夜明け


 カタ…という物音にロイは気が付いた。
「…誰だ…!?」
 ベッドの上で素早く身を起こし、誰何の声を上げた。
 だが、その声に答えるものはなく静まり返っている。
 気のせいかと思ったロイだったが、月明かりが部屋にはない色を照らしていた。
「鋼の…そんな所で何をしているんだね…」
「なんだ…もうバレたのか」
 エドは悪びれもせずあっさりと立ちあがった。
「隠れるならきちんと隠れたまえ。まあ、小さい体は隠れていたようだが」
「小さい言うな!!」
 素早い動きでエドがベッドの上に飛び乗る。
「ははは…相変らずだな、鋼の」
「アンタの嫌味っぽいのもな」
 と言っても三ヶ月ぶりなだけである。
「それで…? 何をしに来たのだね?」
 ロイは上に乗っているエドを見上げながら問うた。
「そんなの決まってるだろ?」
 エドの手がロイの肩口を押さえる。
「んぐ…ぅ…」
 荒い口付けにロイは小さくうめいた。
 ロイの口腔は蹂躙され、息を吐く間もないほど深く貪られた。
「んはぁ…」
 つぅ…と糸をひいたのを見て、エドは笑った。
「ハァ…鋼、の」
「久しぶりの天国見せてやるよ」
 エドの手は既に服の下へと潜り込んでいた。
「く…」
 冷たい機械鎧の指が胸を弄る。ゾワリとした感覚にエドの腕を掴もうとしたロイだったが、 それは失敗に終わった。
「大人しくしなよ、大佐…」
 首元まで服が捲られ、露になった腹部から胸をエドの手が撫でる。
「鋼の…!」
 ニッと笑ったエドは左の胸に齧りついた。
 息を堪えるロイを観察しながら下腹部へと手を移動させる。
「は、あ…」
「もっと声出していいんだぜ? オレ以外聞いてるヤツなんていないんだから」
 ロイ自身に指を絡めながら、そっと囁く。
 硬く勃ち上がった先端に軽く爪を立てて引っ掻いた。
「!!」
 ビクッと体が跳ねる。
 溢れた透明な液が根元まで伝う。
「気持ち良いんだろ?」
 右の突起を弄っていた指でその体液を掬う。
「やらしーなぁ…大佐ってば…」
 金属の指が後孔の入り口を撫で、滑りを擦り付ける。
 つぷと音を立てて指先が入りこんだ。
「あ…!」
 思わず声を上げたロイの胸にエドは再び舌を這わせた。
「く、ぁ、ぁ…」
 根元から緩く擦り上げる手が更なる快感を呼ぶ。
「大佐…オレ以外ともやってんの? すげー絡み付いてくる」
「ハ、馬鹿な、事を…! こんな事をするのは」
「オレぐらい? 光栄だな」
 エドの指が二本まとめて埋められた。ずり上がろうとする大佐の体は、 意外にもしっかりと押さえ込まれている。
「は、がねの…」
「どうしたいって?」
 エドは意地悪く聞きながら硬くなった己を入り口へと擦りつけた。
「早く、しないか…っ」
「偉そうだなぁ、大佐は」
「当たり前だろう、私はっ、くぁ…」
 ズッとロイの中に挿ってきた質量に声を奪われた。
「アンタのそういうところ、気に入ってるよ…」
 熱い脈動がロイの奥を突き上げる。
 体がビクビクと震えて、嬌声が漏れた。
「ぁ、あ、あ 鋼…のっ」
 解放を訴えるロイの先端をエドは指の腹で擦る。
 それと同時に奥の壁を強く突き上げた。
「ぐぁ、あああぁっ!!」
 ロイの意識が光に飲みこまれる。
「くっ…!」
 間髪いれずエドも己を解放しロイの内側へと放った。


「鋼の…もう行くのか…?」
「まあね。アルにも内緒で来たし」
 身支度を整えたエドをやや恨めしげな顔でロイは見遣った。
「この為だけに来るなと言ってるだろう」
「だって、他に用事ねぇもん」
 あっさりと答えたエドにロイは深い溜息で答えた。
「もういい」
「ハハ。じゃあな、大佐」
 白んだ空の向こうへエドは飛び出していった。




2005/08/10 UP

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