作者:94さん >94>95>101>102>111>114>116
泰麒が峯山に戻って初めて夏至を迎え、昇山の物達を迎える少し前のお話。その日、蓉可はいつものように泰麒に使えていた。
そこへ禎衛が呼びにやってきた。
「蓉可、玄君様がお呼びよ。詳しい事は直接話すそうよ。泰台補の事は私にまかせてすぐにいきなさい」
そういわれて蓉可はすぐに玄君の元へ向かっていった。「お呼びでしょうか?」
やってきた蓉可を見やり、玄君はにっこりと笑って座るように促した。
面と向かい合って座る事は畏れ多い事のような気がしながらも座ると玄君は話し始めた。
「もうすぐ夏至を迎えて数多くの昇山の物達がやってくる。泰は長い間空位が続いたので数多くの物達が昇山してくるであろう。さすればその中に王が居る確率は高くなるであろうな」
蓉可はうなづいた。
「王を選ぶと麒麟の成長は止まる。すなわち一人前の麒麟として認められるわけじゃ。そのことはしっておるな?」
「はい。存じ上げております」
峯山の女仙にとって知っていて当たり前の事を言っているので蓉可は同意した。それを確認して玄君は話し続ける。
「実はな蓉可、祈伏や転変が出来るのも前提ではあるのだが一人前の麒麟として
認められるためには、王との契約の前にすませて置かねばならぬ事がある。」
「と、いいますと・・・・?」
「泰麒は一人前の男として天に認められばなければならぬ」
「そ、それはなにを指していらっしゃるのですか?」
蓉可は内心何を指しているかをわかっていながらも玄君に訊ねた。
「男と女の交わりじゃ。やはり泰麒と親密である者にこの役目を任せたい。もっとも親密なのはサン子じゃが、あれは人でない。よって蓉可、お主にこの役目を任せたい。」
蓉可は愕然とした。今まで泰麒のお世話をさせていただいてキタがそのような事は考えた事はなかったからだ。
「引き受けてくれぬか?」
蓉可は考えあぐねていた。しかし玄君に頼まれていいえといえる身分ではない。
「はい・・・・・・・わかりました。」
「ひきうけてくれるか!夏至までは時間がない。早めに頼みますぞ。」玄君の部屋から退出して、蓉可は泰麒の元へといろいろ考えながら向かっていった。(続く・・・かも)
蓉可が泰麒の元につこうとする頃には、既に日も沈みかけていた。
そこでは女仙達がせわしなく夕餉の準備を行っている所だった。
食事時に泰麒と一緒にいた者は御相伴に預かれるというのがこの麒麟が戻ってきてからの峯山における新しい不文律であった。
「あ、蓉可が戻ってきた。」
そういって泰麒は蓉可を夕餉の席へ招いた。
せっかく泰麒に招かれたのではあるが蓉可は食事などどうでも良いほどに玄君に頼まれた事をずっと考え続けていた。その様子を見て
「食べないの?気分でも悪いの?」
泰麒があどけない顔で訊ねてきた。
「あ、いえ。ちょっと考えごとをしていたものですから・・・・」
蓉可は慌てて平静を装った。その様子を側から禎衛が見ていた。
夕餉の後、蓉可は禎衛に呼び止められた。
「玄君様の話はなんだったの?」
蓉可は何も答えない。禎衛が続けた。
「おそらく泰台補を一人前の男にする、そんな話じゃなかったかしら?」
「どうしてそのことを・・・」
「実はね、蓉可。この山の女仙達は皆、その仕事を行ってきているのよ。
私も景台補のお相手をさせていただいたわ。みんな畏れ多いのと、恥ずかしいのとであまり口にしないけれど・・・」
蓉可は驚いていた。
「まぁ、そんなに堅くならないでも大丈夫よ・・・おそらく泰台補にはこのことを知らされていないとは思うけれど。何てったって慈悲の生物ですもの。
とてもやさしく接していただけるわ・・・」
禎衛の話を聞いて蓉可は少しだけ安心した。その夜、蓉可は泰麒の寝室へと向かっていった。
月の光が薄暗く部屋の中をてらしていた。
蓉可はそっと側により、泰麒の寝顔を眺めた。すやすやと眠っているその顔を見るとよりいっそう泰麒が愛おしく思える。
泰麒の掛け布団にそっと手をかけ、泰麒を起こさないよう緩やかに掛け布団を剥いだ。
泰麒は「ぱじゃま」とかいう蓬莱の人たちが普段寝るときに着用しているという服を着ている。
泰麒が峯山に帰ってきたときに着ていた物をまねて女仙達が拵えた物だ。
蓉可は泰麒のパジャマに手をかけそっと下半身をはだけさせた。ぐったりとした泰麒の分身が姿を現す。
蓉可はその細い指で分身を上下にしごいた。分身は徐々に硬度を帯びてくる。
サン子が出てくるのではと危惧していたのが、そのような様子はない。きっと玄君から話が通っているのであろう。
もともと女怪とは麒麟の事がすべてなのだ。泰麒を一人前にするためとなればわざわざ邪魔もすまい。刺激のせいであろうか、泰麒が目を覚ました。
「何・・・・してるの?」
「泰麒を一人前にするための儀式ですよ。」
そういって蓉可は泰麒の分身を口に含もうとした。
「駄目だよ・・・汚いよそんなとこ・・・」
「泰麒のですもの・・・汚くなんか無いですよ」
そういって蓉可は泰麒の分身を口に含んだ。
自分一人で風呂を浴びようとするこの麒麟の癖のせいだろうか、
いささか青臭い臭いが残っているが蓉可はあまり気にしない。
ジュルジュルという音を立てながら蓉可は一身に泰麒の分身を舐め続ける。
「嗚呼・・・駄目だよ・・・・・・蓉・・・可」
「気持ちが良くなってきましたか?泰麒は何も考えず、楽にして居てください
すべてこの蓉可にお任せを・・・」しばらく泰麒をフェラした後、泰麒の上にのしかかっていった。
蓉可は泰麒の分身を掴みそっと腰を下ろしていく。後少しで入っていくという所で蓉可は一度動きを止めた。
泰麒の顔を見やった。快楽と困惑の入り交じった表情をしている。
「いきますよ・・・・・」
そういって蓉可は腰を落とした。淫靡な音を立てながら泰麒の分身は徐々に蓉可の中に飲み込まれていく。
しばらく泰麒の様子をうかがってから、蓉可は上下に腰を使い始めた。
蓉可の口からも自然と喘ぎ声が漏れ始める・・・・
「はあっ・・・はぁっ、気持ちいいですか?泰麒」
そう聞かれた泰麒は黙ってうなずく。
「いきたくなったら、いっていいですよ。泰麒はご自分の快楽だけを考えればいいのです。」
そういって蓉可はよりいっそう腰使いを早めた。
蓉可は、しばらくして泰麒の顔は何かを我慢しているかの様だと思った。泰麒の顔は真っ赤に染まっている。
ふと蓉可は思い当たった、麒麟は仁の生き物、自分の事だけではなく蓉可の事も考えてくれているのではないかと。
そう思うと蓉可は嬉しかった。
しばらくして泰麒が声を漏らした
「ああっ、なにかでそう・・・・・」
「私もいきそうです・・・・・」
そういって二人は同時に果てた。この後泰麒は無事に祈伏、転変を果たし堯宗を王に迎える事になる。
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