
至上の悦び。
主上が自分以外と体を合わせても、自分が半身ということは変わらない。
これほど陽子を悦ばせる事が出来るのは自分だけと景麒は知っている。
「あぁん…それはっ…景麒が…あぁ……相手にしてくれないから…」
「可愛らしいことをおっしゃる。よろしいのですよ、もっとお相手して差し上げなさい」
そして、もっともっと、私の主上はお美しくなられるのです。
悦びを知り、他の者を知り、痴態を知り、技巧を知り、より男を悦ばせる方法を知るのです。
私の主上…。
お美しくならせられませ。
誰よりも気高く、誰よりも高貴で、誰よりも淫靡な…。
至高の王にならせられませ。
景麒は半身として、貴女を愛する者として、お仕え致す。
「あぁ…景麒、だめぇ…も、もう……あぁぁっ」
陽子の嘆願に、景麒は動きで答えた。
先ほどとは比べられないほどの激しい音が響き渡る。
「あぁ…んっ…ふあぁああん」
「くっ」
一番奥に突き入れると同時に、陽子の中が一段ときつく絞まった。
子宮口に叩きつけるような刺激を感じ、陽子は景麒が果てたことを知った。
「ん…熱い…中が熱い…景麒でいっぱい…」
ずるりと景麒自身を引き抜くと、陽子の蜜とは違った白濁した液体が一緒に零れ落ちた。
「ん…勿体無い…」
再び景麒の前に膝まつき、今まで自分の中に入っていたものを口に含み、最後まで搾り取るように吸いつく。
ちろちろ舌を使い、なぞり、吸い付き、飲み込み前後する。
それだけで景麒のものは再び大きさを取り戻した。
「今度はご自分でお乗りなさい」
景麒のものに手を沿え、蜜壺を指で広げながら恐る恐る腰を沈める。一度達して直ぐな為か、足がふらつき一気に景麒のものを飲み込んだ。
「あぁああっ!」
奥深く最後まで飲み込み、勢いで穿ったそれを強く締め付け、陽子は絶頂を迎えた。
ぐったりとなった陽子を下から突き上げ、意識を覚醒させ、動くように命ずる。
「ん…」
再び陽子の卑猥な声が上がり始める。
たぷたぷと上下に揺れる乳房に手を伸ばし、厭らしくテラつく結合部分を見ながら景麒は思う。
もっともっと、私の主上はお美しくなられる。
悦びを知り、他の者を知り、痴態を知り、技巧を知り、より男を悦ばせる方法を知る。
私の主上…。
お美しくならせられ。。
誰よりも気高く、誰よりも高貴で、誰よりも淫靡な…。
至高の王にならせられ。
景麒は半身として、貴女を愛する者として、お仕え致す。