作者:555さん >590〜596


「た、泰麒……お願い、も…やめ…っ!」
陽子の懇願には答えず、泰麒は形のいい胸をまさぐる。
「あちらの名前で呼んでください」
「……高里く……あっ!」
宮殿の最奥、王の私室に同胞を招いたのは陽子だったが、こんなつもりではなかった。
いつの間にやら長椅子に押し倒され、衣服を剥かれて身体を探られている。
「ぁんっ……はぅ…っ…」
「中嶋さん、景台輔と……してるんでしょう?」
胸の膨らみの頂についた小さな果実を舌で弄びながら、泰麒は問うた。
まだ短い鋼色の鬣が、その表情に翳をつける。
「な、なんで知っ……ぁあ!」
胸の果実を甘噛みされ、陽子はびくりと身体を振るわせる。
泰麒はその反応に満足げに笑むと、今度は少し強めに歯を立てた。
「ひぁっ……い、いた……んっ!」
「見てればわかりますよ」
確かに陽子は景麒と枕をともにするようになっていたが、まだ数えるほどでしかない。
それなのにもう景麒を裏切るような行為をしている……自分の意志とは関係なく、泰麒の与える刺激に反応してしまう己の身体が情けなく、口惜しい。
羞恥に涙を浮かべる陽子に構わず、泰麒は指を滑らす。
「はぁ……ふ…ぅ…」
触れるか触れないかというほどの軽い愛撫、そのじれったさに陽子の身体は跳ねた。
指はやがて腹の下の茂みを過ぎ、その奥に隠れた花弁に触れた。
「あっ!ゃ、そこはっ……だめ……!」
花弁に侵入しようとする指を、陽子は必死に拒もうとする。
しかし、熱を帯びた身体では上手く力が入らず、抵抗らしい抵抗も出来ぬまま、そこは泰麒の侵入を許してしまった。
「ぁん……やだっ、いやぁ……」
陽子はいやいやをするように頭を振る。
「ここに入れるのは景台輔だけなんですか?……そのわりには悦んで僕の指を飲み込んでいるけれど」
くすりと笑いながら言う泰麒に、陽子は顔を赤らめるしかなかった。

泰麒が指を動かすたび、花弁からは蜜が溢れる。陽子の身体が悦んでいる証だ。
「はぁ、ぁん……や……ひぁ…?」
突然、泰麒が指を抜いた。陽子は我知らず、切なげな声を出してしまう。
その声に目を細めながら、泰麒は指を滑らせる。
「こっちが駄目なら……後ろはどうかな?」
「え?後ろって……ひゃぁあ!!」
陽子の唇から高い嬌声が漏れた。泰麒が先ほど抜いた指を花弁のさらに後ろ、固く閉じられた蕾に差し入れたのだ。
「はっ……なんか、変っ…そこ……いやぁあ!!」
閉ざされた蕾をこじ開けられ、中で泰麒の指が蠢く。そのたび、陽子は悲鳴を上げる。
花弁から溢れた蜜で濡れていたとはいえ、蕾は指を咥えてひくひくと震えている。
泰麒の指一本で踊らされるように、陽子もまた初めての感覚に背筋を粟立てた。
「大丈夫です、そのうちこっちも良くなりますよ」
荒く息をする陽子とは対照的に、彼は穏やかに言葉を紡ぐ。
「た、かさと…く…っなんで…んっ……こんな…!」
必死の抗議も瞳を潤ませ息を切らしていては、艶っぽく相手を誘うようにしか聞こえない。
「なんでって、僕も貴女を悦ばせたいだけですよ」
そう言うと、泰麒は優しく唇を重ねた。
「んぅ……ふ…は……」
陽子の指が泰麒の衣服を握り締めた時、扉の外の廊下から遠く足音が聞こえてきた。
二人がいる部屋は王に近しいものしか入れない。
それに今は私的に泰麒を招いているので、側仕えの官でも入るのを憚るだろう。
ではこの足音は……
「……あぁ、景台輔かな」
「け、景麒!?」
唇を離し、そう呟いた泰麒を驚いて見返す。
今は州侯としての執務中のはずじゃ、いやそんなことより、こんな姿を見られたら……
と陽子は焦った。
驚く陽子に泰麒はにっこりと笑いかける。
「僕が誘ったんですよ。あとで三人でお茶でもしましょうって」
「……っ!」
その言葉を聞いて陽子は青ざめた。
「でも中嶋さんがこの状態じゃ、お茶は無理かなぁ」
ことさら楽しそうに笑う彼に、陽子は呆然とした。
足音は確実にこの部屋へ近づいて来ている。
こんな醜態を見られるわけにはいかないと、慌てて身を起こしその場を離れようとしたが、泰麒の腕にがっしりと捕らえられ、身を引き寄せられる。
結果的に泰麒に後ろから抱きかかえられる形になってしまった。
部屋の扉は真正面にある。ちょうど入ってきた者と向かい合う状態になってしまったのだ。
二人の衣服は乱れ、陽子に至っては乳房が露わになっている。
こんな状態の男女二人が何をしていたかなど、一目瞭然だ。
「お願い、放してっ……!」
陽子はもがくが、泰麒は決して放そうとしない。
それどころか後ろから陽子の耳を舐め上げるので、陽子の身体から力が抜けていく。
身体が震える。それは泰麒の与える刺激のせいか、それとも。
「や、だ……」
扉がキィと音を立てた時、陽子の瞳から涙が零れた。


「……何をしておられるのか」
これ以上ないほど眉間に皺を寄せて、景麒は二人をひたと見つめた。
他の男に抱かれている主の痴態。
何をしているかなど愚問だったが、他に言葉が見つからなかった。
紫の瞳も淡く光を放つ金髪も、普段より一層冷たく見えるのは気のせいだろうか。
景麒の低い声と冷めた眼に耐え切れず、陽子は顔を逸らした。
「あぁ景台輔、待ってたんですよ」
泰麒は純真そのもののような笑顔を向けたが、景麒はそれを苦い気分で見返した。
「中嶋さんが景台輔じゃないとイヤだって、ほら」
と言うなり、泰麒は陽子の太腿に腕を差し入れ持ち上げた。股が大きく開かれる。
「あっ……見る…なっ、見ないで……!」
陽子の身体は羞恥からふるふると震えていた。
景麒もまた拳を握り締め、身体を震わせた。
だが同時に、自分以外の男の手によって開かれた陽子の身体を目の当たりにし、その身の内に奇妙な熱が生まれるのを覚え始めていた。怒りとは違う熱を。
「感じやすいんですね、中嶋さんって。僕の指だけでここをこんなにして……」
言いながら花弁の周りを指で辿る。それを見ると、景麒の中で何かが弾けた。
つかつかと二人に歩み寄り、いきなり陽子の花弁に二本の指を突き入れた。
「ひっ…景麒……!?」
「他の男の手でも貴女はこんなにお悦びになるのか」
「あっ、あ、……ひぅ、け、いきぃ……っ」
陽子の声を無視し、景麒は彼女の中を乱暴に掻き混ぜる。
部屋に響くのは陽子の吐息、ぐちゅぐちゅという卑猥な音、そして泰麒の笑い声だった。
「駄目ですよ、景台輔。そんなに乱暴にしちゃ可哀相じゃないですか」
言葉とは裏腹に、その声は楽しそうである。彼の指は再び後ろの蕾に埋まっている。
前と後ろの両方に指を咥え、陽子は喘いだ。
景麒はおもむろに指を引き抜くと帯を緩め己のものを取り出し、陽子の前に突き出した。
「……景麒……?」
「お舐めなさい」
不安そうに見あげる陽子を冷ややかに見下ろし、景麒は言い放った。
「舐めて、いかせてごらんなさい」

陽子はおとなしく従った。四つ這いなり太い陰茎に手を添える。
まだ幾らも反応していないそれを、口だけでいかせろと言うのだ。
口唇愛撫などした事のない陽子が躊躇っていると、景麒が紅い髪を掴んで促してきた。
眼を閉じ、思い切って口に含む。どうすれば相手が悦ぶのかなどわからないが、懸命に舌を動かす。
「ぅ…ふぁ……おっき…ぃ……」
陽子がうめくと、背後からくすくすと泰麒の笑い声が聞こえた。
「それを中嶋さんのここはいつも咥えているんだよ?」
泰麒は指で蕾を弄りながら、舌で花弁をべろりと舐めあげる。
「ひぁんっ……!」
その感触に舌を動かすのも忘れ、陽子は背中を仰け反らせた。
「舌が動いてませんよ」
すぐに景麒の叱咤が飛ぶ。慌てて意識を集中させるが、後ろを責められながらの愛撫は拙かった。
だが、それでも景麒のものは確実に質量を増していった。
他人に開かれた身体、自分の前に跪き愛撫する主の姿を見て加虐心が生まれたのだろうか。
許しを請うような陽子の姿は景麒の気分を高揚させた。
「ん、ん……はふ……ぅ……んぅ!」
泰麒は陽子の花弁を責めつづけている。縁をなぞり、時折中に含ませる。
舌先で花弁の中の小さな突起を突付き、咲きかけの蕾にも舌を這わせる。
背後からの刺激に耐えながら、いつの間にか陽子は泰麒にされるように舌を動かし始めた。
陰茎の筋を舌でなぞり、先端を舌先で突付く。
「………くっ……」
景麒が小さく呻き声をあげた。彼自身はすでにさらに大きく固くそそり立っている。
それでも景麒はなかなか達しなかった。
(ふ、ぅ……も……あごが……)
さすがに疲れてきた陽子が上目遣いで景麒を見やり、視線を交わした。
頬は上気し、口元は唾液で光っている。自分を見上げる潤んだ翠の瞳に景麒は射抜かれた。
「しゅじょ…う……!」
「……!!……んぅ…っ…」
景麒は前触れもなく、主の口内に精を吐き出した。
突然のことに驚いた陽子だが、吐き出すことをせず精を飲み下す。
唇を放すと、名残惜しそうに唾液が糸を引いた。
「景麒……あの……ひゃあぁん!」
これで気が晴れた訳ではあるまい。
口元を拭いながら景麒の様子を窺おうとしたその時、泰麒の与える刺激に陽子は震えた。
花弁と蕾の奥、敏感な部分を同時に指と舌で責められ、嬌声があがる。蜜はさらに溢れている。
「こっちの準備は出来てますよ、景台輔。どうされます?」
微笑む泰麒に一瞥をくれてから、景麒は無言で幼子にするように陽子を抱えあげた。
「景…麒?……ふぁ…っ…ぁぁあぁあ!」
そして一度達しているというのに強度を失っていない自身で、そのまま下から抉るように陽子を貫いた。
陽子は崩れ落ちそうになる身体を支えるように、景麒の首に腕を回ししがみつく。
「あ、ぁあ、けい…き……はぁぁんっ」
景麒は激しく突き上げる。いつも優しく愛してくれる景麒にも、こんなに激しい一面があったのかと陽子はぼんやり思った。同時に、こういうのも嫌いじゃない、と。
突き上げられるまま身体を揺さぶられていると、後ろから乳房を掴まれた。
「僕も愉しませてもらいたいな……」
陽子の耳元でそう囁くと、泰麒は自身を蕾にあてがった。
「え?ちょ……たかさっ……ぅ、ああ!」
後ろの蕾まで貫かれ、陽子は身体を強張らせる。さすがにこちらは辛いらしい。
「ゃ…や、だっ……あっ…ぃた…痛いっ……!」
「大丈夫、力抜いて」
耳元に息を吹きかけると、震えは止まらないが陽子の吐息は穏やかになってきた。
「中嶋さん、可愛いよ……」
「高里く…ん……!っひぁ!?……あ、景麒っ……!」
辛そうにしがみついてくる陽子を気遣って動きを止めていた景麒だが、自分の知らない名前で呼び合う二人に軽い苛立ちを覚え、彼は動きを再開した。
「あ、ぁあん!ひっ……くぅ……!」
「淫らな……これが一国の王の姿とは……」
景麒は嘲笑うように顔を歪ませる。
「こういう景台輔も良いんでしょう?中嶋さん」
景麒に合わせて腰を動かしながら、泰麒も翳のある笑みを浮かべた。
仁獣と呼ばれる麒麟の隠された本性を、陽子は垣間見たような気がした。
前と後ろで挟まれ、二人の男のものを咥え、文字通り嬲られている。
痛みと熱と快感に揺さぶられ、淫蕩に溺れて陽子の意識は白濁としてきた。
「あんっ!……は…ぁあ、もぉ…ゆ、許し……ふ、ぅう……!」
陽子は嬌声を上げ続ける。二人の麒麟は彼女の中を責め立てながら、身体に口付けを散らした。
胸に、背中に、きつく跡を残していく。
ふと、陽子が景麒の顔に触れ唇を重ねた。彼女のしたいようにさせていると舌をさし入れてきた。
舌は景麒自身を咥える花弁のように蠢き、絡め、捕らえてくる。全身が花のようだ、と景麒は思う。
やがて花の蜜を貪るように、景麒の舌も陽子の口内を蹂躙するように犯した。
そんな二人の様子を見ながら、泰麒は胸の果実を摘み首筋に噛み付く。
そのまま肌を吸い上げ、跡を残した。
衣服を着ても見えるところに残したのは、無論わざとである。
「……ほら、いいんでしょう……中嶋さん?」
「はぁ……ぃ、いい…高里く…ん……っひぁ、あ、景麒ぃ……!」
「今、中が…締まりましたよ、……本当に淫乱な方だ……っ」
嬌声の合間に誰のものともつかない吐息が漏れ、結合部の卑猥な音が鳴り止むことは無い。
陽子はもう何も考えられなくなっていた。
痛みも、酷い言葉も、甘美な快感としか感じられない。
「ひぁあ…ダメ……も、いくぅ……ぅ、ふぁぁあぁあん!!」
激しい二箇所の突き上げに、やがて陽子は達した。
達した勢いで陽子の中はきつく男のものを締め付けるので、ほぼ同時に二人も達した。
熱い精が身体の奥に放たれるのを感じたのを最後に、陽子は意識を手放した――――。


気を失ってぐったりとした陽子を景麒は大事そうに抱えて、長椅子に横たえた。
少しやりすぎたかとも思ったが、愛する者のあんな姿を見せられては……と、
そこまで考えて、その原因が泰麒であることを思い出す。景麒にとって泰麒は幼い頃の稚い印象のままだった。
だから、なぜ陽子にあんな痴態を演じさせたのか、自分を焚きつけるような真似をしたのかわからない。
「泰麒!貴方はいったい何を……」
思い出したように抗議してきた景麒に、衣服を整えていた泰麒はにっこりと微笑み返した。

「他にもいろんなプレイがあるんですけど、中嶋さんが起きたら試してみます?」

「ぷれい」という言葉を理解できたかどうかは定かではないが、泰麒の言葉に景麒は呆けた。
どうやら何年経っても、泰麒は景麒の師であるらしい。


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