|
服越しと直に触られるのでは全然違う。 エドは声が出ないように唇を噛み締めた。 「…鋼の…そんなに噛み締めると可愛い唇に傷が付いてしまうよ」 「…!」 反論しようとしたエドだったが、それより先に声を上げてしまいそうなのが嫌でぐっと堪えた。 ロイが指で口を抉じ開ける。 「んぁっ」 堪えていた声はそこから洩れ出た。口の中を指が触れて回る。エドの手がそれを掴んだ。 「舐めなさい」 ロイが優しい声で命令する。指先が上顎をそろりと撫でる。 「ン…!」 我慢しきれずエドの舌が指に絡む。爪との間や叉を丹念に舐める。 「ふむ…上達はしていないか…」 苦笑しつつ呟いて、漸くエドの口から指を引き抜いた。 「ア…」 「さて、時間も無い事だし…」 ロイはエドのズボンを下着ごと下ろした。ロイに握られ、 揉まれていたエドのものは硬く勃ち上がっていた。 「そこの棚に手をつきたまえ」 エドは潤んだ目でロイを睨んだが、結局は何も言わずに手をついた。 その手を上から押さえつけると、エドの唾液で濡れた指を窄まりへと挿し入れた。 「んぅッ」 急な異物にエドの腰が逃げを打つ。 「きついが…もう一本は入るな」 「た、い」 二本目の指が中を擦る。 「は、ぁあ…」 「堪えた声もなかなか…」 言いざま耳をぺろりと舐めた。 「あッ!」 驚いたのか高い声が上がった。 「静かにしていないから…ほら…」 コツコツと靴音が近づいていたがエドの耳には聞こえなかった。 「あの…」 遠慮がちに声がかかる。エドはその声に体を強張らせた。 ロイがエドの体を自らで上手く隠してはいたが声を出せば気が付かれてしまう。 それなのにロイの指が増え、剰え中を引っ掻く。くちゅ…と鳴る音にエドは再び唇を噛み締める。 その卑猥な水音に被せるようにロイは言葉を発した。 「ああ、すまない。思わぬ発見をしたのでね。気を付けるよ」 やんわりと言うと、見に来たものは特に疑った様子もなかった。 「ハッ!」 敬礼するとそのまま去っていった。 「スリルがあって良かったろう?」 「てめ、この、ァウ」 小さく毒突くエドから指を引き抜いた。 「じっとしていなさい」 いつのまに脱いだのやらエドの入り口に己を宛がうとグイと腰を進めた。 「か、はッ…!」 エドの手を押さえていた方の手が今度はエドの口を塞いでいた。 「良く締まる…」 ズクズクと奥を突かれ思考力の切れたエドはされるがままだった。 放り出されたままのものは挿入の衝撃でやや萎えていたがロイの指が撫で上げると、 すぐに勢いを取り戻した。 「鋼の…」 首を捻らせ唇を合わす。 そろそろか、と当たりをつける。 中の締めつけもエド自身も限界を訴えていた。 ロイは手の動きと合わせてエドの奥深くを突き上げた。 「!!」 「んッ…」 エドは体を震わせるとロイの手の中へ放ち、間髪入れずロイも己を解放した。 ロイは己を抜くと弛緩したエドを横たえてやった。 自分の身支度を整えておいてからエドの服を着せ直してたロイだったが、 一向に動く気配のないエドが少し心配になった。 「大丈夫かね?」 「…うるせえよ…この、バカ大佐…」 まだ整わないながらも憎まれ口を叩いたエドの髪を優しく撫でた。 「その元気があれば大丈夫そうだな」 「くそ…だりぃ…」 エドはゆっくりと体を起こして腰を擦った。 「アンタな…ゴムなんてする余裕があるんならこんなトコでするなよ…」 エドは心底疲れたように言った。 「だったら次は私のところへも寄りたまえ」 「んな時間ねえよ」 よいしょと立ち上がったエドは次のロイの言葉に顔を引き攣らせた。 「なら仕方がない。また探し出そう」 「そこでヤル気かよ…」 「無論」 さも当然のようにロイは答えた。 「だが寂しい思いをしているのも本当だ。早く帰ってきたまえ」 その言葉にエドは一瞬どきりとした。 「さて、私はもう戻らねばならん」 「中尉の怒った顔が目に浮かぶぜ」 「なんとか言い訳するさ。ではな」 そう言って笑ったロイの顔が少しだけ痛かった。 了
2005/10/22UP Novel Back |