甘々楽陽
 作者112さん

「私ね、ずっと不思議に思ってたことがあるんだ・・・・」
牀榻に仰向けに横たわったまま、呟くように陽子は言った。
「何がだ?」
「蓬莱ではね、男と女が交わることの本来の意味は子供を作ることなの」
「そうなのか・・・・ちょっと驚きだな」
「だけど、それだけじゃないよ。今の私と楽俊みたいに・・・・そういう為でもあるんだ」
陽子は少し顔を赤らめ、上体を起こして見下ろしている愛しい彼の目を見つめながら言う。

「でも、もともとは子供を作る為に男と女の体の違いはあるの。だとしたら、こっちの世界の男と女の
体の違いは何の為にあるんだろう、ってそう思うと不思議なんだ・・・・」
「ふーん、考えたこともなかったな・・・・ほんとのところは分かんねえけど、男と女が仲良く出来るよう
に天がそうお作りになったんじゃねえかな・・・・そう言う意味じゃおいらは天に感謝してる・・・・」
楽俊は陽子の赤い髪を撫でながら言い、何か言いかけようとした唇に軽く口づけした。
(私も感謝してるよ・・・・楽俊に会わせてくれたこと・・・・・)

「楽俊・・・・」
碧の瞳が楽俊を見上げる。
「何だ?」
「・・・・もっと楽俊と・・・・・したい・・・」
「何い?もう三回もしたのに?」
その声には疲労の色が感じられる。
「だって・・・私達滅多に会えないんだよ。私はもっといっぱい楽俊を感じたい。楽俊はそうは思わないの?」

「そりゃあ、おいらだってそうだ・・・でもなぁ陽子、男ってのはそんなに短い時間に何度も出来るもんじ
ゃあねえんだ・・・・身体の準備が出来ねえと気持ちも盛り上がらねえ、そういうもんだ」
「時間が短いのは楽俊のせいじゃないか」
陽子は口を尖らせた。



「ぐ・・・・」
「あ、ごめん・・・・言い過ぎた・・・」
「いまのはちっとグサッと来たぞ・・・だけどそうさ・・・おいらのせいだ・・・不甲斐無いよ」
「ううん、私が身勝手なこと言い過ぎたんだ、ごめん」
陽子は楽俊の胸板に頬を寄せてうつ伏せになる。

「ほんとはね、こうしてるだけでもすごく幸せなんだ・・・でも身体の中で何かが騒ぐの。もっと、もっと
って・・・私ってもしかして淫乱なのかな?」
「景王陛下はお盛んでいらっしゃる・・・」
楽俊は揶揄するように言い、苦笑した。
「ばか・・・・私をこんな風にしたのは楽俊なんだから、責任は取ってもらうから」

陽子は二人が掛けていた薄い掛け布を跳ね除け、身体をずり下がらせた。
「責任て・・・よ、陽子?・・・・何を・・・お、おい・・・」
呆気に取られて見下ろす楽俊の両腿を跨ぐように腰を落とした陽子はすっかり萎えきったそれに手を添えた。
「正寝の書庫にね、挿絵の入った本が沢山あったんだ・・・字はあまり読めないけど何を意味してるのかは
すぐに分かった・・・男の人の・・・悦ばせ方・・・・ん・・・」
ゆっくりとそれに口をつけ舌を絡ませる。

「ん・・・んふ・・・・・ん・・・・」
「あああ・・・よ、陽子、慎みがないぞ・・・・あ・・・お、おぉ・・・」
陽子の唇や舌の動きはぎこちないものだったが、それでも楽俊を感動させ、奮い立たせるには充分だった。
瞬く間に固さを取り戻し、肉の樹となった楽俊の男は陽子の口の中で脈打つ。
「もうこんなに・・・・」
息苦しくなるほどに怒張した楽俊を解放して陽子は呟いた。
「そりゃ、こんなことされたら元気になるさ・・・でもな、何だかおいら複雑な気分だ・・・・嬉しいけど
陽子にこんなことさせていいのかな?って・・・・気持ちいいのは確かだが・・・・」

「私は全然嫌じゃないよ。楽俊が好きだから、楽俊が気持ち良くなるんだったらどんな事だって出来る・・・・
それに、楽俊だって・・・・私の、その・・・・キスしてくれただろう?」
「きすって何だ?あそこを舐めることを『きす』って言うのか?」
「ばか!知らない!」

視線を逸らした陽子は再び楽俊の肉樹を口の中に誘い入れ、丹念に舌を這い回らせた。
「あわわわ・・・・陽子!そんなにしたらおいら、もう持たねえ・・・」
「気持ち良かったら、このまま最後までいってもいいよ・・・・」
陽子の口の中で果てる姿を想像した楽俊はその淫らさに思わず身震いする。
「い、いやそりゃ駄目だ!・・・・おいらは陽子と一緒に良くなりたい」
楽俊は少しばかり未練を感じながらも身体を起こし、陽子を抱きかかえて体を入れ替えた。

「いいよ・・・いつでも・・・」
仰向けになった陽子は太腿を擦り合わせ、気持ち顔を背けて目を閉じた。この時だけはどうしても恥ずかし
さが先に立って嬉々として身体を開くような真似だけは出来ない。だがそういう恥らいがちな仕草が男の征
服欲をくすぐり一層興奮させることなど経験に乏しい陽子が知る由もない。現に楽俊はそんな陽子の姿に俄
然燃え上がるのだった。

楽俊は陽子の両脚を持って大きく広げると、その間に割って入った。天に向かって漲っている肉樹に手を添
えてそっと陽子の花びらの中心にあてがう。くち・・・と湿った音が陽子の耳にも聞こえた。
侵入する位置を定めようと楽俊が先端を上下に動かすと陽子の花芯から透明な糸が伸びて敷布に落ちた。
「陽子、さっき拭いてたのにまた随分溢れてるぞ・・・・」
「やだ、言わないで・・・・」
(実際あたしって淫乱なのかな?・・・・こんなにエッチに溺れるなんて思ってもいなかった・・・・)
「あ、ぅん・・・」
ゆっくりと先端が陽子の花びらを押し分け、笠の部分が侵入して入口を潜り抜けてくるのが手に取るように分かる。そして楽俊を奥へ奥へと誘う様に蠢き、歓びのしるしを止めど無く溢れさせていることも。
141 :甘々楽陽(4/4) :03/08/17 17:59 ID:pz3qNzzK
陽子は思う。初めて楽俊が入って来た時も痛かったのはほんの一時のことで、初めてにも係わらず陽子は何度も歓喜の声を上げた。破瓜もなかった。恐らく楽俊の言うようにこちらの世界では、これは男と女が睦み
合うためだけに存在する器官で間違いないのだろう。

「楽俊・・・・気持ちいい?」
「ああ・・・すごく」
喘ぎながら楽俊は腰を振りたて、その度に葛湯を掻き回すような濡れた音が牀榻に響く。
「嬉しいよ・・・あ、はぁ・・・私の、身体で楽俊が気持ち良くなって、ん・・・くれるの・・・・すごく
嬉しい・・・あ、ああっ・・・私も・・・気持ちいいよ」
陽子は楽俊の背に手を回し、しっかりと抱きしめる。
「陽子・・・おいらもう・・・・」
楽俊は苦悶の表情で抽送を速める。熱い肉樹が押し込まれ、引き出され、それに纏わり付く陽子の内奥が
もたらす快感に陽子もさらに激しく翻弄されてゆく。
「あ、ん・・いい!・・・いいよ・・・楽俊、私ももう・・・・あ、ああっ!く、来る!」
「よ、陽子ぉ!行く!」
楽俊は陽子の身体を壊さんとばかりに深々と杭を打ちつけ、深奥へ向かって夥しく白い樹液を放った。
「ああっ!ら・・・ く・・・・     」
陽子は体内に叩き付けられる熱いそれを感じて、頂へと昇りつめるのだった。


王に定められたことは天命であると人は言う。陽子はそれを運命として受け入れこそしたが、天に感謝など
する気はない。ただ精一杯出来ることをやるだけだ。陽子に与えられた道はそれしかない。
だが楽俊と出会うことが天に定められた運命だったなら、陽子はそれを感謝せずにはいられない。
そう思うと、知らず涙が溢れ、頬を伝った。
「陽子・・・・」
楽俊の指が滴を拭う。嬉しい、この人とひとつになれたこと。この人に愛されること・・・・
「楽俊、大好き・・・・」

「ひとつ分かったことがある」
「なに?」
楽俊の腕に抱かれて横になっている陽子は訊き返した。

「その・・・つまり、陽子の身体は気持ち良過ぎるんだ。だからおいらが早いのは陽子のせいでもある」
「・・・そうなのかな?自分じゃ分からないけど・・・・」
陽子は首を傾げた。
「そうさ。でも陽子にゃ申し訳ねえし、こんな言いぐさは失礼なのか知れねえが・・・・おいらはちょっと
得した気分だ」
「ううん、いいよ。楽俊が気持ち良くなってくれるんなら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?」
「ん?どした?」

しばしの沈黙
「それ、他の女の人の身体を知らなきゃ分かる事じゃないよ・・・・・・楽俊!」
いつの間にかネズミの姿になった楽俊が身を屈めて逃げようとしている。

「どういうこと?私以外の誰かと寝たの?」
背後から素裸の陽子に捕まり羽交い締めにされ、楽俊は観念した。
「え、延王が・・・」
「延王?」
「どうしても付き合えって妓楼に無理やり・・・・」
陽子は怒りに震えている。

「だからって、そんなの断ればいいじゃないか」
「おいら断ったんだよ、でも女を悦ばせる技を身に付けるのも陽子の為になるって言われてつい・・・」
「私の為?・・・・ばか!そんなの私相手に練習すればいいじゃないか」
「そうは言っても陽子・・・・男ってそういうとこじゃ見栄を張りたいもんなんだよ・・・・」


「見栄なんかいい!楽俊は私の身体、好きな様にしていいんだ!・・・・・あ・・・///」
自ら発した、まるで慎みのない言葉に陽子は赤面した。

「と、とにかく・・・もうそんなとこ行っちゃやだよ・・・・我慢できなくなったらいつでも言って欲しい。
いつだって飛んで来るから」
「すまねえ陽子・・・・もう二度と行かないから」
照れ隠しに陽子は楽俊を抱きしめる。ふかふかした毛皮が素肌に心地良い。
(実際私の方が我慢できなくなりそうだな・・・・ま、いいか)


その後二人は朝まで更に何度も求め合い、妙につやつやとして満ち足りて帰って行った陽子と裏腹に、
半ばミイラ化した楽俊は翌日の講義の記憶がなかった。
陽子も楽俊も何故延王が二人の秘めた関係を知っているのか、この時はまだ気付いていなかった。


大学の寄宿舎を出た楽俊が住む延王の用立ててくれた家、その寝室の壁には大きな鏡が張り付けてある。
それは六太が蓬莱より持ち帰りしもの、蓬莱での名をまじっくみらーと言うとか。

−了−

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