作者:257さん >784-786

 イバラの檻をくぐり抜けて、ようやく王子様はお姫様の元にたどり着きました。
「さて、お姫様のご機嫌はいかがかな?」
 魔女の呪いで100年間眠ったままのお姫様をのぞきこみます。
「ふーん、すごいな。100年前とまったく変わってない」
 王子様はしげしげとお姫様を眺めました。
「まるで生きているようだ。どうやったらこんな呪いをかけられるのかな。今度、国でも研究しよう」
 よくよく考えると恐ろしいことさらっと言いながら、王子様はお姫様の上にかがみこみました。
「キスをすれば目覚めると聞いたけど……キスしなかったらどうなるんだろう?」
 王子様は、イタズラめいた笑いを口元にのぼせると、ひょいっとお姫様のドレスの胸元を下げました。
「ふふっ、可愛い膨らみだね」
 クスクスと笑いながら、唇で、そして指で、白い小さな乳房に愛撫を加えます。
「……っぁ、ん……」
 お姫様の唇から吐息が漏れました。起きたのかと思って顔を見ましたが、瞳は閉じたままです。
「眠っていても、感じていてくれてるんだね。嬉しいよ」
 甘く囁くと――もっとも、相手には聞こえませんが――王子様は愛撫を再開しました。白い肌に幾つも紅い跡を残しながら、唇はだんだんと下へと降りていきます。
「……はぁっ……ぁぁっ……んっ……」
 お姫様の喘ぎもだんだんと高まっていきます。やがて、まだほとんどないに等しい茂みを超えて、王子様はお姫様の秘めたる場所にたどり着きました。
「もう、少し濡れてるね。でも、まだ足りないかな」
 呟きながら、王子様は割れ目に舌を滑らせます。
「んん……っ」
 お姫様が身体を震わせました。白い肌が火照ってきているのがよくわかります。
 王子様は襞をなぞりあげ、舌先で突起をくすぐります。お姫様がさらなる蜜をだして悦べば、王子様は今度は指で応えます。
「ぁぁ……っ、ふぅ……ん…………」
 とうとうお姫様は腰を動かし始めました。
「こんなに感じているのに、まだ眠りは覚めないのか」
 ひとしきり感心すると、王子様は自分自身を取り出しました。
「眠っているうちなら痛くないだろうからね……」
 優しい瞳でお姫様を見つめ、王子様は一気に貫きました。破瓜の印が流れます。
 口調は穏やかですが、その行為は大胆、かつ激しいものでした。小柄なお姫様の体が壊れんばかりに、激しく、強く打ちつけます。
「……っ、だんだん君も感じてきたようだね」
 お姫様の内壁が、柔らかく、絡みつくように王子様を締めつけてきます。繋がりからは蜜が止めどなく溢れています。
「……そろそろ、起こそうかな。喘ぎ声ばかりじゃなくて、君の可愛い言葉も聞きたいしね」
 王子様はお姫様の体を持ち上げると、その桜色の唇にそっと口づけます。
 しばらく感触を楽しんでいると、ゆっくりとお姫様の水晶の瞳が開いきました。
「……なぁんっ」
 口を開こうとしたところを、下から突き上げ、喘ぎに変えてしまいます。それがよほど悔しかったのか、お姫様はまなじりをつり上げました。
「な、何を……っ、やって、いるのよ……!」
 喘ぎ声を抑えつつ、必死に声を紡ぎ出します。
「おや、わからないほど君は世間知らずだったかな」
 飄々とと会話を続けつつも、王子様はお姫様を揺さぶります。
「……んぁんっ、や、めてよ……っ、こんな、眠っている、あいだになんて……っ、失礼、だわ……っ」
「失礼とは?」
「あ、あたし、の……ふぁっ、意志を、無視、しない、で……!」
 王子様に翻弄されながら、それでも気丈にお姫様は睨みつけてきます。くっくっと王子様は喉の奥で笑いました。
「だから私は君が好きなんだ」
 愛しげに王子様に見つめられ、お姫様は視線を逸らしました。
「調子、いいんたから……」
 お姫様が気弱になったと見るや、王子様はさらに激しく責め始めました。
「……ぁっ、ぁんっ、あぁぁ、ふぁっ?」
 王子様は抱きかかえていたお姫様をくるりと回転させ、うつぶせに倒しました。
「やぁ……なんて、かっこうさせるのよぅ……ぅぁ、あぁん、んんっ」
 獣のような体勢に、お姫様はわずかに抵抗しましたが、すぐに快楽に飲みこまれてしまいました。
 ぐちゅぐちゅと、いやらしい音がお姫様の寝室に響きわたります。
「ああ、や、ねえ、ま、待って、ま……っ」
「どうしたんだい?」
「変なの、何かっ、ぁあっ、何かくるの……っ、や、待って、待って、ぁあああああっ」
「怖がらなくていいよ、最高の高みに連れていってあげる」
「は、ぁぁああ、あ、あ、あ、やぁあああああああああああっ!」
 頭の中が真っ白になるような、何かもを忘れさせるほどの快感が、お姫様を包みました。薄れゆく意識の中で、お姫様は自分の内にほとばしる、熱いものを感じていました。


 ところで、100年間眠っていたお姫様と、王子様はどうやって知り合ったのでしょうか。普通の人間ならとっくにお亡くなりになっているはずです。答は簡単、王子様は長寿の国の生まれたったのでした。若々しく見えても、実は600歳を過ぎているのです。
 ――その後、お姫様は100年眠っていたために荒廃した自分の国を、王子様の国に負けないほど立派に立て直したそうです。遅れてたどり着いたキリン国の王子様が、「なんでもっと早く来ないのよ!」とはり倒されたのは、また別の話でございます。
                                     ―どっとはらい―


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