作者: 811 >811-812
身体が埋まりそうなほどやわらかな綿を詰めた錦の衾褥。
牀榻の天蓋を見上げれば華やかな紋様の刺繍がしてある。
馨しい花の香りがどこからか風に乗って運ばれてくる。
やわらかく温かい空間に鈴は坐していた。
「鈴、ここいいたのね」
珠簾を上げて覗く気品のある顔は景王のもの。
蓬莱風に結い上げた彼女の髪には簪が差してあり、鈴の頭も同じように整えられている。
今身に着けている美しい衣装もまた、景王が下されたもの。
蓬莱生まれの王は海客である鈴の訪問を喜び、彼女を寵愛した。
景王の冷たい掌に頬を挟み込まれ、鈴はうっとりと目を閉じた。
猫のようにやわらかな舌が鈴の咥内を犯し、的確に弱いところを責め立てる。
鈴の身体は慄き、じっとしていられない。
襦裙を脱がされている間も身体は期待ではちきれそう、腰が自然と浮ついてくる。
景王の唇は鈴の細い身体に丁寧な愛撫を施す。
細い首に噛み付くような口付けを与え、ゆるやかな膨らみを宥めるように揉む。
指を擦り合わすように蕾を刺激する。
「ん……っ、やぁん」
心地良さそうに息を吐く鈴に景王は微笑む。
「本当に鈴は可愛いこと」
白い腹の下、なだらかに脹らんだそこを疎らな黒い茂りが覆っている。
くせのある毛を弄び焦らすように指が下りた。
秘裂がくちゅりと厭らしい音を立てる。
蜜が溢れようとしているのだ。
景王の指は甘い蜜を絡めとり、秘所を愛撫する。
「あぁ、景王様……、お許しを」
「駄目よ。もう少し我慢なさい」
内に燻る熱を持て余しながらも、鈴は頷いた。
景王は鈴の脚を開き、そこへ顔を埋める。
突起を転がすように舌が突つき、細く長い指が、挿し入れられ引き抜かれを繰り返す。
「ゃあ……ぁんっ、あうっ、やっ、ぁあああんっ」
景王に責め立てられる度に鈴の口から嬌声が零れる。
「こんなにはしたない声をあげて、鈴は恥ずかしい娘ね。だけどすごく可愛いわ」
景王の言葉が羞恥を煽り、鈴は一層の高みへ導かれる。
「ぁああっ、けいおぅ、さまぁああああっ、……お許し、を…………ぁぅっ……」
自らの指を激しく秘所に擦り付け今しも絶頂に達しようとしていた鈴の耳に、不快な鐘の音が響いた。
高い鐘の音――梨耀が下僕を呼んでいる。
またいつもの気まぐれに振り回されるのか。
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